ジョブの強さより個人の強さが大切。『FF14』高難易度コンテンツを最前線で攻略するトッププレイヤーにインタビュー(前編)
最新拡張パッケージ「暁月のフィナーレ」の発売を11月に控えるなか、破竹の勢いでプレイヤー数を伸ばし続ける『FINAL FANTASY XIV』(以下、『FF14』)。2019年に発売された拡張パッケージ「漆黒のヴィランズ」ではシナリオが特に高く評価されたが、『FF』の名を冠するRPGである『FF14』の魅力を語るなら、バトルコンテンツは外してはならない部分だろう。定期的に追加される「零式」「絶」と呼ばれる高難易度コンテンツはバトルを愛するプレイヤーのみならず、ストリーミング配信などを通じて、自分ではバトルをしないプレイヤーまでもが一体となって楽しんでいる。
今回、弊誌AUTOMATONでは、最前線で高難易度コンテンツを攻略するトッププレイヤーたちをお招きして対談をおこない、「漆黒のヴィランズ」で実装されたレイドの数々を振り返りつつ、今後の『FF14』について期待することなどをうかがうことができた。お招きしたのは攻略ブログ「イディルシャイア居住区」管理人のKanata Celesteela氏と、高難易度コンテンツを配信を通して盛り上げるレイドチーム「One Ace」のメンバー3名である。対談はオンライン通話にておこなったが、終始なごやかに、友人の家でおしゃべりをしているような雰囲気で進んだ。その雰囲気が少しでも伝われば幸いだ。
Kanata Celesteela氏(Blog/Twitch)
『FF14』の攻略ブログ・イディルシャイア居住区を運営。レイドチームはE.D.H.やOne Aceなどで活動。絶アレキサンダー討滅戦W10th、希望の園エデン零式:再生編W5thなど。
Haru Glory氏(Twitch)
レイドチームOne Aceにて活動。過去にはレイドチーム5150にて、絶バハムート討滅戦W7th(配信チームでは初)など。
脇ノ下 臭夫氏(Twitch)
レイドチームOne Aceにて活動。過去にはレイドチームOwenにて、次元の狭間オメガ零式:シグマ編W2ndなど。
鈴木 達也氏(Twitch)
レイドチームOne Aceにて活動。希望の園エデン零式:覚醒編W10thなど。
──── 本日はよろしくお願いいたします。まずはそれぞれ自己紹介をお願いします。
Kanata氏:
Kanata Celesteelaです。イディルシャイア居住区というブログを運営しています。レイドチームはE.D.H.やOne Aceなど、いろいろなところでやらせてもらっています。ジョブはいつもそのとき強いものをやっています。よろしくお願いします。
Haru氏:
Haru Gloryです。基本的には近接DPSをやらせていただいております。
脇ノ下氏:
脇ノ下 臭夫です。メインジョブは暗黒騎士で、たまにガンブレイカーもやります。ナイトはちょっと苦手です。 よろしくお願いします。
鈴木氏:
鈴木 達也です。メインロールとしてサブタンクをやっています。ええと……リアルでは無職です。
────みなさんにはKanataさんつながりでお声がけさせていただきました。レイドチーム「One Ace」が中心にあるかと思うのですが、どのような流れでお知り合いになられたのでしょうか。
Kanata氏:
自分たちの繋がりで、中央にいるのはHaruさんですね。というか、トッププレイヤーというくくりに入るのはちょっと恥ずかしいところがあります(笑)ワールドファーストを取ったチームの知り合いの方にも声はかけてみたんですが、なかなか都合がつかず。トッププレイヤーと言うにはちょっと中途半端かもしれませんが……。
────国内の配信シーンを盛り上げてくださって、結果も残しているみなさんなので、中途半端なんてことはまったくないかと思います。
Haru氏:
自分とKanataさんが知り合ったのは絶アルテマウェポン破壊作戦が実装されたとき(パッチ4.31/2018年6月)ですね。Gaia DCで絶バハムート討滅戦をクリアしたあと、自分は特にチームへの所属はしていない状態でした。絶アルテマをやるぞ、となったときにレイドチームを探してElemental DCに行き、そこでKanataさんが所属していたE.D.H.というチームに入ったことで交友が生まれました。臭夫さんと達也さんはGaiaにいた頃からの知り合いです。そのあと、「漆黒のヴィランズ」のリリース前の……ちょうど、「暁月のフィナーレ」前でいう今くらいの時期ですね。その頃に「次の拡張で一緒に(レイドを)やろう」と、自分が声をかけました。そこで全員がつながった感じです。
────レイドチーム「One Ace」が生まれたのはいつごろの時期なのでしょうか。
Haru氏:
Elemental DCでの絶アルテマが終わったタイミングで、自分はまたGaia DCに帰りました。そこで次のレイド(次元の狭間オメガ零式:アルファ編)をやるにあたって、今度は自分でチームを作ろうと考えました。そこで達也さんやGaiaの知り合いを集めて作ったのがOne Aceです。
────ちなみに、One Aceという名前に由来はあるんでしょうか。
鈴木氏:
たしか、“Ace”と“8th”をかけての命名だったと記憶してます。8人全員がエース級だぞ、みたいな。ワン・フォー・オールって言葉もあるじゃないですか。そのあたりも意識して、韻を踏んで。
Haru氏:
名付けてくれた本人は、いま『FF14』はおやすみしてるんですけどね。
モンクが強すぎた「希望の園エデン零式:覚醒編」
────それでは『FF14』のレイドについて、順番に語っていただきたいと思います。まずはパッチ5.05実装の「希望の園エデン零式:覚醒編」から。みなさんは4人で同じチームで攻略をしていたそうですね。エデン・プライムに始まりタイタンで終わり、みなさんは世界10位となった覚醒編ですが、印象に残っているギミックなどはありますか?
Kanata氏:
2層の外から飛んでくる頭をずっと避けられなかったのを覚えています。
脇ノ下氏:
2層で僕たちはボスを横向きにしてたけど、野良だとだいたい縦向きだったよね。
────横向きというと、フィールドが縦長なのに対して、ボスの正面を長辺に向けるような感じですか?
脇ノ下氏:
そうですね。2層ではボスが左右に移動するので、それに対応するようにボスを誘導すると自然と横を向くじゃないですか。それをタンクがいちいち正面に直すのも手間ですし、横向きのままでも他のギミック処理に支障があるわけではなかったので。
Kanata氏:
パーティーにモンクがいたので、特に「向きを変えないで!」というふうになっていたのもありますね。
────なるほど、合理的です。ほかの層の印象はどうでしたか?
脇ノ下氏:
3層のリヴァイアサンのフィールドは左右に分かれるじゃないですか。そのときにボスから離れて処理するギミックがあって。そこからブリンク(接近)スキルで戻ろうとすると、角度によっては真ん中の穴に落ちてしまうので気をつけなきゃいけなかったのを覚えてます。
Kanata氏:
同じく3層のリヴァイアサンなんですが、大海嘯フェーズをよくわからないままタンクLBで越えてしまったので印象に残ってますね。
Haru氏:
個人的にはあれは結構良かったとも思っていますね。本来やらないといけないギミックをタンクLBで越えて、先を見てクリアするのは。
鈴木氏:
時短っちゃ時短だしね。
脇ノ下氏:
レイドレースをするという点ではかなり大きいからね。
Kanata氏:
3層は印象に残っていることが多いなあ。大海嘯が終わって、あれでもう大きなギミックは来ないだろうと思ったらブラックスモーカーが来てワイプして、「まだあるのか……!」と思った記憶があります。
────ブラックスモーカーはこれまでのギミックの複合ではなくて、そこではじめて出てくるギミックというのもありますしね。
Haru氏:
でも、総じて覚醒編は面白かったよね。
脇ノ下氏:
4層のタイタンは好きな感じでした。
Haru氏:
和やかに、メンバー全員で楽しんで攻略したレイドでしたね。
────ありがとうございます。覚醒編は「漆黒のヴィランズ」最初のレイドということで、ジョブ調整がややいびつだったとも言われています。ジョブバランスについての思い出はありますか?
Haru氏:
ジョブバランスはあまり良くなかったですね。
Kanata氏:
召喚士と忍者はかなり厳しい感じでしたよね。
Haru氏:
初週は特にそうだったんですが、装備が整っていない状態でクリアしようと思ったらモンクがいないと厳しかったですよね。モンクなしでは、ものすごく頑張って火力を捻り出さないとクリア水準に届かなかったんじゃないかと思います。
Kanata氏:
パッチ5.05のパッチノートが出たとき、モンクの調整項目がすごいことになっていたのを覚えています。零式実装ぴったりのタイミングでアッパー調整があったので、初週踏破を目指すくらいの層でモンクの練習をしておかなかったプレイヤーは険しい顔をしていましたね。召喚士と忍者を入れる「紅蓮のリベレーター」時代のメタを引きずっていたチームも辛かったと思います。召喚士も忍者も弱かったから。
────みなさんのチームでは、ジョブ構成はどうされていましたか?
Haru氏:
暗ナ白学竜モ詩召ですね。ガンブレイカーはたしかに強かったんですが、MTとしては暗黒騎士が圧倒的に硬かったので一択でした。STに関しては、まだガンブレイカーがSTに入るという風潮があまりなくて。
Kanata氏:
ガンブレイカーに火力があるのはそうなんだけど、ナイトは支援スキルが多いからね。バリアやパッセージ・オブ・アームズがすごく強かったので、ナイトを選んだ記憶があります。
────すこし驚いたのが、召喚士を採用していた点です。
Haru氏:
固定観念もあるのかもしれませんが、まず、キャスターを1人は採用しないと、LBゲージがたまりづらかったり、ロールボーナスがもらえなかったりの部分で不利になってしまいますよね。
脇ノ下氏:
過去、さまざまなロールのLBが必要なコンテンツもあったので、ロールごとどれかのLBが欠けている状態は避けたいという考えもありました。
────覚醒編時点でのキャスターのバランスとしては、召喚士と赤魔道士は操作難易度や火力面で劣っていて、火力を取るなら黒魔道士だったと記憶しています。
Kanata氏:
赤魔道士も召喚士も火力部分では大差ないくらい弱かったので、蘇生を持っているキャスタージョブを連れて行くなら火力は諦めるほかなかったですね。火力では黒魔道士が強かったけど、黒魔道士を採用するならキャスター2人構成にしてたんじゃないかな。
Haru氏:
個人的には黒魔道士でも問題はないと思います。赤魔道士や召喚士には蘇生でゴリ押せるメリットがありますけど、キャスター1人かつ黒魔道士でやっているチームもありましたよね。
Kanata氏:
ワールドセカンドとサードのチームがそうですね。理想は、時間切れまでは召喚士を使って、クリア目的になったら黒魔道士で火力を出してくれるような上手い人がいることですね。
────たしかに、トップ層のキャスターを見ていると、ジョブ自体の強さというよりも個人のプレイヤースキルが大きく関係している感じはありますね。ありがとうございました。
真心に苦戦した「絶アレキサンダー討滅戦」
────続いて、パッチ5.11で実装された「絶アレキサンダー討滅戦」についてお話をうかがっていきます。4人のなかではKanataさんはE.D.H.、ほかのお三方はOne Aceで攻略され、E.D.H.は世界10位でのクリアとなりました。別々のチームでしたが、攻略情報の交換などはされていたのでしょうか?
Kanata氏:
バリバリにしましたね。覚醒編をOne Aceで一緒に攻略したので、Discordのサーバーに参加したのがそのままになっていたんです。だから真心のギミック(※)が解けなくて詰まってるときに、One Aceのボイスチャットに乱入して「助けて!」と泣きついたこともありました。
※絶アレキサンダー討滅戦の中盤、時空潜行のマーチ中の謎解きギミック。このギミックが解けていないと最終フェーズに必要なバフが付与されず、突破が困難となる。レイドレースに参加した多くのチームがギミックを解けずに苦戦していた。
脇ノ下氏:
配信者同士、協力せなあかん……みたいなね。
Haru氏:
さすがに攻略用のテキストチャンネルは別に設定して、メンバー以外に内容は見えないようにしていましたけどね。ボイスチャットには誰でも入れるようになっていましたが、普段は攻略メンバー以外入ってこないので……。
────なるほど……(笑)ですが、たしかにそんなイレギュラーが起こるのが想像に難くないほど、当時レイドレースをしていたチームは真心のギミックに詰まっていましたね。
鈴木氏:
やばかったよ!あれは!
Haru氏:
未だに許してないよ、あれは。
脇ノ下氏:
あれはねえ……。
Kanata氏:
ちょっとね、モヤっとするよね。
────みなさんの語気が強い。『FF14』のレイドレースではギミックをいかに早く解くかが鍵となってきますが、ギミックが解き明かされてから挑む後続プレイヤーとみなさんとでは、真心に感じたものが違っていそうですね。これまでのレイドをプレイしている人間ほど真心は“倒すべき敵”と認識していますし、その先入観を持ったままノーヒントで挑むとなると、難易度はかなり高いかと。
Kanata氏:
時空潜行のマーチ(※)全体を通して、もともと存在しているギミックどおりにやるとNGなんですよね。かつてアレキサンダー・プライムと戦ったとおりにやると間違いになるというのは、個人的にはあまり好きなデザインではなかったです。
※時空潜行のマーチで登場する真心は、蒼天のイシュガルド時代の高難易度レイド「機工城アレキサンダー零式」にも登場。零式では真心は迅速に破壊しなければならなかったが、絶アレキサンダー討滅戦では逆に破壊してはならない。
────先日、5月15日におこなわれたファンフェスティバルでは、開発パネルのコーナーで絶アレキサンダー討滅戦のデザインを担当した中川大輔さんが登壇されていました。開発パネルを見ている視聴者からのコメントでは「真心のギミックは予想を裏切られたみたいで良かった」というような声がいくつか見られましたが……。
脇ノ下氏:
レイドレースに参加していた人とそうでない人で、意見が分かれるギミックなのかもしれないですね。
────なるほど、大半が先人の攻略方法をトレースして攻略するのが『FF14』のレイドの特徴ですし、コメントをしていた視聴者のほとんどが、レイドレースに参加しない層だったという可能性はありますね。また、自分は挑まずとも配信を通じて絶コンテンツを楽しんでいる層もたくさんいるので、そういった方々にとってもミステリーものの作品を見るような感覚で楽しめるギミックだったのかもしれません。とはいえ、最前線で謎解きをしていた皆さんからは不評なのは少し興味深いです。
鈴木氏:
配信チャンネルのコメント欄でも、真心を気にしている人はいたんだよね。でも、その真心をどうすればいいのかっていうのは、当たり前だけど誰も教えてくれなくて……。
Haru氏:
「蒼天のイシュガルド」のレイドをやっていた人間にとって、真心は壊すものじゃないですか。律動編では壊せなかった真心がボスの方に飛んでいったら失敗でしたし、自分たちは『FF14』から「真心は壊せ」と教育されてきたんです。
攻略中に一度だけ、真心が隕石に偶然ぶつかったことがあったんです(※)。そしたら、真心に防御力アップのバフがついたんですよ。でも、それ……ついたらダメだと思うじゃないですか?真心は壊すものだと思っていたら余計に。
脇ノ下氏:
ミスしたからバフがついたと思ったよね。
Kanata氏:
アイコンが特殊だったらまだ気付けたけど、見慣れた防御力アップアイコンだったしね。
鈴木氏:
もうちょっとコンテンツ内に導線がほしかったなあ。ヒントというか。
Kanata氏:
そうだね、真心にはちょっと唐突感もあった。しかも時空潜行のマーチってギミック自体が奥の方にあるんだよね。リビングリキッドを倒して、2体フェーズが終わって……ボスを7~8分殴ったところにあるから、それも辛かった。
────真心はミスリードのほうが多く感じられたということでしょうか。導線というと、セリフでヒントをくれたり、そこまでのギミックで解法を示唆したり、そういうイメージですか?
Haru氏:
そうですね。ちょっとコンテンツに触ってみて、「この辺りになにかありそう」とほんのり匂わせてくれるくらいだと、個人的には攻略しがいがあります。あとは、ギミックが解けたときに「なるほど」と納得させてほしい。真心は過去のコンテンツを否定してるじゃないですか。ちょっと大げさですけど、「天動編で俺たちがやってきたことってなんだったんだよ!」という気持ちにもなったので。
実装前、予習も兼ねて過去のコンテンツ(機工城アレキサンダー零式)に行ってみたんですよ。でも、それって結局意味がないどころか、(先入観が生まれてしまうという意味で)マイナスにもなってしまったんですよね。その部分もちょっとモヤっとしています。
鈴木氏:
でもそれも、今となってはいい思い出じゃない?
Kanata氏:
そうだね。それに、配信を見てる人にとっては面白かっただろうしね。迷走して外周に突っ込んで自殺しだす配信者とか、傍から見たら何やってるんだって思う。
鈴木氏:
機工城アレキサンダーの黒幕が「青の手」だから、最初のフェーズでリキッドハンドも倒すんじゃないか(※)と思って試してみたりもしたよね。いい感じにDPSチェックがきつくて、倒さないとだめなんじゃないかって。
────ギミックが解けないあまりに迷走しているチームはいくつかありましたね。
Kanata氏:
あとは、僕たちの配信を見て笑うSfiaさん(※)ですね……。
※絶アレキサンダー討滅戦のワールドファーストチーム「Thought Per Second」の黒魔道士。Thought Per Second は圧倒的なスピードで絶アレキサンダー討滅戦のレイドレースを制したが、しばらくの間ギミックの解法は明かさずにいた。
────Sfiaさんも配信にコメントされてたんですか。
Haru氏:
あの人、僕たちの配信のコメント欄でずっと笑ってるんですよ。自分は終わってるから(笑)
Kanata氏:
彼らは他のチームが次元断絶のマーチ(※)に苦戦しているくらいのときに、もうクリア報告を出してましたからね。僕たちが次元断絶をギリギリ越えられそうなところで、「あとちょっと!」と応援コメントもくれました。でも、真心のギミックが解けていないから、この先どうなるかも分かってるっていう……(笑)
※時空潜行のマーチの次にやってくるギミック。真心の謎解き自体が終わっていなくても到達することは可能。
Haru氏:
コメント欄にハートマークのスタンプを押してくれたこともありましたね。いま思えば、ギミックのヒントをくれていたのかな。ああやって配信のコメントを通じてコミュニケーションを取ることができるのは、絶アレキのなかで面白かった部分だと思いますし、楽しかったです。
────絶コンテンツは今までで3種類実装されていますが、それらと比べてはどうでしたか?
Kanata氏:
一番良かったのは絶バハムート討滅戦かな。それ以降の絶ってちょっと配信映えみたいなのを狙ってるところがあって、謎解き要素が絶対入ってる。絶アレキの真心もそうだけど、絶アルテマにも覚醒ギミックとかあったよね。
脇ノ下氏:
懐かしいね。謎解きができていない状態でアルテマフェーズまで来て、ようやく何かが違うとわかって、イチからやり直しになるの。あれ、好きじゃなかったなあ。
────次のパッチ6.1で「絶・竜詩戦争」が予定されていますが、あまり謎解き要素は入れてほしくないですか?期待する内容などあれば教えてください。
Haru氏:
真心みたいな謎解きでなければ、自分は別に構わないかなと思います。
Kanata氏:
ずっと謎解き系が続いてきているので、久しぶりに絶バハムート討滅戦のような正統派のレイドを期待しています。
一同:
(同意)
4層が固かった「希望の園エデン零式:共鳴編」
────続いて、パッチ5.3で実装された「希望の園エデン零式:共鳴編」についてお話を聞かせてください。引き続きKanataさんはE.D.H.で、ほかのお三方はOne Aceで攻略されていました。みなさんの思い出をお聞かせください。
脇ノ下氏:
4層が好きだったなあ。
Kanata氏:
4層は良かったけど、毎回1分のムービーを見せられるのはちょっと面倒だったかな。
────4層はフィールドや音楽の幻想的な雰囲気が素敵な層でしたね。途中に挟まるムービー演出も綺麗でしたが、およそ1分と長いため、維持するバフがあるジョブが険しい顔をしていた記憶があります。
Haru氏:
竜騎士のお話はやめていただきたい。
Kanata氏:
うちの竜騎士も苦しんでたなあ。ボス自体もHPが多くて大変だったよね。
鈴木氏:
シヴァは固かったね……。でも、あれくらいがちょうどいいな。
一同:
(同意)
Kanata氏:
4層は時間切れまで14分くらい……ムービーを除いたら13分くらいありましたよね。実装初週は結構ミスやデスに厳しくて、14分間ノーミスで通さないと火力が足りなかったのでシビアでした。ミスして被弾すると、与ダメージ低下のデバフがつくのも大きかったですね。
鈴木氏:
被ダメージ上昇じゃなくて与ダメージ低下のデバフだから、ちゃんと避けなきゃだめなんだよね。
Haru氏:
自分は好きです。シンプルに「全部避けろ!」って感じのレイドで。
────ヒーラー目線で言うと、被ダメージ上昇デバフだったとしてもちゃんと避けなきゃダメだぞ、とも思います(笑)
Haru氏:
そうそう、あれが普通なんですよ。
Kanata氏:
集中力が必要で、神経を使うコンテンツだったな、と思います。ちょっとした絶みたいな。絶アルテマが時間切れ演出のはじまりまで15分半ですからね。
Haru氏:
長いバトルになるのであれば、ムービーを挟むより前半と後半に分けてくれたほうが個人的には嬉しいです。ムービー後はそこまでに削ったボスの体力が持ち越されるので、ムービー前にミスをしたらクリアが厳しくなってしまうし、なにより集中力が持たないし。
Katana氏:
それがあったから、この後の再生編で前半と後半に分かれたんだろうね。
脇ノ下氏:
分けたら分けたで「通しのほうがいい」って意見も出てくるだろうから、難しいところなんだろうなあ。
Kanata氏:
「紅蓮のリベレーター」のときに結構そういう意見が多かったんだよね。(「次元の狭間オメガ零式」シリーズは)ずっと前半と後半に分かれていたけど、分かれてないほうがいいって声が結構あった。それで覚醒編と共鳴編はこういう形式にしたんだろうけど、結局分けなかったら分けなかったで不満は出るんだよね。どっちにしても文句は出る(笑)
Haru氏:
極論、どっちでもいいよね。通しにしてほしいって言う層も、前半と後半に分けてくれって言う層もいる。どうせどっちかが文句言うんだから。
Kanata氏:
分けるかどうかはどっちでもいいけど、(分けないのであれば)1分もあるような長いムービーはやめてほしいかなあ。覚醒編も1層に長いムービーがありましたけど、あれはインタビューで開発スタッフの方が、「3~4層ならカットもやぶさかでなかったが、1層なら……と思って入れました」というようなことを言ってたんですよ(ファミ通インタビュー)。それを読んで納得した記憶があるんですが、一転して共鳴編では4層で長いムービーが入るじゃないですか。どういうことだ!吉田!
鈴木氏:
……あ。その話とはあんまり関係ないんですが、4層のムービーについて思い出がひとつあって。共鳴編で一緒に組んでいた人が、アイトラッカーを使っていたんですけど……。
────配信などで、自分の視線の動きを可視化できる機材ですね。
鈴木氏:
そうそう、それです。その人が、前半と後半の間のムービーのところで、ずーっとシヴァのお尻を凝視していたんです。普段はそんなの興味ないみたいな感じを装ってるくせに……。
Kanata氏:
いや、アイトラッカーがないからわからないだけで、みんな見てるから!
────あのムービーであぶり出されるムッツリプレイヤーも少なくなかったのかもしれませんね……。さて、長くなりましたが、少し話題を変えまして。覚醒編ではいびつだったジョブバランスですが、共鳴編ではいかがでしたか?
Haru氏:
忍者、最強!
鈴木氏:
忍者は強くなったね。パッチ5.1での改修がとても良かった。いまだに強いものね。
────忍者と召喚士は絶アレキサンダー討滅戦が実装される直前におこなわれた調整で、うまく軌道に乗ったところがありそうですね。
Haru氏:
そうですね。絶アレキのあたりからちょっと近接はしんどくなってきたんじゃないかな。ボスから離れなきゃいけないギミックが増えてきたから。
Kanata氏:
それでも忍者は忍術を使えば、ボスから離れていても攻撃ができるからね。
Haru氏:
そうだね。あとはバフを維持しやすいのも大きい。共鳴編4層では忍者は忍気を後半に持ち越せるし、風遁のバフは70秒もつ。長いムービーが挟まっても持っているバフを維持できる忍者は強かったね。ムービーが終わったら強甲破点突から入ることで、すぐにバーストできるし。
Kanata氏:
1分くらいのクールダウンがあれば、忍者は逆に強いんだよね。ほかのいろんなバフもリキャストが済むから。逆に黒魔道士のようなダメージに波がないジョブは、殴れない時間が長いとちょっと不利になりますね。モンクもそうかな。とはいえ、ワールドファーストのチームはモンク入りでしたけど。
────共鳴編ワールドファーストチーム「Sylink」のジョブ構成は、暗ナ白占モ詩赤召ですね。
鈴木氏:
わけわかんない構成ですよ(笑)
Haru氏:
すごいよね。でも、あのチームのモンクはものすごく上手な方なので、ジョブについて語るうえではあまり参考にしないほうがいいかな。ジョブというより、ジョブを使っている人のスペックが全然違うから。覚醒編のときの黒魔道士と同じですね。
────今回も、ジョブ自体の強さよりも個人のプレイヤースキルがすごいのだ、という話に帰結するわけですね。これを使っていれば最強、というあからさまな強ジョブがないという点で、『FF14』のジョブバランス調整は丁寧におこなわれていると言えるのかもしれません。
後編に続く
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