Nintendo Switch版発売予定『暴れん坊ニャンコ(Fisti-Fluffs)』ではどこまで猫を摂取できるのか。愛くるしい破壊の化身に癒されよう

パブリッシャーのRogue Gamesは3月10日、『暴れん坊ニャンコ(Fisti-Fluffs)』国内Nintendo Switch版を発売する。『暴れん坊ニャンコ』は猫たちによるドタバタ大乱闘ゲームである。

猫は好きかと聞かれたとき、大半の人間は「好き」だと答えるのではないだろうか。愛されるために生まれてきたかのようなフワフワのフォルム。人間たちを振り回す、気まぐれで小悪魔的な性格。巷には猫と遊ぶためのカフェなどもあり、人間社会に溶け込んで愛情を一身に受ける存在、それが猫である。しかし最近は悲しいことに、猫を飼っていない人間が猫と触れ合う機会は激減してしまった。感染症の蔓延する社会情勢のなか猫に会える場所に赴くのは難しく、猫好きの筆者は深刻な猫不足に陥っている。  

パブリッシャーのRogue Gamesは3月10日、『暴れん坊ニャンコ(Fisti-Fluffs)』国内Nintendo Switch版を発売する。本作は2021年9月24日にPCおよび海外Nintendo Switch向けに発売されたタイトルだ。飼い主不在のなか暇を持て余しているかわいらしい猫たちを操り、ケンカし、部屋を破壊し、ときには協力してキャットフードを守り抜く、ドタバタ大乱闘ゲームである。まさに猫好きのためのゲームだ。そう感じた筆者は同じく猫好きの友人を誘い、枯渇した猫成分を補給すべく本作をプレイすることにした。  

 
とにかくかわいい猫たち  

プレイの最中、私と友人は何度も「かわいい!」と叫ぶことになった。本作に登場する猫たちはとにかく“かわいい”。前足を懸命に振り上げて殴りあい、ゴロゴロと低い声で威嚇をしたかと思えば、派手なアクロバットで家具を蹴り飛ばすこともできるのだ。ゲーム全体の色合いもパステル調に統一されており、かわいい猫ちゃんたちがミャオミャオとケンカを繰り広げる様子はどこか温かみのある雰囲気で描かれる。バトルロイヤルというジャンルでありながら、本作に殺伐要素は皆無。むしろ“癒やしゲー”として制作されているといっても過言ではないだろう。  
 


 
本作は大乱闘ゲームだが、筆者がまず初めに紹介したいのは対戦モードではなく猫部屋モードだ。人間として猫たちと一緒に遊ぶモードである。口笛を吹くと反応し、ボールなどのおもちゃを使ってかわいい猫たちと戯れることができるのだ。現実では猫の機嫌次第で無視されることもあるが、本作の猫はネズミのおもちゃやボールを投げると健気に取ってきてくれる。愛らしい仕草についつい何度もおもちゃを投げてしまった。
 

 
また、猫たちにさまざまな服を着せておしゃれさせることも可能だ。本作では、バリエーション豊かなアクセサリーが登場する。猫部屋で着せ替えることができる服以外に、対戦モードのロビーではさまざまな帽子を選ぶこともできる。特に帽子はたくさんの種類が用意されており、耳あて付きの帽子からシンプルなハットまで、お好みの帽子で猫を飾り付けることが可能だ。  
 

 

 
これらのアクセサリーはゲームを遊ぶことでアンロックされていく。3Dメガネなど変わり種のアクセサリーも存在するため、たくさん集めて猫たちを着飾ろう。おしゃれをさせた猫たちがケンカをし、家を荒らす様子は非常に微笑ましい。数あるアクセサリーのなかで、筆者はバックパックが気に入った。友人はいろいろと着替えていたが、赤と緑のセーターが気に入ったようだった。カジュアルな出で立ちの猫が気ままに遊ぶさまを見ていると、日々の疲れが吹き飛ぶのを感じる。猫とはやはり癒やしなのだ。  

猫部屋ではデフォルトで用意されている猫以外の猫を新たに迎え入れることもできる。迎え入れる猫は毛並みや色、鳴き声などを自由にカスタマイズすることが可能だ。自分だけの猫ちゃんを生み出せるため、より愛着をもって猫たちと接することができるだろう。  
 

  
充実の対戦モード

本作には4種類の対戦モードと、4種類のなかからランダムなモードで遊んで規定数の勝利を勝ち取ることを目指すパーティーモードが実装されている。基本操作は共通で、操作コンフィグで確認することができる。前足をブンブン振り回しての威嚇や肉球パンチなど、愛らしい攻撃が満載だ。また、本作は最大4人でのマルチプレイで対戦が可能だが、頭数にCPUを含めることもできる。CPUは頭にアンテナが生えた“猫ロボット”だ。CPUの設定もかわいらしい。
 

Nintendo Switch版の操作コンフィグ

 

右の2匹はCPUの“猫ロボット”。頭にアンテナが生えている。

 
また、3月10日に発売されるNintendo Switch版には新たな要素も追加されている。チャージ攻撃やスピン攻撃などの新アクションに加え、拾った際に炎や氷の攻撃が可能となる魚といった要素も実装される。

また、ジャンプ中にタイミングよくボタンを押すことで強力なスラムを繰り出せるグラウンドパウンドが登場し、アクション性が向上。シールド中に所定のボタンを押すとグラップルが発動し、敵の猫を巻き込んでボタンを連打することで優位に立つことができる。ビジュアルエフェクトもこれまで以上ににぎやかになり、猫たちの乱闘はより楽しくなることだろう。これらの要素はNintendo Switch版の発売と同時にPC版にも追加される。
 

 
ここからは各モードを紹介しよう。「乱闘」は純粋な対戦モードだ。猫たちには体力と残機が設定されており、互いに体力を削り合って最後まで立っていた猫の勝利となる。フィールドには体力回復アイテムとして魚が配置されているためうまく活用して乱闘しよう。複雑なルールはないためワイワイと遊ぶことができ、大乱闘ゲームの初心者から玄人までゆるく楽しめるモードといえるだろう。
 

 
「器物破損」はステージに登場するオブジェクトを破壊するモードだ。オブジェクトを攻撃すると「-$3.75」というように損害額が表示され、累積した損害額が一番大きかった猫の勝利となる。オブジェクトは攻撃を重ねるほどに攻撃ごとの損害額が小さくなっていく。壊れて金銭的価値がなくなってしまったということでもあるし、オブジェクトを破壊しつくした猫にとっても遊ぶ価値がなくなったことも意味しているのだろう。筆者はこのステージが一番のお気に入りだ。嵐のごとくステージを破壊していくことでストレス解消になることに加え、一心不乱に暴れる猫たちを見ていると癒やされるからである。  
 

 
「王冠コントロール」は、王冠を長い時間被っていた猫が勝利するモードだ。ステージに転がっている王冠を拾うとそれを被ることができ、被っている間はプレイヤーごとに設定されたゲージが少しずつ蓄積されていく。ゲージが最大に達した時点でその猫の勝利となる。王冠を被っている間は猫の攻撃力が上昇し、移動速度は低下する。パンチ1発でほかの猫をダウンさせることができる反面、逃げることは非常に難しくなる。最初に王冠を獲得することができなかった猫は、王冠をもつ猫をダウンさせて奪い取らなければならない。ドタバタと暴れまわる他のモードと異なり、やや戦略性の高いモードである。  
 

 
「キャットフード防衛」はネズミやアライグマ、キツネなどからキャットフードを守る、本作唯一の協力モードだ。マップ内3か所に設置されたキャットフードがネズミやアライグマに狙われている。ウェーブ制でやってくるこれら外敵を味方の猫と協力して撃退しよう。すべてのキャットフードが奪われると負けとなる。  

なお、どのモードでも勝利した猫は独特の演出で祝福される。非常にシュールで面白い演出のため、ぜひプレイして確かめてみてほしい。
 

 
本作のSteam版は、1人がゲームをもっていればほかのプレイヤーはゲームを購入しなくともRemote Play Togetherで遊ぶことができた。国内Nintendo Switch版のマルチプレイはどのような仕組みなのか弊誌からRogue Gamesにうかがったところ、「1本のソフトで4人と対戦が可能。ただしローカルのみで、オンラインプレイは今年後半に実装予定」とのことだった。Nintendo Switchを囲んでのマルチプレイはできるものの、遠方の家族や友人などと遊びたい場合は、しばらく待つ必要がありそうだ。  

 
充実の猫ライフを楽しもう  

ご紹介してきたとおり、『暴れん坊ニャンコ(Fisti-Fluffs)』は猫不足を補うのにぴったりのタイトルだった。本作をプレイすることで現実で猫を飼っていない方は猫成分を補給することができるし、猫を飼っている方も自身が猫になり、気ままに暴れることが可能なのだ。猫たちが繰り広げる無法地帯を楽しめる『暴れん坊ニャンコ(Fisti-Fluffs)』は、国内Nintendo Switch向けに3月10日発売予定だ。なお、現在『暴れん坊ニャンコ(Fisti-Fluffs)』は事前予約期間中である。気になる方は予約をし、猫たちと大暴れする日を楽しみに待っていてほしい。  
 
 
 

© 2021 Rogue Games, Inc.  

Aki Nogishi
Aki Nogishi

ポストアポカリプスとドット絵に心惹かれます。AUTOMATONではFF14をメインに担当します。

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