マルチプレイ対応『Raiders of Blackveil』は、MOBAっぽい見た目でハクスラ要素がある、脱出系アクション風味のローグライトRPG。ジャンル全部乗せだけど結局どんなゲームなのか、プレイしてみた

ローグライトアクションRPG『Raiders of Blackveil』のおもしろさと、今後期待することについて、インプレッションをお届けする。

Wombo Gamesは12月16日、『Raiders of Blackveil』を早期アクセス配信開始した。対応プラットフォームはPC(Steam)で、日本語表示に対応している。

『Raiders of Blackveil』は、見下ろし型のマルチプレイ対応ローグライトアクションRPGだ。MOBAから着想を得たプレイアブルキャラクター「チャンピオン」を操作し、エリア分けされたステージの敵を殲滅しながらステージクリアをめざす。300以上存在する「パーク」と「装備品」の組み合わせ次第で、“オーバーパワー”なビルドを構築できるのが特徴だ。

本稿執筆時点では、アーリーアクセス開始直後でステージが2つ、ボスが2体とコンテンツ量は少なめだ。しかし、私はプレイしてみたところ、アップデート次第でどんどん面白くなっていきそうなポテンシャルを強く感じた。今回は、現時点でも体験できる『Raiders of Blackveil』のおもしろさと、今後期待することについて、インプレッションをお届けする。

倒して集めて強くなる、爽快なアクションRPG

『Raiders of Blackveil』は、さまざまなジャンルが複合的に組み合わされたアクションRPGである。ステージ中に出現する敵を倒す、宝箱を開ける、ショップで購入するなどの方法で装備を収集し、プレイアブルキャラクター(チャンピオン)を強化し、さらなる高難易度のステージに挑む、いわゆるハックアンドスラッシュのようなサイクルの繰り返しがメインコンテンツとなっている。

本作ではこれにローグライト要素を加えることで、さらなる中毒性を生み出している。ミッション中、階層をクリアした報酬として「パーク」を入手することがある。パークはチャンピオンに独自の追加能力を与える強化要素だが、なにが手に入るかは毎回ランダムだ。パークによる強化や、チャンピオンのレベル、スキルの強化段階などは毎ミッションごとにリセットされるので、毎回異なるゲームプレイとなるわけだ。

また、ミッション中に死亡した場合、持ち帰り確定インベントリに入れなかったアイテムはすべて失われる。とはいえ、装備中のアイテムは死亡しても失われないし、ステージ中にはアイテムを拠点まで持って帰ってくれるNPCがしばしば現れるため、アイテムロストの緊張感はほとんどない。本作は近年人気のいわゆる“脱出系アクション”として紹介されることもあるが、他の脱出系アクションゲームのような、アイテムロストのリスクと高価なアイテム入手のリターンを天秤にかけるスリリングさは薄めである。

そのかわりに本作でリスクリターンのスリルを提供しているのが、ミッションの周回機能だ。本作ではミッションクリア時に、拠点に戻るか、チャンピオンの強化状態を維持したまま難易度が上昇したミッションに挑戦するかを選択できる。高難易度ミッションではアイテムのドロップ確率などが上昇しているため、アイテムを持ち帰って利益を確定させるか、アイテムロストのリスクを負って周回するかを、チャンピオンの強化状態などを鑑みながら選ぶことになる。

このハイリスクハイリターンなおもしろさ、どこまで行けるかのチキンレースは本作特有の魅力だ。私自身「これだけ強ければもう1周余裕だろう」と思って周回し、思わぬ敵の強さに瞬殺されてアイテムを失い、悔しい思いをしたことが何度もあった。こうした独特の射幸感を得られるのは、本作独自の体験であると感じた。

“オーバーパワー”を生み出す、多彩だが直感的なパークシステム

本作のアクションに爽快感を生み出しているのがパークシステムだ。ミッション中に入手できるパークは、冷却と燃焼ダメージに関連したパークが手に入る「メイジ」、毒やクリティカル関連のパークが多い「アサシン」など、クラスごとに8つのカテゴリーに分けられている。総数は300以上で、「ダッシュ時、毒の短剣を投げる」「敵に呪いをかけると対象に隕石を降らせる」「バリアの数だけ、自身の周囲を周回する刃を生成する」など、プレイフィールや戦略を大きく変えるパークも多数存在する。同じチャンピオンを使用して同じミッションに挑んでも、パーク次第で毎回異なるゲーム展開になるのだ。

同じカテゴリーのパークは一定数集めることでもボーナス効果が発動する。たとえば「ウォリアー」カテゴリーのパークを2つ取得すると、攻撃時に25%の確率で流血効果のある斧を投げる特殊効果が発動する。チャンピオンの能力や装備とのシナジーを考えてパークを選択するのが理想だが、そこまで細かく考えずとも、同じカテゴリーのパークを取り続けるだけでもキャラクターはどんどん強くなっていく。複雑になりがちなビルド要素に適度なカジュアルさをもたらしていて、個人的にはいいシステムだと感じた。

その一方で、私が少し気になったのは、リロール周りのシステムだ。目当てのパークがない場合にパークを引き直せるリロール機能はこの手のローグライトお決まりのシステムであるが、本作では1回リロールするごとに「リロールトークン」というアイテムを消費する。しかもこのリロールトークン、店で購入できはするが、入手コストが高いのだ。気軽にリロールができないことで、実質的にビルド構築の運要素が高くなってしまっている。私個人としては、このシステムはあまりゲームのおもしろさやバランスの良さに寄与していないように思うので、今後のアップデートでリロールトークンのコストを下げるか、トークンなしでも一定回数リロールできるようにしてほしいところだ。

マルチでもソロでも活躍する、個性豊かなチャンピオンたち

本作のチャンピオンはいくつかの先行するMOBAタイトルからインスピレーションを得て作られている。現在使えるのは、炎を操るメイジタイプの「ジャメーラ」、ステルススキルをもつアサシンタイプの「ドラスキル」、体力が高く強力な無敵スキルを持つタンクタイプの「アイアンホーン」、回復スキルと攻撃タレットで戦うサポートタイプの「ベアトリス」の4体。マルチプレイを念頭に、ダメージディーラー、タンク、サポートなどの役割が割り振られてはいるが、ソロプレイでも十分に戦えるように調整されている。本作にはチャンピオンのタイプによる装備制限や、チャンピオンごとの熟練度のようなシステムがなく、使いたいチャンピオンで自由に遊ぶことができる。

個々のチャンピオンは特色が出ているが、いかんせん現状のチャンピオン数だとコンテンツ量的に物足りなさを感じてしまうのも事実だ。たとえば現時点では、冷却効果と直接的にシナジーのあるチャンピオンがいないため、冷却効果を強化する装備品やパークの価値が失われてしまっている。チャンピオン数の少なさから十分に要素が活かされていない部分はほかにも散見されるが、ここは早急に改善してほしい点だ。チャンピオン数は今後のアップデートで追加が予定されているという。マルチプレイにおいてもシングルプレイにおいても、ゲームプレイの幅を確保するためにチャンピオン数の早期拡充には期待したい。

“沼”の素質十分。奥深い装備システム

本作の装備アイテムにはコモンからミシックまで6段階のレアリティが設定されている。高レアリティになるほど装備の能力値や付帯効果が強力になっていき、レジェンダリー級とミシック級のレア装備には固有能力がつく。基礎能力値と付帯効果はランダムで決定されるので、トレハンのやりがいや、装備の取捨選択のおもしろさは現時点でも十分に感じられる。

さらにこれらの装備には別途、戦利品のレア度が上がるなどの副次的なボーナスがつく「ラッキー効果」や、元のステータス値に25%のブーストがかかる「ウーバーステータス」という強化値がつく可能性があり、アーリーアクセス最初期の現段階でも、理想の装備集めにはかなりの“沼”を感じさせる仕上がりだ。私はハック&スラッシュジャンルの、無心で敵を倒して装備を収集するゲームプレイが好きなので、本作の装備周りのシステムには非常に心躍らされた。

惜しいのは、付帯効果を付与したり、あるいはリロールしたりといった、後天的に装備を強化、調整するシステムがない点だろうか。装備につく付帯効果はランダム、その強化値もランダム、ラッキー効果やウーバーステータスがつくかももちろんランダムであるため、強力な装備を入手するには、天文学的な確率の壁を乗り越えなければならない。しかも装備入手はほとんど敵からのドロップ頼みであり、現状のコンテンツ量に対しては、装備強化に時間がかかりすぎる、プレイヤーにとって意味のある装備がドロップされる確率が低すぎるようには感じた。アップデートで装備強化関連のコンテンツが増えることに期待したいところだ。

以上、『Raiders of Blackveil』の魅力を紹介した。様々なジャンルの要素を複合的に導入しており、現時点でもアクションの爽快感や、装備集めのおもしろさは競合作品に引けを取らないと感じた。また、今後のアップデートでさらにブラッシュアップされるポテンシャルも十分感じられる。ただ、どうしても現時点でのコンテンツ量の少なさは否めず、それゆえにこのゲームならではの魅力を発揮しきれていない部分があるのも事実だ。

アーリーアクセスは6カ月~1年程度が予定されている。プレイヤーのフィードバックを受けて、今後のアップデートでどのように進化していくのかが楽しみだ。正式リリース時には価格改定が予定されているので、本稿を読んで『Raiders of Blackveil』に興味を持った方は、この機会に本作を触ってみるのはいかがだろうか。

Raiders of Blackveil』はPC(Steam)向けにアーリーアクセス配信中だ。価格は2300円で、日本語表示にも対応している。

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Junichi Matsui
Junichi Matsui

『風来のシレン』『アンリミテッド:サガ』『Dwarf Fortress』を人生の師とする雑食ゲーマーです。

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