基本プレイ無料ARPG『デュエットナイトアビス』、大型無料アプデで「グラフィック質感」がらっと変更。パッド対応に不具合修正に楽しげ新コンテンツ、未来の可能性を感じた先行アプデ体験
アップデートの配信に先がけ、弊誌は「大風の歌」バージョンを先行プレイする機会に恵まれた。

Hong Kong Spiral Rising Technologyは『デュエットナイトアビス(デナアビ)』のSteam版を近日にリリースする。また同日、大型アップデート「大風の歌」が全プラットフォームに向けて配信されている。
『デュエットナイトアビス』はソロプレイおよび協力マルチプレイに対応する、基本プレイ無料のアクションRPGだ。対応プラットフォームはPC(公式サイト/Epic Gamesストア)/iOS/Android。Steam版はのち配信される。
本作は基本プレイ無料作品ながら、いわゆるキャラ・武器ガチャが存在しない。ゲーム内プレイを通じて、すべてのキャラと武器を無料で入手できるのが特徴だ。課金要素はスキンガチャなどの見た目アイテムの販売と、キャラや武器の直接購入といった時短要素となっている。

『デュエットナイトアビス』の舞台となるのは魔法と機械が共存し、人間や亜人らが住む世界だ。しかし亜人のなかでも角をもつカロン族は悪魔と呼ばれ、厳しい差別にさらされている。カロン族と人間族からそれぞれ主人公が登場し、身分や立場がまったく異なる二人の視点から物語が描かれる。
バトルにおいては近接武器と遠距離武器の二刀流で敵と戦っていく。キャラに装備できる武器種の制限はなく、剣や銃を自由に装備させることが可能。またプレイヤーキャラのほかに仲間キャラを二人まで呼び出して、AI操作で一緒に戦わせることができる。装備からパーティーまで好みの編成を組んで、敵の大群やボスと戦っていくのだ。

そんな本作の大型アップデート「大風の歌」が12月23日に配信された。同アップデートでは新エリア「華胥」が追加。メインストーリーの新章の実装や新キャラの登場など、多くの追加要素が導入されている。
アップデートの配信に先がけ、弊誌は「大風の歌」バージョンを先行プレイする機会に恵まれた。先に所感をまとめると、新バージョンではグラフィック表現が精細化したほか、既存のバージョンで見られた不具合の多くが解消。全体的にかなり遊びやすくなっていた。以下で新バージョンの印象を詳しくお伝えしよう。
なお今回の試遊にあたってはPC版を利用。筆者は本作の製品版も自前のアカウントでプレイしているが、今回は先行プレイ用に用意された専用のアカウントを使用した。また体験したのは試遊用バージョンで、製品版とは一部仕様が異なっている可能性があることに留意してほしい。
グラフィックがっつり刷新、質感凄い

ゲームを開始してまず驚いたのが、グラフィックの刷新である。以前のバージョンの『デュエットナイトアビス』は光と影の部分がわりとはっきりとしており、分かりやすく色が配置されたアニメ的な絵作りの印象だった。一方、新バージョンでは光と影のグラデーションが繊細になり、画面の立体感が向上。質感の表現も進化し、髪のつやや肌の張り、金属や絹など衣服の光沢がより精細に描かれるようになっている。
特に主要キャラのモデルは全体的に綺麗になっており、表現のレベルが一段上がっている印象だ。新キャラクターや新マップはもちろんだが、既存のキャラやマップから受ける印象もずいぶん変化している。ストーリーを始めから見直してみたくなったほどである。

また以前のバージョンでは、筆者の環境ではゲームパッドを使用してプレイしていると、メニュー画面を開けなくなるなどの不具合が頻発していた。しかし新バージョンではこの不具合が解消。先行プレイバージョンということもあり、プレイ中にまったく不具合に遭わなかったわけではないが、だいぶストレスフリーで遊べるようになっていたのは嬉しいポイントだ。
臨場感抜群のアジアンファンタジーマップ、探索楽しい
新アップデートの目玉要素としては、やはり新マップの実装だ。メインストーリーの新章ではこれまでの舞台だったヒュペリア帝国を離れ、東洋風の新たな国家「華胥」を訪れることになる。華胥のマップはこれまでのマップよりも広め。さらにエリアごとに景観の雰囲気ががらっと変わるため、冒険感はかなりのものだ。リアルな中国的なアジアンテイスト的な建物から、幻想的な風景まで、いろんなロケーションを楽しめる。


もちろんファストトラベルのポイントも各地に用意されているが、もともと本作はスピンジャンプを中心とする移動アクションが爽快な作品。開けた華胥の地は探検にぴったりだ。各地には隠された宝箱などもあり、探索にしっかりうまみもある。向上したグラフィック表現と相まって、マップを探検しながらスクショを撮る楽しさがグッと増している。
また、今回の先行プレイ用サーバーは残念ながらマルチプレイに対応していなかったが、製品版では華胥のマップ全域でマルチプレイが可能になっているとのこと。フレンドや通りすがりの見知らぬプレイヤーといっしょに探検するのも楽しそうだ。

個性的で超強い新キャラ。もちろん無料で入手可能
今回の先行プレイでは実装予定の新キャラ、フーシュとカシュウを操作することもできた。フーシュは水属性のキャラで、スキルでは雲龍という設置型のユニットを召喚することが可能。雲龍は効果時間のあいだ範囲内の敵を攻撃するだけでなく、味方のHPとSPを回復することができる。また必殺技では周囲の敵にダメージを与えつつ、味方にシールドを与えてスキル威力を強化するバフを与える。

フーシュの使用感としては、攻撃・回復・バフなんでもできる万能キャラといったところ。シンプルに強いが、なかでも強力だったのはSP回復能力だ。雲龍は最大で3体まで召喚でき、SP回復能力は重複する。そのためまとめて雲龍を呼び出しておくと、猛烈な勢いでSPが回復していくのである。パーティーにひとりフーシュがいると、ほとんどはスキル使い放題。特にSPを持続消費するタイプのスキルとは非常に相性がいい。
自分で使っても、AIキャラとして呼び出しても、とても強力なキャラという印象だ。もし『デナアビ』が“ガチャゲー”だったら、おそらく「天井覚悟で絶対取っておけ」と言われているだろう。しかし本作ではすべてのキャラを無料で入手可能。あらためて、なかなか凄い作品だと感じている。フーシュは「体験型劇場」というバトルコンテンツを通じて入手可能になるそうなので、ぜひ獲得するとよいだろう。


一方のカシュウは光属性のアタッカーで、あらゆる武器を使いこなす。本作では全キャラがすべての武器を装備できるが、いちおう各キャラに得意な武器種というものが設定されており、対応する武器はダメージが少し上がる。しかしカシュウの得意な武器種は、本作初となる「全タイプ」。武芸百般の達人というキャラ設定が反映され、すべての武器の性能を引き出せるキャラになっている。
性能の特徴としては、近接武器で攻撃すると遠隔武器のバフが溜まり、遠隔武器で攻撃すると近接武器のバフが溜まるパッシブスキルをもっている。つまり剣と銃を切り替えながら戦うことで常に自己バフを得て、火力を最大限に発揮できるのだ。

また必殺技では無相剣という専用武器を召喚し、自らの近接攻撃のモーションを変化させる。似た性能の他キャラと大きく違うところは、無相剣は専用の性能をもつスキル用装備「同調武器」ではなく、いま装備している近接武器のステータスを参照するところ。つまり装備している武器によって性能が大きく変わる。
カシュウは近接武器と遠隔武器の二刀流という本作のバトルコンセプトを体現しているキャラだ。装備武器を変えると必然的に戦闘スタイルも変わるため、ビルドの幅も広い。武器をひとつしか装備させられないAIキャラでは本領を発揮しづらいと感じたため、特に自分の操作キャラとして使うのに向いているだろう。
そんなカシュウは1月20日に実装され、体験型劇場の報酬として入手できるようになるとのこと。操作していてとても気持ちがよく、武器ならなんでも扱える使い勝手のよさも大いに気に入ったので、筆者は正式実装されたら真っ先に取りに行くつもりだ。
新スキンいろいろ、色変えも可


また新アップデートでは、新たなスキンもいくつか登場する。ちなみに本作のスキンは性能には一切影響しないため、見た目のみの要素である。注目されるのは、フーシュ用の限定水着スキンが同梱されたスキンガチャだろう。同ガチャには南国リゾートをイメージしたアイテムが詰め合わされており、なかでもジェスチャーの「海辺の戯れ」は、くつろぎビーチ空間をその場にまるごと呼び出すという豪快なものだ。
純粋に観賞用に使ったり、マルチプレイの任務をクリアした後にほかのプレイヤーに見せつけてみたりと、いろいろと楽しそうな使い道はあるだろう。また新マップ華胥では昼夜が存在するため、時間帯によってもちろん照明の具合も変化する。ゲーム内にはカメラ機能も存在するため、フォトスポットを探して“推し”の撮影にいそしむのも楽しそうだ。
また限定スキンガチャとは別に、チャイナドレス風の衣装も実装される。こちらは専用衣装ではなく、全キャラに適用できるスキンアイテム。 ふだんは帽子などを被っているキャラも、このスキンでは被り物を脱ぐ。新たなキャラの魅力を発見できるスキンである。こちらは全プレイヤーにひとつ、ログインボーナスとして無料で配布されるそうなので、気軽に好きなキャラに着せるとよいだろう。
また『デナアビ』では、初期衣装以外のスキンは染色機能で色を変えることが可能。デフォルトの色合いにとらわれず、好きなカラーでキャラを飾ることができるわけだ。“推しキャラ”を自分色に塗り替えて、自分だけのキャラに仕立て上げるのも本作の楽しみ方のひとつ。新バージョンで強化されたマルチ機能で、ほかのプレイヤーとファッションショーを開催しても楽しめるだろう。


改めてまとめると、新バージョンの最大のポイントは「全体的なグラフィックの改良」「新マップ華胥の追加」「強力な新キャラの実装」の3点だ。また筆者の環境では、これまで頻発していた不具合の多くも解消されて、かなり遊びやすくなっていた。なかでもグラフィックの向上はゲーム全体に影響を与えており、見た目アイテムの収集の楽しさも大きく上がっている。
プレイヤー目線として言わせてもらうと、今回のアプデは開発元がしっかりとユーザーの意見を聴いており、不満に対応する意思がある、ということがよく伝わってくるものだった。サービス開始から2か月でこのレベルの大型アップデートが実施されたのは好ましく、今後の運営にも未来を見た。新たにSteam版も配信予定なため、興味のある方はこの機会に『デナアビ』に触れてみてはいかがだろうか。
『デュエットナイトアビス』はPC(公式サイト/Epic Gamesストア)/iOS/Android向けに配信中だ。Steam版は近日配信される。
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