高機動ロボゲー『メカブレイク(Mecha BREAK)』は、「本格派」と「カジュアル派」を両方巻き込むマルチ対戦ロボアクションの予感。体験会で見せたそのポテンシャル

『メカブレイク(Mecha BREAK)』を先行体験。本作がどのようなゲームなのか、マルチ対戦ロボアクションとしてどのような方向を向いているのか。お伝えする。

高機動メカアクションゲームの期待作として、現在注目が集まっている『メカブレイク(Mecha BREAK)』。2019年に『Code B.R.E.A.K』として発表されてから約5年の歳月を経て、オフライン体験会が日本で開催される運びとなった。このたび弊誌も招待されたため、その模様をお送りしたい。

『Mecha BREAK』は人型メカ「MB(メカブレイク)」を操作してチーム戦を戦い抜くオンライン対戦ゲームだ。対応プラットフォームはPC(Steam)/PlayStation 5/Xbox Series X|S。現在はまだ開発段階にあるものの、4月にクローズドβテスト開催を予定するなど制作は順調な模様。開発とパブリッシングはAmazing SeasunGamesが担当している。本作のプロデューサーは大のメカアニメ、メカゲーム好きであることを公言しており、登場機体のビジュアルや背景設定をはじめ、その影響とこだわりが随所に感じられる作品となっている。

クローズドβテストの応募フォーム:https://wenjuanxing.xoyo.com/vm/Yu9sOQo.aspx?udsid=208709

Steamストアページ:https://store.steampowered.com/app/2452280/Mecha_BREAK


派手さと奥深さを両立した「6vs6」モード


今回催された体験会は3部構成となっており、「自由時間」「6vs6体験」「マシュマーク体験」という内容になっていた。

まず筆者が体験することにしたのは、いわゆるトレーニングモードだ。もともとこの時間は自由に対戦し遊ぶことができたが、私の場合はとりあえず練習場に引きこもることにした。本作に登場するさまざまな機体の操縦方法に、身体を慣らしておきたかったからだ。

体験会時点では、10機以上の機体を使用することが可能になっていた。機体には近接戦闘を主戦場とする「格闘型」、ミッドレンジでの打ち合いを得意とする「攻撃型」、遠距離からのスナイプを旨とする「狙撃型」、敵の注意を引き付ける「防御型」、味方の体力を回復する「支援型」といった大まかな戦闘スタイルの区分が設定されており、そこからさらに「軽量級」「中量級」「重量級」という区分けが成されていた。軽いほど素早く脆い。重いほど動けず硬い。

また、機体の中には変形することで戦闘スタイルが変化するものも存在し、たとえば本作のメインビジュアルを飾る「龍淵」は、被ダメージが一定量になると、自身の装甲をパージ。やられる前にやる高速戦闘機体に変貌する。この他にも固定砲台化する重量機や、航空機に変形し制空権をコントロールする機体もある。ステルスを駆使し、不意打ちを担当する軽量機もあった。『Mecha BREAK』に登場する機体は、1つの機体に複数の操作感を感じるものもあり、テンポの良い高速戦闘を売りにしていることも相まって、動かしていて非常に楽しい。

「機体を操縦する感覚にたいへん拘った」とは開発者の弁だが、まさにその通りだ。どの機体も機敏さの中に重さがあり、それを軽々と動かすことで、物語に登場するエースパイロットのような感覚を味わえる。筆者は悩んだ末、防御型の重量機である「トライセラ」をチョイス。硬いため中々落とされず、弾幕を張って味方への援護射撃ができるため、筆者のようなシューター下手でも扱いやすいと踏んだからである。


練習を経て体験会は「6vs6体験」に突入。結論から言うと筆者は役立たずであった。巨大なスクリーンに自分の試合が放送されるということでガチガチに緊張してしまったからだ。私が暖房の効いた部屋でキーボードを叩く指を震わせていた傍ら、チームメイトであるストリーマーの方々は和気あいあい、意気揚々と戦いを楽しんでおり、さすが場馴れしていると感心したのを覚えている。

肝心のゲーム体験については、わかりやすい派手さの中に戦術の奥深さがある、非常にやりこみがいのある体験だった。今回の6vs6モードにて採用されていたゲームルールは、いわゆる陣取りだ。制限時間中、フィールド上に設置された3箇所のエリアを取り合い、確保した秒数に応じてポイントが加算される。ポイントが多いチームが勝ちである。なお、6vs6モードでは、マップによってルールも変わるようだ。勝利の鍵は目まぐるしく展開される高速戦に適応するということもあるが、1番重要なのは「立ち回り」であった。ほかのヒーローシューター作品よろしく、『Mecha BREAK』に登場する機体には遂行すべき役割が設定されており、機体同士の相性もある。フィールドの地形を把握し、相手チームのピックを鑑みて、自らに課せられた任務を達成する。その上で、ボイスチャットを通じた連携は大変重要である。


メカアクションらしい操作感を得ながらこうした多人数のチーム戦を戦い抜く経験は新鮮であり、本作における独自の強みとして筆者の目に写った。詳しい内容こそ明らかにはならなかったが、機体ごとに武装、内装のカスタマイズ要素も存在するようで、こうしたメタゲームの把握も勝利の獲得には重要になりそうである。総じてかなり遊びごたえのあるゲームデザインに仕上がっていると言えるだろう。ちなみに、本作の開発及び運営チームはプレイヤーからのフィードバックをガンガン受け付けているという。4月のβテストに参加した際には、積極的に意見を送ってみることをおすすめしたい。

ロボアニメのようにヒロイックな体験を味わえる「マシュマーク」モード


体験会は「マシュマーク」体験に突入。このゲームモードはこのたび初公開となる。簡単に内容を説明すると、6人チームで行うバトルロイヤルだ。参加人数は最大60人となる。フィールド中にいる防衛機を倒して能力を上げるチップを獲得。自らを強化し、敵チームと交戦。資源を回収し、最後まで生き残ったチームが勝利である。連携を通じて可能な限り強大な防衛機を攻略し、報酬を用いて強化していくことが勝利を手に入れる上で重要だ。「マシュマーク」はPVPゲームの中で最も大きな面積を誇る対戦マップの採用を謳っている。ただ広いだけでなく、工場のような地形や、起伏のある断崖、障害物に乏しい砂漠地帯など、戦場としてさまざまなロケーションが用意されていた。索敵装置や回復装置、仲間を復活させる設備、そしてフィールドを強制的に狭めるダメージエリアの出現と拡大など、他作品でも見られる要素は1通り完備されている。ゲーム開始前にあらかじめ敵チームのスタート地点を可視化し、自チームのスタート地点を設定できるため、初動でゲームオーバーという事態に陥る危険が減っているのが良い点である。

また、本作には俗に言う「脱出系」の要素も導入されている。試合中、機体の強化チップを漁っていると、コスメテック用のアイテムを拾うこともあったが、条件付きでこれを持ち帰ることができるようだ。一定時間が経過するとフィールドのどこかに脱出機が出現し、アイテムを3つまで転送することができるという。(プレイヤーが脱出できるわけではない)


こちらのゲーム体験については、まず高機動戦闘ロボットでバトルロイヤルを遊ぶという形式そのものに面白さを感じた。ロボットアニメにおいて、キャラクターたちが小隊を組み敵地に潜入するシーンは定番だが、それを自分たちの手で作り上げる高揚感がある。ボイスチャットを通じて索敵担当のメンバーが索敵を行い、重量機が正面から切り込み、後衛機が死角をカバーし、じっくりと、そして大胆にフィールドを探索していく。アニメの登場人物になったかのようなドキドキとワクワクを感じた。

当然ながら「6vs6」とはまた違った戦略が必要となるのも興味深い。広大なフィールドを探索しながら戦うという点で、まず気になるのは機動力に乏しい重量機の立場だが、飛行可能な乗り物を用意することでこれをカバーしている。リスクを乗り越えて乗り物を確保することができれば、重量機体は文字通り移動要塞と化す。ステルス機能のついたMBが強力なのはもちろんのこと、フィールドには回復アイテムが散逸しているので、あえて回復担当を入れないという戦略も採用できるだろう。逆にダメージエリアへ突入する戦法を採用する場合なら必須となる。長射程のスナイパー機も活躍できるが、エリアが狭まる終盤になるとどうなるだろうか……。


開発者いわく、競技的なロボットの戦闘に慣れていないプレイヤーはまずこのモードで分かりやすいヒロイックな体験を得て、経験を積んでほしいとのことだ。アイテムの配置などを通じ、運次第では一発逆転も可能という点で、初心者でも遊びやすいゲームモードになっていると言える。実際、エイミングの調子が悪かった自分でもチームへの貢献を感じることができ、大いに楽しむことができた。「6vs6」における、常に緊張感たっぷりな試合体験も面白いが、フィールドの探索など、ゲーム展開の緩急を通じた和やかな雰囲気があるこちらのゲームモードもまた魅力的だ。競技の練習としてプレイしても効果的だと思うし、激しい戦いの箸休めにプレイしても良いだろう。「6vs6」モードの体験と同様に、会場は大いに盛り上がっていたことを報告しておきたい。

現時点における『Mecha BREAK』への総合的なインプレッションとしては、マルチプレイタイトルとして、ただただクオリティが高いという印象だ。手触りに徹底的にこだわった高機動メカアクションという独自の魅力を核に、同ジャンルに劣らない本格的な対戦ができるゲームモードがあり、それをサポートするカジュアルなゲームモードがある。選択可能な機体の個性は粒ぞろいで、1機ごとにやりこみがいがある。もちろん、本作はまだ完成しておらず、これから仕様の調整を重ねていくことだろう。しかしながらこの時点でゲーム大会を開催し(招待制ではあるものの)、会場を大いに盛り上げることのできる力を持っているという事実は、その将来に期待を抱かせるにあたって十分である。


『Mecha BREAK』は4月にクローズドβテストを予定している。気になった方はぜひ本作のストアページからチェックして欲しい。

クローズドβテストの応募フォーム:https://wenjuanxing.xoyo.com/vm/Yu9sOQo.aspx?udsid=208709

Steamストアページ:https://store.steampowered.com/app/2452280/Mecha_BREAK

公式サイト:https://www.mechabreak.com/

公式X(旧Twitter):https://twitter.com/MechaBreakJP

公式Discord:https://discord.com/invite/SrK6RKjPZq

Takayuki Sawahata
Takayuki Sawahata

娯楽としてだけではなく文化としてのゲームを知り、広めていきたい。ジャンル問わず死にゲー、マゾゲー大好き。

記事本文: 276