アクションMMORPGリメイク『ブレイドアンドソウルNEO』を旧版と比較してみて変わったところ……すっきりUI・きらきら光・むちっと肉感

本稿では、『ブレイドアンドソウルNEO』について、オリジナル版である『ブレイドアンドソウル』と比較し、改善したと感じた点を紹介している。

エヌシージャパンは3月12日、『ブレイドアンドソウルNEO』の国内サービスを開始した。対応プラットフォームはPC(Windows)。基本プレイは無料で、アイテム課金制を採用している。

『ブレイドアンドソウルNEO』は、韓国のNCSOFTが手がけるMMORPG『ブレイドアンドソウル』のリメイク作だ。『ブレイドアンドソウル』は、2014年5月に日本向けにサービスを開始。基本プレイ無料でありながら、美麗グラフィックや非常に自由度の高いキャラメイク、アクション性の高い戦闘などが評判を呼び、根強い人気を誇ってきた。昨年には日本でのサービス開始から10周年を迎えている。

そんな『ブレイドアンドソウル』を、新規サーバーでもう一度最初から楽しむことができるのが本作『ブレイドアンドソウルNEO』だ。オリジナルの高いアクション性はそのままに、グラフィックのさらなる向上やゲームシステムの大幅な改善を実現したものが本作となる。なお本作を紹介する記事についてはすでに公開しているものの、本稿では、オリジナル版『ブレイドアンドソウル』とリメイク版である『ブレイドアンドソウルNEO』の比較を中心に取り上げ、具体的に改善していると感じられた点について紹介したい。

魅力たっぷりキャラメイクは、さらに自由に

まず『ブレイドアンドソウル』の大きな魅力のひとつは、キャラメイク機能で主人公の外見を細かく調整することができる点にあるといえよう。髪型や顔のつくり、肌の色艶や体格など、カスタマイズ項目が大量に用意されている。本作では、このキャラメイク機能がさらなる進化を遂げているのである。

上に掲載したのは、オリジナル版『ブレイドアンドソウル』と『ブレイドアンドソウルNEO』のキャラクター選択画面の比較画像だ。左側のオリジナル版は、右側の『ブレイドアンドソウルNEO』と比較すると、のっぺりとした印象を受ける。『NEO』になってキャラクターの立体感が増し、より豊かな、肉感のある身体に進化したことがうかがえる。なおキャラクターを選択した際、『NEO』ではキャラクターが待機モーションをとって動き続けるのも、小規模ながら嬉しい変更かもしれない。

また、各カスタマイズ項目において選択できるものの種類も増えている。ヘアースタイルの項目では、髪型のバリエーションが増加。そのなかには、メッシュカラーを入れることで2色のカラーを楽しめる髪型も含まれている。

リン族のキャラクリでは、耳としっぽの種類が増えていることも喜ばしい。本作では、なんとその大きさも変更できるのだ。どれもかわいらしく、いろいろなパターンを試してみたくなる。さらに、水着のような下着を含む衣装や背景も一新されている。特に新しい下着ではその布面積も大胆にカットされており、身体のラインがよく見える。肉感のある体型を意識した、キャラの調整も捗るだろう。

もちろん身長や顔の形、身体の厚みや胸囲など、体型を自分好みに調整できる点はそのままだ。さらに自由度を増したキャラメイク機能によって、理想のキャラクターを作成しやすくなっているのである。

より綺麗になった景色を、余すことなく楽しむ

リメイクに伴う一番の変化といえば、グラフィックの進化である。『ブレイドアンドソウル』は配信を開始した当初から、壮大な世界観に深みを持たせるような美麗グラフィックが高く評価されてきた。本作では、その特徴的なグラフィックがさらに美しく強化されているのだ。

『ブレイドアンドソウル』
『ブレイドアンドソウルNEO』

上の比較画像は、オリジナル版『ブレイドアンドソウル』と『ブレイドアンドソウルNEO』における同じマップの同じ場所を撮影したものだ。上のオリジナル版の画像と下の『NEO』の画像を比べれば違いを感じていただけるだろう。まず、風景の濃淡がよりはっきりと表現されている。光がどこから当たっているのかが分かりやすく、明るい部分と暗い部分のコントラストが美しい。また、空中に葉っぱが舞っていることも確認でき、空気感がよく伝わってくる。空の色の変化も印象的で、全体的に明るい印象も受ける。「やわらかな日差し」と形容できるライティングが実現されているわけだ。

『ブレイドアンドソウル』
『ブレイドアンドソウルNEO』

次に、砂漠が広がるフィールドを見てみよう。『ブレイドアンドソウルNEO』では、地面に積もったさらさらとした砂の表現が見事だ。砂ぼこりで遠くがぼやける様子がリアルに表現されており、景色に奥行きが感じられる。遠くにうっすらと見える景色の中にはオブジェクトが増えており、彩りも加わっている。また竹林の画像と同様、日の光が与えるあたたかさを感じることができる。本稿では画像での比較となっているものの、実際にキャラクターを操作し、映像として確認した際には、リアルさが際立っているように感じられた。

本作はこうした繊細な表現が特徴的であり、オリジナル版と比べて大いに立体感が増しているといえるだろう。より深く『ブレイドアンドソウル』の世界に没入できるようになっているのではないだろうか。

続いて取り上げるのは、UIの変化だ。まず、キャラクターを立ち止まらせた状態の画面を比較してみよう。上がオリジナル版、下が『ブレイドアンドソウルNEO』だ。

『ブレイドアンドソウル』
『ブレイドアンドソウルNEO』

上の画像では表示されている項目の数が多い。行動を起こす際には、画面を遷移せずに確認できるという観点では嬉しいUIながら、一方で情報量が多すぎるようにも思われる。また画像のプレイヤーキャラクターは小さい種族のリン族だ。リン族のような小さいキャラクターでは、せっかく作りあげた身体が部分的に隠れてしまい、もったいないようにも感じられる。

『NEO』のUIでは、まず中央下部にあった体力ゲージや武功を発動するキーの表示は平常時に姿を消している。それらはフィールド探索時には表示されず、バトル中にのみ現れるようになったのだ。マップのサイズなども縮小されており、画面が広く見える。バトルにおける各種ゲージの表示はしっかりとおこないつつも、探索中などではキャラクターや美しい景色を十分に堪能できるレイアウトへと様変わりしたのだ。

『ブレイドアンドソウル』
『ブレイドアンドソウルNEO』

また上記の画像は、インベントリとステータス画面を開いた状態の比較である。上の画像ではアイテムスロットや能力値を示すタブにより、キャラクターの姿や風景がすっかり隠れてしまっていることがわかる。また、インベントリとステータス画面はそれぞれ独立したタブとして存在するため、どちらも確認するためには両方のタブを二度の操作によって開かなければならない。長く遊んでいれば、操作がいささか手間にもなるだろう。

しかし『ブレイドアンドソウルNEO』ではそれらの情報が一画面にまとまり、一度の操作で確認できるようになったのだ。下の画像では画面中央にキャラクターとそのステータス情報、左側に装備スロット、右側に所持品の一覧が表示されており、非常に見やすい。さらにこの画面では、そのまま装備や衣装の変更をおこなえる。“現代化”されたUIにより、操作が快適に、見た目もわかりやすくなっている。

移動の快適さも、本作で大きく向上している。『ブレイドアンドソウル』シリーズでは、フィールドを自由に駆け巡るアクション「軽功」が特徴的だ。軽功を用いることによって高速移動や滑空が可能であるほか、水面や壁面も走り抜けることができる。オリジナル版において、軽功はクエストの進行やキャラクターのレベルアップによって習得できるスキルであった。しかし本作では、最初からすべての軽功が使用可能となっている。さらにダッシュ時のスタミナ消費もなくなっており、より爽快な移動が楽しめるようになっているのだ。

ちなみにオリジナル版では最新エリア北方大陸から遊べるコンテンツとなった「探検日誌」も、最初から利用できるようになっている。探検日誌は、アイテム収集や対象の討伐、特定の場所の訪問などが目録として設定されており、達成するとステータスが向上するという、フィールド探索を促す仕組みだ。オリジナル版のプレイヤーも、斎龍林エリア、大砂漠エリアでの探検日誌は初体験となるので、探検日誌を埋めていく過程で、美しくリニューアルされた景色を楽しめるだろう。

爽快アクションは「組み合わせ」でより自由に

本作のバトルでは、スピーディに多彩なスキルを繰り出せるアクション性の高さを維持しつつ、よりバトルを楽しめるような改良が加えられている。まずエフェクトがより派手になり、演出面での迫力が増している。また変更点として、自動戦闘機能がなくなったことは注目に値する。これにより、すべてのプレイヤーが自身の操作によって戦闘に参加し、打撃感を実感できるようになった。同時に、操作に熟練することがバトルにおける強さに直結するように変化したのである。後述するやり込み要素とも相まって、プレイすればするほど強者として活躍できるシステムになっているのだ。美しいエフェクトとともに、爽快感あふれるダイナミックな戦闘を楽しむことができるだろう。

バトルでは、豊富な種類の武功を使いこなすことが要点となる。武功は職業ごとに固有のスキルであり、プレイヤーは戦闘中、さまざまな武功を組み合わせて戦うことになる。本作では、この武功の組み合わせの自由度が増しているのだ。

各武功にはその特性によって数通りの強化ルートがあり、プレイスタイルに合わせた選択ができるようになっている。オリジナル版ではひとつの特性を選択すると、すべての武功が同じ特性を持つように固定化してしまう仕様になっていた。たとえば武功を雷の特性に変更した場合、雷の特性を持つ技のセットを使うようになっていた。

一方本作では、特性にかかわらず自由に武功をカスタマイズすることが可能となっている。それぞれの武功には武功招式と呼ばれるスキルツリーが用意されており、武功の攻撃威力などを強化することができる。ここでは武功書というアイテムを用いて武功を習得することで、特性に関係なく強化を進めることが可能。プレイヤーは、自分好みに武功を組み合わせてバトルに臨むことができるのだ。

さらに本作では、武器にパラメータなどの個体差が生じるように変化している。たとえば上の画像において、左側の炎火杖では命中と生命力に補正値が設定されている。これに対して、右側の炎火杖では攻撃を防いだ際のダメージ減少率に関わる遮断と、相手の防御率を相殺する貫通に補正がかかっている。同名の武器でも、性能には大きな差があるのだ。

さらに左側の炎火杖には、右側のものにはない四角いスロットが1つと、丸いスロットが3つ空いている。四角いスロットには、「霊魂石」を装着可能だ。霊魂石をはめ込むと、武器がその霊魂石に固有のスキルを発動できるようになる。武功を追加で使えるようになるため、戦術の幅も広がる仕組みだ。他方、丸いスロットには武器のパラメータを強化する「真言珠」を装着できる。武器の性能やスロットの数、霊魂石や真言珠の効果はランダムに付与されるため、ダンジョン探索をやり込む楽しみが増すことだろう。オリジナル版では単に一方通行であった武器強化は、本作においてより多彩なものへと進化しているのだ。

課金はあくまで「時間を買うもの」

本作に対する懸念として、「課金必須のゲームなのではないか?」「課金プレイヤーとの差が埋まらず、新規ユーザーが参入しづらいのではないか?」といった意見があるかもしれない。実際、オリジナル版ではこうした問題が指摘されており、その解決策として『ブレイドアンドソウルNEO』が開発された経緯がある。

しかし、本作ではそうした心配は不要だ。本作は無課金ユーザーでも十分に楽しめる設計となっており、新規ユーザーも参入しやすい環境が整っている。お金ではなく、時間をかけてプレイすることが強さにつながるゲームとなっているのだ。

課金することで入手できるアイテムは、「神石」である。神石は、プレイヤー同士の市場で装備やアイテムなどを売ることによって獲得することも可能だ。つまり、探索で入手したが持て余してしまう装備を、トレードを通じて神石に変換することができるのである。反対に、新規プレイヤーでも市場を利用すれば、既存ユーザーが出品した強力な装備を序盤から入手することもできるわけだ。

また本作では、新しいダンジョンで手に入る装備が前のダンジョンのものよりも常に強いという仕様で展開されるという。つまり、古い武器をひたすら強化して最強武器にする、ということは本作では不可能になっている。そのため、最新のコンテンツを遊んでいるプレイヤーが装備面での優位性を得られるようになった。つまり新規ユーザーも遅れを感じることなく安心して参入できるだろう。さらに、先述したように同じ種類の武器でも追加のパラメータに個体差があるため、最強を目指すのであれば単に強い武器を手に入れるだけではなく、時間をかけてダンジョン探索を繰り返す“厳選”も必要になる。やり込み度合いに応じたコンテンツが用意され、時間をかけることが確実に強さに繋がるわけだ。

以上のように、本作はグラフィックやキャラクター育成システムだけでなく、さまざまな面で改良が加えられている。すっきりUIやきらきらする光、そしてむちっと感が出たキャラなど変化が顕著である。加えて、今後も楽しみを増すようなアップデートが続けられていくことだろう。しかしこれほどの進化を遂げながらも、基本プレイは変わらず無料となっている。気になった方は、ぜひプレイしてみてはいかがだろうか。

ブレイドアンドソウルNEO』は、PC(Windows)向けに基本プレイ無料で配信中だ。なお、本作の配信開始に伴ってオリジナル版『ブレイドアンドソウル』のサービスを終了する予定などはないとのことで、どちらのサービスもあわせて遊ぶことができる。

Niki Jinnouchi
Niki Jinnouchi

RPGやシミュレーションゲームをよく遊びます。一人でまったりプレイするのが好きです。

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