『FF14』オフィシャルアンバサダーに就任した神木隆之介さんメディアインタビュー。ゲームは僕にとって“つながり”

スクウェア・エニックスは5月15日、『ファイナルファンタジーXIV』（以下、『FF14』）のデジタルイベント「『FF14』デジタルファンフェスティバル 2021」を開催した。イベント内コーナー「直樹の部屋」では俳優の神木隆之介さんがゲストに招かれ、『FF14』プレイヤーである神木さんのトークセッションがおこなわれた。トークセッション後にはメディアタイムが設けられ、弊誌AUTOMATONも参加させていただいた。本記事はメディアタイムにおける、プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏と、神木さんへのインタビュー内容をお届けするものである。

――吉田さんへの質問です。『FF14』オフィシャルアンバサダーに神木隆之介さんを選んだ理由をお聞かせください。

吉田P：
『FF』シリーズの主人公である光の戦士として、お仕事ではないところで出会った国民的大俳優の神木さんと、ぜひ暁月のフィナーレのタイミングで一緒にお仕事をさせていただきたいと思ったのが理由です。

――神木さんへの質問です。『FF14』オフィシャルアンバサダーに就任した感想をお聞かせください。

神木さん：
言葉に表せないくらいの気持ちです。嬉しいとか幸せという言葉じゃ足りない。本当に信じられないです。趣味として遊びはじめたころの自分は、まさかここでマイクを持って話すことになるなんて思いもしませんでした。先ほど舞台（「直樹の部屋」）に立たせていただいて、みなさんのコメントや拍手などがとてもあたたかかったので、そこで「信じられない」という気持ちが「よかった！」というものになりました。

――MMORPGは数多くあるなかで、神木さんが『FF14』をプレイするようになった理由を教えてください。

神木さん：
親友から「ちょっと前までやっていた『FF14』に復帰しようと思ってるんだけど、隆さんは興味ある？」と誘われたのがきっかけです。「興味ある！」と答えたら「じゃあ一緒にやろう！教えるよ！」と話が進み、漫画喫茶で一緒にプレイすることになりました。親友は会社員なので、金曜日の夜とかに集まって一緒にプレイをしているうちにハマっていきました。

――ゲームが得意な神木さんですが、苦手なものはあるのでしょうか？

神木さん：
ゲームが得意だなんて言うのもおこがましいですが（笑）苦手なものは……水ですね。実は僕は泳げないんです。

吉田P：
『FF14』にも泳げないキャラクターがいるし、大丈夫だよ。

神木さん：
息継ぎが上手にできないんです。小さな頃からお風呂にも潜れない。水が顔にはねてくるのも怖いので、すぐにタオルで拭いていました。それくらい恐怖なんです。いまだに泳げないし、うまく泳ごうとも思わないです。もう、これでいいかなって（笑）

吉田P：
水が嫌いになるきっかけはあったの？

神木さん：
まず、水が目に入ると痛いし、まぶたを閉じないといけないですよね。視界情報がシャットダウンされる恐怖。潜ったときに目と耳と鼻が機能しなくなって、ゴーっとなる。逆に安心するという方もいるのかもしれませんが、僕が小さい頃は恐怖でした。一度、お父さんに小さい頃「一緒に沈もうか」というようなことをされて怖かったのもあります。今は潜れますよ！ただ、息継ぎはできません。

吉田P：
撮影のときにも水はあるよね？

神木さん：
あります。でも、やるしかないですよね。

吉田P：
そういうシーンでは「神木くんは恐怖心と戦いながらやっているんだ」と思ったほうがいい？（笑）

神木さん：
はい、「覚悟しながらやっているんだな」と思ってください（笑）

――『FF14』のなかで、神木さんが好きなキャラは誰ですか？

神木さん：
ティターニアです！敵キャラクターなんですけど、ティターニアというキャラが出てくるときの音楽と世界観と、キャラ自身が好きです。もう全部好きです。

吉田P：
いま食い気味だったよね（笑）

神木さん：
以前ラジオに出演させていただいたときに、音源を自分でリクエストしていいよって言われたときに、言いましたもん。「ティターニア討滅戦　目覚めの御使い」って。たぶんあのラジオのなかで、夜中に「討滅戦」と言ったのは僕ぐらいじゃないかな。

吉田P：
ここまで言われると「仕込みかな」と思うじゃないですか。でも、僕はこのことを知らなかったですからね。『FF14』は音楽にもこだわって作っているので、評価してもらえるのはありがたいです。

神木さん：
いろいろありますが、ティターニアが一番好きです！

――神木さんにとって、『FF14』の楽しさはどんなところだと思いますか？

神木さん：
国なども関係なく、ゲームの世界で生きることができるところです。『FF14』のジョブには、自分の役割が必ずある。ジョブごとに立ち回りをきちんとしなければいけないし、サボっていいところがない。PTメンバーは同じ敵を倒す仲間で、同じ方向を向いているので、助けあいも発生します。コンテンツを途中までやって、全滅したときにチャットで励ましあうこともあります。（現実のほかに）もうひとつ過ごしている世界があるんだな、とすごく思います。それから、ちゃんと自分で選んだ戦闘スタイルにも合う・合わないがハッキリしていて、すごく楽しいです。

――神木さんがご友人を『FF14』に誘うとしたら、どんなところをプッシュしますか？

神木さん：
「現実ではなかなか体験できないことを、日常的に体験しに行こう！」って言います。日常で感情が大きく動くことって、そんなにしょっちゅうあるわけではないじゃないですか。でもゲームのなかでは、それが当たり前のように体験できる。しかも、現実世界と同じ気持ちの揺れ動き方で。自分の中ではそれが実体験のようになってしまう。ユーザー同士の友情やコミュニティもあって、現実世界と変わらない。それが素敵だなと思っているので、プッシュするとしたらそこにします。

――『FF14』のスキルや魔法を現実で使うとしたら、なにを使いますか？

神木さん：
う～ん、なんだろうな。一瞬、黒魔道士の「ファイジャ」かなと思ったんですけど、現実世界は攻撃することもないので使い所がないですよね。

吉田P：
現実で使ったら大変なことになるからね（笑）

神木さん：
そうですね。でもやっぱりかっこいいし、黒魔から『FF14』をはじめたので思い入れもあります。回復系もいいけど、やっぱりファイジャかな。

吉田P：
忙しいから、テレポとかはどう？

神木さん：
あっ……！あれでもいいんですか？

吉田P：
一応、あれも魔法だから…。一回現地に行かないといけないけど、あっという間に海外に行けるよ。

神木さん：
たしかに、テレポがいいですね。それならテレポがいいです！一回行かなきゃだめですけど、テレポがいいです。

――神木さんの人生にとって、ゲームにはどのような意味がありますか？

神木さん：
難しいですね。一言では言い表せないです。何十年も（ゲームと）付き合っている人もいるでしょうし、全然大したことは言えませんが、僕のなかでゲームは「つながり」です。吉田さんとは一度パーティーを組みましたけど、吉田さんって現実では“吉田P”ですけど、ゲーム内だとひとりの黒魔道士なんです。同じ目的をもって進んでいく。立場などは関係なく、その世界で生きてるから、みんな一緒なんですよね。苦労を共有できる。会ったこともない人と、フレンドとしてつながって、仲間が増えていって……というのが、ゲームが好きな僕にとって大きな部分です。つながりという言葉よりももっと素敵な言葉を使って表現したいんですが、いまの頭のなかでは限界ですね。

吉田P：
現実から逃げたいとかそういうことではなく、ひとりのゲーマーとしていろいろな人とつながることができる、というのが「やすらぎ」なんだろうなというのが伝わってくる。繋がりという言葉は、とてもしっくりきますね。