Nintendo Switchでおすすめしたい、2019年1月時点で発売中のインディーゲーム11選。それぞれのゲーム開発者がこだわりや裏話を語る
Nintendo Switchのダウンロードタイトルは充実の一途をたどっている。日々多くのタイトルがリリースされており、幅広い選択肢が提供されている。しかしながら、その中でどのタイトルを選べばいいか、選択肢が多いだけに迷うかもしれない。そこで、AUTOMATONとしておすすめできるタイトルを11本ピックアップした。そしてただピックアップするだけでなく、選んだ作品の開発者に、自身でゲームタイトルを紹介してもらい、開発する上で生まれた苦労やこだわりなど諸々の裏話を語ってもらった。それらを参考に、自分にあったタイトルを見つけてほしい。なお、今回のピックアップタイトルは欧米生まれのタイトルに限定している。アジア生まれのタイトルについては、こちらで特集しているので、チェックしていただければ幸いだ。
あわせて今回、これらの紹介文を読んだ読者に、一番魅力的な「紹介」を選んでもらうという企画も実施する。投票フォームがこの記事の最下部にあるので、そちらから投票するという形だ。ゲームの前評判などではなく、あくまで「本稿における紹介」を基準に読者にとってのベスト紹介文を決める形だ。一番票数が集まったタイトルは、弊誌でプッシュしていくので、特に感銘を受けたタイトルがあれば、最下部のフォームから投票を試みてほしい。
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『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』など Nintendo Switch ダウンロード版ソフトの購入に今すぐ使える、ペイパル決済「500円クーポン」を数量限定でペイパルが配布中。 ニンテンドーeショップで1000円以上のペイパル決済時にて使用可能。人気タイトルのほか、インディーゲームの購入、Nintendo Switch Onlineの月額サービスの支払いなどにも利用可能。有効期限は2019年1月31日まで。
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命が吹き込まれたグリム童話ボードゲーム
『アルメロ』は、奥深いボードゲーム要素を持つターン制の戦略ゲームです。ゲームプレイにおける目的は、盤面の中心にいる穢れた王から玉座を奪うこと。ただし、ファンタジー世界であるアルメロの新たな王の地位に就けるのはひとりだけです。各プレイヤーはクエストをこなしながら盤上を冒険し、装備を集めたり魔法を唱えたり、時には対戦相手を妨害したりもしながら、優位に立てるよう力を蓄えるのです。そして、ただひとりのプレイヤーのみが勝利を手にすることになります!
プレイヤーキャラクターは、オオカミ族やネズミ族、クマ族、ウサギ族といった、アルメロ世界に存在する各部族出身の英雄で、それぞれ独自のアビリティやステータスにより、得意とするプレイスタイルが異なります。加えて、アイテム・呪文・計略の3種類の共有デッキから引くカードの選択もあり、プレイヤーは独自のスタイルでプレイして、お気に入りの英雄の扱いをマスターすることができます。選択できる英雄キャラクターの種類の豊富さや、ランダムで用意されるボード、そして3種類の共有デッキの存在により、本作では毎回異なるゲームプレイを楽しめるわけです。また、敵対する相手とのバトルでは、ボードゲームらしい要素としてユニークなサイコロシステムを導入しています。ゲームプレイを通じては、さまざまな美しいサイコロを入手でき、バトルにて使用することもできますよ。
『アルメロ』は、2015年に最初のバージョンを発売して以来、膨大な無料コンテンツを提供し続けてきました。Nintendo Switch版には、それら3年分以上のコンテンツが詰まっており、作品としてこれ以上ない状況だと言えるでしょう。とはいえ、アルメロの世界は常に危機的な状況にあり、あなたの助けを必要としています。勇気と共にアルメロを救ってください!
『アルメロ』(ストアリンク)
執筆者:Darcy Smith氏
(League of Geeks)
もっともユニークなパズルゲーム
『The Gardens Between』は、シングルプレイのパズル・アドベンチャーゲームです。ただし、あなたが操作するのはふたりいるキャラクターではなく、時間です。私たちThe Voxel Agentsは、プレイヤーを楽しませたり驚かせたりするゲームを作ることに情熱を注いでいます。見るものすべてが新鮮でワンダフルな世界を子供が冒険する、そんな美しく不思議な感覚を感じてもらいたいのです。ただ、この作品ではそれだけではなく、人生において過ごしたとある短い時間について、また何よりも大切な親友のことについて、さまざまな物語が展開されます。
本作のルーツにはいくつかの異なるアイデアがありまして、まずデザイナーのHenrikが、プレイヤーが干渉しないなかでイベントが展開し、ストーリーを伝えるというアイデアを思いつきました。実際の世界もそういうものですよね。一方私は、映画「マイノリティ・リポート」にて主演のトム・クルーズが手がかりを求めて記憶を洗い出しているシーンから閃いたゲームのプロトタイプを作っていました。そして、ほかの開発メンバーもそれぞれ温めていたアイデアやヒントを持ち寄り、それらを活かして出来上がったのが『The Gardens Between』なのです。その開発にあたっては、言葉やダイアログを一切使わないで物語を伝えることに挑戦しようと決めていました。これを実現するカギとなったのは、協力し合うこと。本作の中ではあらゆる場面でふたりのキャラクターが協力する必要があり、それによってひとつひとつの物語が明かされていきます。その物語は、環境やアートワークであったり、音楽やムード、あるいはキャラクターのアクションや、プレイヤーがどのような操作をおこなったかによってもたらされるのです!
ひとつ小さな例を挙げると、各ガーデン(スデージ)で過ごす時間というのは、友人であるふたりが過去に経験した出来事を回想することと繋がっており、これを私たちが考えた時間操作に落とし込んでいるのです。たとえばあなたが、ある出来事について友人と振り返るとしましょう。ともすれば、あなたは当時起こったことやその順序について、友人とは少し異なる形で記憶しているかもしれませんよね。会話がそのまま進めば、あなたの思い込みどおりの情景へと話は収束していくでしょうが、そこで“正しい記憶”、まあ少なくとも覚えている限り正しい(そしてバラ色の)記憶に出会うわけです。
この作品の開発には、数多くのプロトタイプを制作し多くの議論を重ね、4年もの歳月を費やしましたが、ふたりが上手く協力しなければならないという素晴らしいアイデアは、思いがけないハーモニーを生み出す結果となりました。それはすべて、何気ないひと時を過ごす私たちの生活において友情がいかに大切なものであるかという、心に残る物語を伝えたいという想いの結晶なのです。
『The Gardens Between』(ストアリンク)
執筆者:Matthew Clark氏
(The Voxel Agents)
ファミコン・スーファミ黄金期のゲーム、そして忍者へのラブレター
『The Messenger』は、カナダに拠点を置く我々Sabotage Studioが手がけた忍者ゲーム。8ビット・16ビット時代のアクションゲームを想起させる“あの頃の素晴らしさ”に、現代的なゲームデザインを導入した刺激的な作品です。魔物の軍団に村を襲われたことで、若き忍者は一族の存亡がかかった巻物を携え、使者として呪われた世界を旅します。
本作では、プレイヤーの思い込みを活かすことをコアデザインに据えています。まずは小さな物語の8ビット・アクションゲームとしてスタートしますが、次第に時空を超える壮大なストーリーへと発展。高いリプレイ性と“さりげないユーモア”たっぷりの16ビット・メトロイドヴァニアゲームに変化します。つまり、ファミコン時代を彷彿させる8ビットのドット絵グラフィックや、FamiTrackerを用いて制作したチップチューンの楽曲により、本作をシンプルなゲームだとプレイヤーに思い込ませ、油断させたところにどんでん返しや驚愕のイベントを投入、そしてスーファミスタイルの16ビットゲームへと誘うというわけです。
プレイヤーはやがて、この『忍者龍剣伝』風アクションゲームの結末らしき場所にたどり着くでしょう。しかし、それはさらに奥深い物語への入口。16ビットへの移行は、主人公の未来へのタイムトラベルを表現しつつ、すべての出来事はひとつのサイクルとして繋がっていることも表しています。プレイヤーは未来の世界にて過去に訪れた場所を今一度探索することで、かつては隠されていた部屋を発見したり、永遠の呪いを破壊できる魔法の音符アイテムを探すクエストに挑戦できるでしょう。こうしたクラシックなアクションからメトロイドヴァニアへの転換に加え、ショップでのアップグレードや新たなアビリティ、そして謎めいたショップ店主による“斜め上のユーモア”や、哲学的な説法もまたプレイヤーを楽しませるはずです。
本作がもっとも評価された点のひとつとしては、非常にタイトな操作性が挙げられます。また、ジャンプ中に何かを斬れば、空中でさらにジャンプできる「雲踏の術」もユニークであると評価されました。2018年8月30日にNintendo Switchでローンチを迎えてから、本作は日本を含む世界中のレビューにて素晴らしい評価を得ており、売り上げとしても非常に好調です。さらに、The Game Awards 2018では「Best Independent Game」と「Best Debut Indie Game」の2部門にノミネートされました(このうちBest Debut Indie Gameを受賞)。クリエイティブ・ディレクターのThierry Boulangerは、8歳の頃に『忍者龍剣伝』をプレイして大ファンになり、それから25年以上も本作を制作することを夢見てきました。BitSummitのために京都を訪れた際には、尊敬してやまない吉沢秀雄氏と山岸継司氏(『忍者龍剣伝』のクリエイター)とお会いする機会があり、同作の影響を受ける『The Messenger』を気に入ったと言ってもらえ驚いたようです。彼にとって、人生で最高の瞬間のひとつになったことでしょう。
『The Messenger』は、特定の時代のゲーム文化、そして日本のクリエイターが作り上げ我々に多くの影響を与えてくれた素晴らしいゲームの数々へのラブレターです。皆さんに、この作品を楽しんでもらえれば嬉しいです。
『The Messenger』(ストアリンク)
執筆者:Martin Brouard氏
(Sabotage Studio)
ボスのいない労働者協働体が手がけた、
ローグライト&メトロイドヴァニアアクション
『Dead Cells』は、ずいぶん辛い人生を送ってきた惨めな細胞の塊が主人公の“ローグヴァニア”ゲームです。下等生物の卑しい遺体を間借りすることを余儀なくされた主人公は、凶暴なモンスターの巣食う絶えず変化し続ける孤島を探索し、死んではまた別の身体を拝借することを繰り返します。本作は挑戦しがいのあるバトルや、レスポンスの良い操作性、そして死に対して理不尽さを感じさせないデザインにより、「Action Game of the Year」の称号を得ることができました。
開発をスタートしてから数えてもう4年ほどになりますが、これまでには紆余曲折がありました。ある時期には基本プレイ無料ゲームを想定していましたし、別のある時期はオンラインゲーム、あるいはスマホとウェブ向けの非同期型協力プレイゲームを考えていたことも。そうした時期を経て、まったく異なるいまの形へと変化していったのです。なんだか本作の主人公とちょっと似ていますね。モバイル向けのアイデアから離れたあと、私たちはPC向けに方針転換し一致団結することとなりました。早期アクセス販売を通じて、コミュニティからの助けを得ながら開発を進めようと考えたわけです。そして2017年、ちょうどPC向けのローンチの準備を進めていたさなかに、任天堂が“Switch爆弾”を投下したのです。それを見てすぐに、私たちもその船に乗るべきだと感じました。この1プレイ20分ほどのとっつきやすいアクションゲームを、電車の中でだってプレイできるのですから。
とはいえ、まずは良いゲームを作らないことには始まりません。皆さんが興味を持ち、上手くなりたいと思ってもらえるものを作らなければ。そのためには早期アクセスを乗り切る必要があるため、本作の調整を重ねて磨き上げ、出来うる限り最高のアクションゲームを作り上げることにすべての力を注ぎ込みました。そうした私たちの努力はコミュニティにも響いていたようで、感謝の声を頂くこともありましたし、なにより本作を良くしようと積極的にフィードバックを送ってくれました!そしてPC版『Dead Cells』は、発売初週に10万本以上を売り上げることができ、私たちはいよいよNintendo Switch版の実現に向けて動き出します。
Nintendo Switch版を手がけるにあたっては、米国任天堂のアツい友人Kirkが、『Dead Cells』をNintendo Switchで出して欲しいとものすごい情熱をもってアプローチしてくれて、彼の尽力もありそう時間はかかりませんでした。そしてPAX Westなどのイベントを経たのち、この小さなローグヴァニアゲームを近年でもっともエキサイティングなプラットフォームへと持ち込む準備を進めたのです。ただ、ほかのすべてのプラットフォームと同時発売しつつ、プレイヤーに最高の体験を届けることは難関でした。なにせ私たちは、たった8人(開発者5人・アーティスト3人)の小さなチームですから。ですので、あらゆる場面において60fpsに到達できるよう、とにかく必死で頑張ったのを覚えています。
そしてついにNintendo Switchでのローンチを迎えた本作は、インディーゲームとしてベストセラーのひとつとなり、発売から1週間で10万本以上を売り上げることができました。ただ発売当時、いくつかのステージにてフレームレートに問題があると報告を受け、私たちはすぐにRedditやメディアを通じて修正プランを説明し、ほどなくしてパッチを配信して対応しました。あれから私たちはドライバーをいちから作り直しており、もうじき完成する予定です。これで常時60fpsのスムーズな体験を提供できるはずですよ。また、最初のDLC配信に向けた作業もおこなっているところです。数多くの新コンテンツを収録し、2019年第1四半期に無料配信する予定です。そして、皆さんの力をお借りしながらさらに開発を続けていきたいと考えています。
『Dead Cells』(ストアリンク)
執筆者:Benjamin Laulan氏
(Motion Twin)
ファンタジー世界でクッキングバトル!
私の記憶が確かならば…今回ご紹介させていただくのは『Battle Chef Brigade』です!手描きグラフィックのファンタジー・アドベンチャーの世界観の中、コンボを活かしたハンティングと、パズル形式でおこなう料理を組み合わせた作品です。プレイヤーは国の料理人軍隊ブリゲードへの入隊を果たすため、この国に存在する破壊的に美味しいモンスターを狩って、独自の料理を作ります。
本作は、「料理の鉄人」などの素晴らしい料理バトル番組から影響受けており、独創的な料理を即興で作るゲーム体験はここから生まれました。キッチンの中を必死で駆け回ったり、多様な食材が用意されていたり、あるいは対戦する料理人同士が切磋琢磨する様子をうまくゲームに活かせられればと考えを巡らせていたところ、食材集めを狩りに置き換えることを思いついたのです!プレイヤーはモンスターを倒して食材とし、それを使って料理パズルを解き、一皿ずつ仕上げていくことになります。また本作には、俊敏さが特徴の茶目っ気女子ミナや、慈悲深きバーサーカーの異名を持つスラッシュ、アンデッドの魔術師ジギーなど、チャーミングなキャラクターがさまざま登場し、プレイヤーはファイトスタイルの異なる彼らを使って料理に挑戦できます。みなさんには本作にて、たくさんのキャラクターとの出会いを楽しんでもらえると嬉しいです。
Nintendo Switchは、本作のコンソール版が最初にリリースされたプラットフォームです。開発機には美しいディスプレイが搭載されており、携帯モードで初めてプレイしたその瞬間から、これは『Battle Chef Brigade』をプレイするにあたって最高の体験になると感じていました。料理バトルにて別の料理人に挑戦する際は、テレビに繋いでプレイしたいと思うこともあるかもしれませんが、携帯モードなら、王都ブリゲードタウン周辺でのパズルやハンティングの練習を外出先でおこなうことができるのです。また、画面分割でのローカル対戦を追加する「Deluxe Edition」アップデートを配信できたことは、私たちにとって特に大きな出来事でした。だって友人とJoy-Conをひとつずつ持って、モンスターと戦って料理バトルできるのですよ。ああ、でも料理は制限時間内に仕上げないといけないことは忘れないで!
本作のNintendo Switch版の売り上げ2トップは、私たちが暮らすアメリカと日本という状況ですので、日本のプレイヤーの皆さんには心からお礼が言いたいです!また、時間をかけて丁寧にローカライズしてくれたパートナーにも本当に感謝しています。本作についてツイートしてくれる日本のプレイヤーはたくさん見ますし、私たちはそれをなんとかして翻訳して楽しませてもらっています。
本作は、私たち3人にとって言わば人生の旅となりました。ディズニーのゲームスタジオを辞め、自分たちの会社を立ち上げたのは2012年のことです。当時、何かフレッシュな作品を作ることを目標として掲げていて、それを成し遂げることができたように思います。とてもたくさんのハッピーなファンに出会えたのですから、本当に素晴らしい。ありがとう!皆さんにも『Battle Chef Brigade』を楽しんでもらえればと思います。ブリゲード万歳!
『Battle Chef Brigade』(ストアリンク)
執筆者:Tom Eastman氏
(Trinket Studios)
私たちに世界を飛び越えさせたクレイジーなゲーム
『ニッポンマラソン』は、不思議の国ニッポンを横断してニッポンマラソンのチャンピオンを目指すゲームです。目玉となるのはローカルマルチプレイ。イライラさせられる障害物やコース自体を乗り越え、ニッポンのトモダチと先頭(戦闘)しよう!もちろん1人プレイも用意しています。こちらでは選手たちの、ニッポンマラソンだけでなく彼ら自身についての発見の旅に迫ることになるでしょう。選手にはそれぞれ個性があり、日々の試練に直面しているキャラクターとして制作しました。まあ、抱えているのはみんな変わった事情だけどね。
このゲームを手がけたのは、私たちAndyとAmyの夫婦です。ローカルマルチプレイの無いゲームが多いので、だったら自分たちで作っちゃおうと始めたら『ニッポンマラソン』が出来ちゃったのです。マルチプレイを前提にした作品ということもあり、特にNintendo Switch向けにはピッタリでしょう。開発当初から、Joy-Conひとつだけでプレイできるようにすることは最優先に考えていました。
実は、日本風のゲームだということは決して最初から意図していたわけじゃないんです。開発が進むにつれ、私たちの日本文化からの影響が無意識のうちに出ちゃった感じですね(ちなみにAndyは「AKIRA」の大ファンで、私もアニメをよく観ます)。そして本作のゲームプレイが、イギリスでも超人気だった番組「風雲たけし城」に出てきた障害物コースのように感じられたことが、日本風でいこうとなった決め手でした。また『塊魂』のようなデザインスタイルや、『ビシバシスペシャル』のような完全にイカれた要素も、『ニッポンマラソン』を形作るうえで大きな役割を果たしています。
こうしたテーマにおいては、翻訳が大きな部分を占めています。Andyは、できれば本作を本当の日本のゲームであるかのように見えるようにしたいと考えていたので、日本語のテキストを入れました。間違いだらけなのは意図したわけではなく、西洋人は読めないし理解もできないので問題なかったのです。でもそれが日本のゲーマーの目に留まり面白がってくれたため、私たちは偶然にも、メガドライブ向けに発売された『ゼロウィング』の逆輸入版のようなものを生み出してしまったことに気づきました。『ゼロウィング』は、本当に酷い英訳だったことが逆にウケて、多くのミームが生まれた作品です。そうした反響を見て、「ベギン、勇敢な、走る…行く!」を発展させた何かが必要だと感じたわけです。いつか、このフレーズをプリントしたTシャツを見てみたいものですねえ。
『ニッポンマラソン』の開発を始めて数か月が経った頃には、この作品は私たちの人生のすべてになり、仕事を辞め、家族や友人とも会わず、1日15時間作業する日が続きました。リサーチのために日本を訪れたこともありますよ。その結果、この国に恋に落ちて東京に住みたいと決心し、本作の開発を続ける傍ら、日本で会社を立ち上げるため私たちは家を売り、やって来ました。そう、私たちはいま日本で暮らしながら『ニッポンマラソン』がもたらしてくれる未来にワクワクして過ごしています。まだ家がなくホームレス状態なんですけどね。できることなら、日本人にとっても西洋人にとっても予想の斜め上をいくゲーム体験を持つさらなる作品を作って、『ニッポンマラソン』ブランドを発展させていきたいですね。
『ニッポンマラソン』(ストアリンク)
執筆者:Amy Madin氏
(Onion Soup Interactive)
1回60秒だけプレイできる、独特でちっちゃな冒険
たった1分で1日が終わってしまう奇妙な呪いを解くために、快適な家から飛び出してクセの強い住人を助けたり、数々の秘密を暴いて危険な敵を打ち倒す冒険をしませんか。『Minit』は、アドベンチャーゲームにおいて何か新しいことをやりたいと集まった、友人であるKitty CalisとJukio Kallio、Dominik Johann、そして私の4人のプロジェクトとしてスタートしました。1分間だけ走り回り、どの方角へ向かっても新たな冒険がもたらされるゲーム、というアイデアが気に入ったのです。
手強い敵やボスバトル、謎めいたダンジョンでのパズルや果てしなく広がる砂漠、あるいは気難しい客で満員のホテル。本作では、時間を無駄にすることなく驚きを生み出そうと、これら全部、いやこれ以上のものが60秒間の中に凝縮されています。プレイヤーは、同じような問題を何度も解く必要はありません。すべての場面において、新たなチャレンジやちょっとした物語、あるいはユニークなキャラクターたちが待っているのですから。
『Minit』での冒険は毎回たったの60秒で終了し、また自分の家から再出発となります。とはいえ、それまでに発見したアイテムは保持したままですので、次回の冒険では最初から足が速くなる靴を履いていたり、お金をいっぱい持っていたり、あるいは剣を投げつけられるアビリティを持っているかもしれませんね。物語を進めると、チェックポイントのように機能する新たな家も発見でき、パズルを解いたり経験を重ねていくことで、ショートカットして進む方法が解放されていく仕組みです。
冒険をし、いろいろと試してみて、そしてちょっとした進展を得るというのは、私たちが特にこだわったサイクルです。そしてもちろん、あらゆる方角を探索するというのは、ゲームを進めるに従って可能性が拡大していくという意味ですよ。バーにあるジュークボックスから、スニーカーを売る胡散臭い店主、下水道に潜むサメや剣工房の受付係まで。この小さな60秒間の世界は、プレイヤーに提供するものが満載でギュウギュウ詰め状態です!
また私たちとしては、ゲームにおけるお約束に疑問を投げかけたい想いもありました。ヒーローが剣を発見するというどこかゼルダっぽい設定にするとしても、別にビーチで適当な武器を拾ったって良いんじゃないか、とね。だったら、ゲームを通しでプレイしてたくさんの秘密や怪しい場所を探ることで、たった1分で1日が終わってしまう呪いが解けるというのもアリですよね!
『Minit』(ストアリンク)
執筆者:Jan Willem Nijman氏
(Vlambeer)
ヤツを星屑にせよ、生き残るために
『ライバル・メガガン』は、画面分割での対戦要素を取り入れた縦スクロールの宇宙対戦シューティングゲームです。プレイヤーは巨大なボスシップ「メガガン」に変形し、対戦相手のゲーム画面へと侵略しに行くことができます。本作は、『ティンクルスタースプライツ』などのクラシックなシューティングゲームから影響を受けて制作しました。そのライバルと切磋琢磨しての、アドレナリン吹き出すバトルを愛する気持ちが、伝統的なシューティングアクションに対戦要素を導入するに至ったのです。
登場するヒーローたちは、それぞれ異なるスペシャルウェポンやメガガンの形態を持っており、プレイヤーはそれらのヒーローから選んでプレイします。さらなるキャラクターやギア、自身の機体への追加武器をアンロックする要素もありますよ。そして対戦プレイでは、友人とローカルでバトルすることもできますし、オンラインのマッチングシステムを使って世界中のプレイヤーと戦うこともできます。
Unityを用いてのNintendo Switch版の開発は、かなり順調に進んで基本的には容易だったと言えます。ただ、壁となった要素のひとつはネットワーク周りです。オンラインプレイを実装することは常に挑戦ではありますが、Nintendo Switch版においては、まだ新しいプラットフォームということもあり、ほかのプラットフォームよりも少し時間がかかりました。弾幕が飛び交うシューティングゲームでは、とても小さいヒットボックスに加え、画面上の大量の弾丸や数々の敵をピクセル単位で扱う必要があり、オンライン対応は特に難しいことで知られています。ただ幸運なことに、本作は分割画面を採用しているので、2人のプレイヤーが同じ弾を避けるような状況は発生しません。このおかげで、オンラインプレイにおけるラグや同期について多くの余裕を持って対応できました。
本作では、シングルプレイのアーケードモードも用意していますよ。こちらでは、それぞれのキャラクターの物語を描いており、最後に待ち受けるボスを目指してプレイします。隠しステージを発見することもあるかもしれませんね。『ライバル・メガガン』のNintendo Switch版は、日本語を含む11言語に対応して世界中で販売中ですので、ぜひプレイしてください!
『ライバル・メガガン』(ストアリンク)
執筆者:Jake Whitaker氏
(Degica)
この最高な3Dアクションゲームで、
キミが子どもだった当時を追体験しよう!
『ユーカレイリー』は、古き良きアクション・アドベンチャーゲームへの、カラフルでクレイジーなラブレターです。『バンジョーとカズーイの大冒険』や『スーパードンキーコング』など、このジャンルの名作を手がけたベテランらが集結して開発しました。そして、Nintendo Switchならいつでもどこでもプレイできます!主人公は、ユーカ(緑のヤツですね)とレイリー(ダンゴ鼻のコウモリ。皮肉を言いがち)の仲良しコンビ。この2匹と一緒に広大で美しい世界を冒険し、ヘンテコなキャラクターたちと出会い(時には倒してね)、たくさんのアイテムを集めましょう。ナンセンスな冗談も、ちゃんと必要なだけ用意していますよ!
この世界にはバラエティ豊富なパズルや踏破すべきアクションパートがあり、2匹のヒーローの多彩なスペシャルムーブを使用して挑戦することになります。それもこれも黄金のPagieを探し出すため。Pagieは新たなワールドをアンロックしたり拡張するために使用できるアイテムで、これを集めていくに従って、世界中の本を盗もうと画策する悪玉Capital Bとの最後のバトルへと近づいていく仕組みです。それぞれの美しい環境には、奇妙なキャラクターや図体のデカいボスがたくさんおり、そのほかにも鉱山トロッコチャレンジやアーケードゲーム、クイズショウ、マルチプレイゲームなどなど、とにかく盛りだくさん!
プレイヤーは集めたPagieを消費して、新たなワールドをアンロックするのか、それとも既存のワールドを拡張させるのかを選ぶことができます。ワールドを拡張させるとより広く複雑なマップへと変わり、新たなエリアやキャラクター、チャレンジが登場します。もしDr. Puzzに出会うことができたなら、頭が混乱しそうになる変身装置までアンロックできちゃいます!もっとも、これらは『ユーカレイリー』にてプレイヤーが選択できることの一例に過ぎません。すご腕セールスマンのTrowzerから好きなアビリティを購入したり、プレイスタイルをカスタマイズできるユニークなTonicを使ったり、なんて要素もあります。
Nintendo Switch版には改善を含めさまざま手を加えていますが、注目してほしいのはJoy-Conをおすそわけしての協力プレイとマルチプレイです!ストーリーモードの協力プレイでは、プレイヤー2はハチ軍団Bee Teamとしてプレイします。参加方法は簡単で、ポーズメニューで追加コントローラーのL/Rを押すだけ。ユーカとレイリーは、Capital Bに名誉を傷つけられ復讐したいBee Teamに手を貸し、逆にBee Teamは収集アイテムの羽根や蝶を代わりに集めたり、トラップを止めるなどしてユーカとレイリーを助けることができます。一方、Rextroが営むゲーセンには、見下ろし型視点のカートレースや旗取り競争、アクション満載のシューティングゲームがあり、最大4人でのマルチプレイにてハイスコアを目指して対戦可能です。
なお、本作は特別な実績システムを搭載しているので、Nintendo Switch版のプレイヤーも実績解除を目指して挑戦できます!実績は全35種類あり、メインメニューにて確認可能です。項目としては、ボスバトルや鉱山トロッコのチャレンジなどのほか、もちろん大量の収集アイテムに関するものもあります。あ、実は獲得したアイテムは、ユーカの見えないパンツのポッケにねじ込んでいるんですよ。ともあれ、『ユーカレイリー』はニンテンドーeショップにて配信中ですので、ぜひ彼らの冒険に飛び込んでください!
『ユーカレイリー』(ストアリンク)
執筆者:Andy Robinson氏
(Playtonic Games)
チャーミングでカラフルなピンボール風メトロイドヴァニア
やあ皆さん、『Yoku’s Island Express』を開発したVilla Gorillaの共同設立者Jens Anderssonです。私はStarbreezeやLucasArtsなどに勤めた後、2013年にMattias Snyggら友人とこの小さなインディースタジオを立ち上げました。革新的なゲームデザインを持つ、小規模ながらユニークで美しい作品を生み出すことを目指し、2018年についに本作をコンソールとPC向けに送り出すことができました!『Yoku’s Island Express』の特徴はというと、スタジオジブリや、「ムーミン」で知られるトーベ・ヤンソン、ヨン・バウエルといった北欧のアーティストから影響を受けた手描きグラフィックに、ピンボール風のメカニクスや、メトロイドヴァニアのアクションアドベンチャーを組み合わせていることが挙げられます。
主人公は、フンコロガシのYoku(ヨク)。彼は、南国の楽園で日光浴でもしながらのんびり暮らそうと、新任の郵便局長としてモクマナ島にやってきます。しかし、この古代の島の神様が眠りに囚われてしまい、Yokuを島中をめぐる大冒険に誘うことに。助けを待つ島民のために、ピンボールアクションを駆使してちっちゃな主人公を弾いたり跳ねたりさせて、美しく描かれたオープンワールド世界を探索。そして島の郵便局を再建するとともに、古代の神様を深い眠りから覚まさせましょう!
私たちは小規模なチームではありますが、本作にはたくさんの愛情と情熱を詰め込んだので、それを感じてもらえると嬉しいです。もともと、探索やアビリティによって新たな可能性が開けていくメトロイドヴァニア要素を取り入れることは考えていて、そこにこのジャンルとしては珍しいゲームプレイを組み合わせると面白いのではないかと思い、閃いたのがピンボール風のコントロールです。私がStarbreezeにいた頃、オフィスには「White Water」という名作ピンボール台が置いてあったのでよくプレイしていました。物理的なゲームはすぐに楽しさを掴めるのが良いですよね。そこで、誰もが簡単にプレイできることを意識しながら、より冒険的な要素を加えたピンボールを本作に導入したのです。
一方、モクマナ島の世界観を作り上げるためには、カラフルなキャラクターたちによる魅力的な物語が必要だと考えました。そして生まれたのが、美味しいキノコに目がないウナギのFosforや、山頂を目指す登山家のOhmやTilo、Jamja。あるいはSpinaやJuice Master JeepersなどSkullギャングのメンバーです。Yokuが冒険する中では、これら以外にもたくさんのキャラクターが登場しますよ。また、私のLucasArts時代に知り合った作曲家Jesse Harlinが、ジャズやサンバ、チップチューンやトリップホップを混ぜ合わせたような、キャッチーなサウンドトラックを本作のために制作してくれました!『Yoku’s Island Express』への反響はとても素晴らしく、プレイしたファンから寄せられる感想を楽しく読ませていただいています。もし、まだ本作をプレイしていないのでしたら、ニンテンドーeショップなどで体験版を配信していますので、ぜひ試してみてください!
『Yoku’s Island Express』(ストアリンク)
執筆者:Jens Andersson氏
(Villa Gorilla)
楽園の島ジェメアでスローライフを楽しもう
『Yonder 青と大地と雲の物語』は、冒険や謎解き、クラフトや農園作りを楽しめる、チャーミングなオープンワールド探索ゲームです。プレイヤーはジェメアと呼ばれる島の秘密を解明し、ここをふたたびハッピーな土地にすることを目指します。ジェメア島は謎に満ちた8つのエリアを有しており、雪に覆われた山岳地帯や、灼熱の砂漠地帯、うっそうとした森林地帯、また天候や暮らす動物、植物などそれぞれ環境がまったく異なります。そして、『牧場物語』や『どうぶつの森』『ゼルダの伝説』などから影響を受けた、残酷さやプレッシャーとは無縁の壮大な冒険にて、魔法の妖精の助けを借りたり、かわいい動物たちと友達になったり、あるいは面白い人々と出会ったりしながら、スキルを覚え成長するのです。
本作は日本のゲームからたくさんの影響を受けていますから、当初から日本で発売することをずっと夢に見てきました。愛する日本の皆さんに我々の作品に触れて欲しかったのです。ですので、東京ゲームショウにて本作を披露した時は、まさに夢が叶う瞬間だったため興奮しましたが、隅の方の小さなスペースに出展していたこともありナーバスにもなりました。本作がどのような評価を受けるのか黙って見守っていたのですが、結果的に注目を集めることができ、さらにメディアから賞もいただいてもう大感激ですよ!本作を海外でリリースしてから、すでに多くのことを達成してきたとはいえ、これは予想外のことでした。日本においては日本一ソフトウェアと提携することになり、ゲーム内に同社のコンテンツをいくつか収録することができたことも嬉しかったです。我々は日本一ソフトウェアの作品が大好きですから。また、同社のサポートはとても心強く、素晴らしいパートナーとなってくれました。
プレイヤーの多くからは、仕事や学校でストレスを溜め込んだ日に、リラックスしたり心を落ち着かせるために本作が役に立ったという話を聞いています。グロッフル(画像の動物)が嫌いだなんて言う人はいませんし、花豚もファンから愛されているキャラクターですね。実世界でのプレッシャーから解放されるためにジェメア島で過ごしているというのは嬉しい話ですし、ゲームってそうあるべきですよね。『Yonder 青と大地と雲の物語』を日本で発売して以来、ファンからのサポートや、興味を持って本作を見てくれていることに興奮しています。また、日本のメディアにレビューしてもらえたことは名誉の証です。実は本作の売り上げについて、日本は世界でもっとも多い国のひとつなのですよ。日本のゲーマーから寄せられた愛あるサポートには恐縮ですし、感謝してもしきれません❤
『Yonder 青と大地と雲の物語』(ストアリンク)
執筆者:Jon Cartwright氏
(Prideful Sloth)
紹介文は以上となる。こちらの投票フォームから、もっとも魅力的な紹介文について投票してほしい。投票期限は、1月18日18時までとなっている。この記事を読んで、ほかのゲームを見つけたいと感じた方は、アジア編についてもチェックすることをお忘れなく。現在投票は締め切られている。
【UPDATE 2019/1/21 11:00】
1月18日18時をもって、読者投票が終了した。トップを飾ったのは、『Dead Cells』。Nintendo Switch版の初週売り上げにも言及した2018年のヒットタイトルには、70を超える票が投じられ支持された。次点では『ニッポンマラソン』、その次には『アルメロ』の紹介文が人気を博していた。なお、『Dead Cells』と『ニッポンマラソン』の票はかなり僅差であった。ホームレス状態を告白するAmy Madin氏のコメントは、中々インパクトがあったのではないだろうか。『Dead Cells』については、あらためてその魅力に迫る記事を公開予定。350を超える票を投じていただき、ありがとうございました。
なお、ニンテンドーeショップで使用できる500円分のペイパルクーポンの有効期限は2019年1月31日まで。ぜひ今のうちにペイパルアカウントを作成し、ゲーム購入のために使用してほしい。
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