AUTOMATONライター陣が選ぶ、2020年期待の新作ゲーム13本

今年2020年に発売されるであろうゲームの中から、AUTOMATONライター陣が期待しているタイトル13本をピックアップ。年始の恒例企画。

読者のみなさま、あけましておめでとうございます。

弊サイトでは、毎年恒例の企画として、その年発売予定のゲームのうち、ライター陣が個人的に期待しているものを年始に発表している。だがゲームには発売延期がつきもの。過去の同企画において、記載したタイトルすべてが予定どおりリリースを迎えた試しがない。よって本稿は「今年無事に発売されますように」という正月初祈願にも近い。はたして2020年はどのような結果が待っているのだろうか。読者のみなさまにとっても、2020年に発売されるであろう作品に思いを馳せるきっかけとなれば幸いだ。

*各ライターの個人的ゲーム・オブ・ザ・イヤー2019記事はこちら

 

『グランブルーファンタジー ヴァーサス』

開発:ARC SYSTEM WORKS 販売:Cygames
対応機種:PlayStation 4
発売予定日:2020年2月6日

2019年後半、多くの格闘ゲームの新作が発表された。『UNDER NIGHT IN-BIRTH Exe:Late[cl-r]』『GUILTY GEAR -STRIVE-』なども注目の作品ではあるが、何よりも期待しているのはCygamesの全面的なバックアップを受けてアークシステムワークスの開発する『グランブルーファンタジー ヴァーサス』(以下、グラブルVS)である。

格闘ゲームというジャンルは、eスポーツの発展に伴ってじわじわとそのプレイ人口を再び増やしつつある。この機会を逃さないためか、ここ最近で発売される新作の格闘ゲームもとにかく操作を簡略化し、ジャンルに新規参入するプレイヤーにとって敷居が低いゲームであるよう苦心しているように感じられる。『グラブルVS』はその流れに乗って非常にシンプルな操作システムを搭載した上で、格闘ゲームの原始的な読みあいを楽しめる作りになっているように、試遊段階では思えた。Cygamesの資金力とアークシステムワークスの開発力も合わさって、人気IPである『グランブルーファンタジー』のキャラクターが美麗なグラフィックで動く所も注目だ。対戦ゲームとしての『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』の大流行に乗る形で、さらにこのゲームをきっかけに格闘ゲームの人口が一気に増加し、一躍eスポーツの花形になるのではないか。そんな妄想をせずにはいられない。

By. Mizuki Kashiwagi

 

『Dying Light 2』

開発:Techland 販売:Techland Publishing
対応機種:PC/PlayStation 4/Xbox One
発売予定時期:2020年春

『Dyling Light 2』は、パルクールとゾンビの組み合わせが人気だった『Dying Light』の続編だ。前作はトルコ風の美麗なオープンワールドをパルクールで駆け回り、ひたすらゾンビを近接武器と体術で倒すのが楽しい作品だった。

同作は昼夜のサイクルの中で劇的にゲームプレイが変化する。昼間の街は悪党もゾンビもいるが、のんびりした雰囲気。しかし夜になると明かりがないと何も見えず、凶暴なゾンビが出現し人間の肉を求めて街を徘徊する。プレイヤーはゾンビを狩る側からゾンビに狩られる側になり、ちょっとした絶望が味わえる。

『Dying Light 2』では、好評だったパルクール/ゾンビ/オープンワールド/近接戦闘のエッセンスはそのまま、各要素をブラッシュアップして帰ってくるようだ。パルクールアクションは前作の2倍になるとか。壁走りやターザンロープ、グラップリングフックにくわえてパラシュートまで登場し、移動がさらに楽しくなっているはずだ。前作は中毒的に遊んでいたゲームであり、再びゾンビにドロップキックをお見舞いするのが待ち遠しい。

By. Kaisei Hanyu

 

『Cyberpunk 2077』

開発:CD PROJEKT RED
販売:CD PROJEKT RED/株式会社スパイク・チュンソフト(PS4パッケージ版)
対応機種:PC/PlayStation4 /Xbox One/Google Stadia
発売予定日:2020年4月16日

今年は2020年。信じられない事に令和二年目、AKIRAの年は過ぎ、『Cyberpunk 2077』が発売される年となった。極めて個人的な事情なのだが、いつからだろうか、楽しみにしていたゲームの発売日が近づくと、興奮と同時に一抹の寂しさを覚えてしまうようになった。まだローンチ宣言すらなされていないソフトのEDをイメージし、プレイし終えた後の状況に想いを馳せる。私はきっと本作を発売日からプレイし、クリアしてみせることだろう。だが中身は面白いのだろうか、つまらないのだろうか。次に何処へ向かえば良いのだろうか。事実、未だ気持ちの整理がついていない。夢に見た未来が地続きの過去になってしまう寂しさ。事実、期待作のパッケージが手元に届いても、中々プレイに踏み切ることができないという状態に陥ることがこれまで多々あった。作品に込めた期待が大きければ大きいほどだ。

発売まで残り3か月半。道中私はさまざまな作品に出逢うことだろう。だか、決して君の事は忘れない。無事会えた暁には、何度も繰り返し観たトレーラーの話をしよう。公開情報から脳内で組み上げたキャラビルドを見せよう。CD PROJEKT REDが創造する「最強のオープンワールド」には祝福と笑顔で向き合いたい。

By. Takayuki Sawahata

 

『Vampire: The Masquerade – Bloodlines 2』

開発:Hardsuit Labs 販売:Paradox Interactive
対応機種:PC/PlayStation 4/Xbox One
発売予定時期:2020年

アクションRPG『Vampire: The Masquerade – Bloodlines』が発売されたのは2004年。ヴァンパイアに成り立ての主人公が、現代ロサンゼルスを舞台に、ヴァンパイア社会の熾烈な派閥抗争に巻き込まれていく。リリース当初はまともに遊ぶのが困難なほど不具合だらけであったことや、ゲーム後半になると攻略が困難になるビルドが出てきてしまうアンバランスさから、初動は芳しくなかった。だが高品質の脚本や台詞によってカルト的人気を誇るようになり、今ではコミュニティ製「Unofficial Patch Mod」のおかげで快適にプレイできる。

そんなカルト作の続編が16年の時を経て発売される。ヴァンパイアならではのロールプレイや、派閥間の政治的な駆け引きはそのままに、登場人物を一新し、舞台をロサンゼルスからシアトルに変え、まったく新しい物語が紡がれる。前作からの課題であった戦闘面の見直しや、人の感情によって血の味が変わる新たな吸血システム(TRPGシリーズの最新版から導入)など。現代化した『Bloodlines』が帰ってくる。1作目とは異なり、日本語にも対応するということで、2020年には同フランチャイズの新規ファンが増えることだろう。

By. Ryuki Ishii

 

『ウォッチドッグス レギオン』

開発:Ubisoft 販売:Ubisoft
対応機種:PC/PlayStation 4/Xbox One
発売予定時期:2020-2021会計年度内

2020年はUbisoftにとって、挽回を狙う年になる。2019-2020会計年度上半期の収支報告にて、同社の売り上げを牽引したタイトルとして言及されたのは『レインボーシックス シージ』(2015年発売)と『アサシン クリード オデッセイ』(2018年発売)。力強い基盤を築き上げている印象を与える一方で、2019年に発売された『ディビジョン2』『ゴーストリコン ブレイクポイント』は収益予測を下回る結果となった。特に後者の減損処理が影響し、2019-2020会計年度上半期の営業利益は前年同期比9割減。またCEO自ら不振理由を説明し、開発プロセスの見直しおよび『ウォッチドッグス レギオン』を含む3タイトルの発売延期を発表するに至った。このまま新作の不振が続けば、企業評価が下り坂に入りかねない。そうしたプレッシャーがかかる中、『ウォッチドッグス レギオン』は「全住民操作可能」という実験を成功させ、Ubisoftのオープンワールドゲームに新たなレイヤーを加えられるのか。そして売り上げを伸ばせるのか。シリーズファンとして、1~2作目以上に注目している。

By. Ryuki Ishii

 

『レインボーシックス クアランティン』

開発:Ubisoft 販売:Ubisoft
対応機種:PC/PlayStation 4/Xbox One
発売予定時期:2020-2021会計年度内

レインボーシックス クアランティン』 E3 2019 オフィシャルティザーよりキャプチャー

もう発売から4年以上時が経ったのか。『レインボーシックス シージ』の長期運営具合には、万感の思いがこみ上がる一方だ。といったところで、2019年のE3にて発表された『レインボーシックス クアランティン』が早くプレイしたくて仕方ない。ただ、現時点で明らかになっている情報は少なく、3人協力プレイ対応、ホラーシューター、『レインボーシックス シージ』の世界観を共有しているということ以外一切不明だ。またティザー映像ではElaとVigilが登場しており、寄生虫のようなものに感染している者もいる。謎だらけだが、だからこそ気になる。

ちなみに『レインボーシックス シージ』では、一昨年に期間限定モード「アウトブレイク」が開催されていた。このモードは、感染クリーチャー相手に3人協力で戦う……ここまで言えば十分だろう。今思えばあのモードは『レインボーシックス クアランティン』の片鱗だったのかもしれない。そう言えるほど、コンセプトから内容に至るまで全てがそっくりだ。だとすると、絶望的な状況を切り抜けるあの快感が再び帰ってくるのだろうか。それも進化を遂げて。もう一度言うが、早くプレイしたくて仕方ない。

By. Nobuya Sato

 

Tale of Ronin』

開発:Dead Mage 販売:Dead Mage
対応機種:PC/PlayStation 4/Xbox One/Nintendo Switch
発売予定時期:2020年夏

ターン制バトルと浪人。異色の組み合わせが光る『Tale of Ronin』は、戦と平和、そして名誉を描くRPGだ。本作のトレイラーが公開されて以降、水墨画のようなビジュアルと和の世界観が私を魅了した。ユニークな見た目が目立つ一方、戦闘システムには和風RPGらしくターン制を取り入れているようで、手堅いゲームプレイにも期待できる。ただし、プレイヤーキャラが死亡すると、新たな浪人が同じ世界を継承するという独自のシステムもあるという。まるで、俺の屍を越えてゆけと言わんばかりだ。

世界観の方は、和をベースにしており、甲冑に身を包んだ侍などが敵として登場する。では史実的な作品なのかと問われれば、答えはノーだ。というのも本作は、リアリティとファンタジーの融合を作品の特徴として掲げている。アジアの文化・伝承をモチーフとしたクリーチャーや、舞台なども用意されているようだ。また、会話選択システムを用いたストーリー分岐もあるようで、まさしく自分だけの“浪人生活”が楽しめそうだ。そして何よりも驚くべきなのは、本作がアメリカのテキサス州で作られているということだ。

By. Nobuya Sato

 

『フライングパワーディスク 2』

開発:DotEmu 販売:DotEmu
対応機種:Nintendo Switch/PC/Google Stadia
発売予定時期:2020年前半

本作は、対戦スポーツゲーム『フライングパワーディスク』の続編だ。コート内でフライングディスクを投げ合い、相手の背後にあるゴールに入れるとポイント獲得。フライングディスクはサイドの壁に当たると反射するように跳ね返るため、エアホッケーに似たゲーム性だと言える。相手のショットをレシーブしてフライングディスクを跳ね上げると、パワーを溜めて必殺シュートを投げることができ、各キャラ固有のトリッキーな軌道を描く。ショットの選択やコース、またキャラのポジショニングなどによる駆け引きが重要で、競技性が高い作品である。

新作では、新たなキャラやコートが追加されるほか、レシーブ後にジャンプして空中からショットできたり、相手のショットを弾き返すスラップショットや、ゲージを溜めて1ボタンで繰り出せる強力なショットEXムーブといった新システムを導入する。また、ビジュアルも現代的に一新される。BitSummitでアルファ版を試遊したところ、基本的な操作感は前作と変わっておらず、新システムによってプレイの幅を広げている印象だった。前作から25年が経って新作が出るとは予想外だったが、ファンとしては期待せずにはいられない。

By. Taijiro Yamanaka

 

『Maneater』

開発:Tripwire Interactive 販売元:Tripwire Interactive
対応機種:PC/PlayStation 4/Nintendo Switch/Xbox One 
発売予定時期:2020年5月22日

人喰いサメになって、海水浴に来た観光客やダイバーたちを脅かすサメアクションRPG。『Maneater』に登場する主人公のジャイアントシャークは、メキシコ湾岸の進化するタイプのサメだ。人間を含め、生き物を食べると経験値が得られ、身体が大きくなったり、沼地への適応や、肺の強化により陸地でも活動できるようになったりなど、新たな能力を獲得できる。歯を金属製にして、サメハンターの乗ったヨットを噛み砕くことも可能。また、外洋にはクジラ、沼地にはワニも潜んでおり、人間以外の動物とも対峙していく。食事を摂り、世界を探索し、進化を遂げ、ざっくり言ってサメ映画のサメになれるような作品である。現在のところは、頭が増えたり、サメ竜巻になったり、機械のサメになったり、スピリチュアルなサメになったりはしないようだが、呑気な観光客を襲ったり、サメハンターとの対決は楽しいに違いない。稀有なサメ視点で描かれる本作。人を襲い、恐怖へ陥れる日を楽しみに待ちたい。

By. Keiichi Yokoyama

 

『天穂のサクナヒメ』

開発:えーでるわいす 販売:マーベラス
対応機種:PC/PlayStation 4/Nintendo Switch
発売予定時期:2020年

『花咲か妖精フリージア』『アスタブリード』を手掛けたえーでるわいすによる和風アクションRPG。武神の父と豊穣神の母から生まれ、神々の都で自堕落な日々を過ごしていた主人公・サクナ。彼女がある事情から鬼が支配し、戦乱の世を追われた人間が暮らすヒノエ島の調査と開拓を命じられ、戦いと稲作に明け暮れる作品だ。爽快な2Dアクションゲーム『花咲か妖精フリージア』のエッセンスを強く感じさせ、羽衣を使った動作が追加されているアクション部分については、PVを見ても疑いの余地がないように思う。一方、良い稲を作るとサクナも強くなるという稲作要素は、研究の上で形作られているそうで興味をそそられるし、グラフィックについてもブラッシュアップが続けられている。そうした細かな作り込みのためか、先日2020年の発売へと延期されてしまったが、すでに4年以上開発が続けられている『天穂のサクナヒメ』が、2020年こそ遊べることに期待したい。

By. Keiichi Yokoyama

 

『ノーモア★ヒーローズ3』

開発:グラスホッパー・マニファクチュア 販売:マーベラス
対応機種: Nintendo Switch
発売予定時期:2020年

No More Heroes 3 – The Return」よりキャプチャー

前作までの『ノーモア★ヒーローズ』はWiiをプラットフォームにしていた(その後PlayStation 3、Xbox 360に移植)。Wiiリモコンやヌンチャクを使った独特の操作方法を抜きにしても、現在の主要なゲームから見ると奇妙に思える部分も多い。しかしメタなゲームネタやエッジの効いたセリフ、イカれた敬語のチュートリアル、モーション操作で繰り出すビーム・カタナやプロレス技など、唯一無二のゲーム体験は今なお際立っていると思う。

今回主人公トラヴィスが闘うのは殺し屋ではなく、宇宙からきたヤバい奴だ。公開された動画ではタツノコアニメ風のアーマーが空を飛んでいる。「純白の恋人ビザールジェリー的な?」と思わなくもないが、中の人は他ならぬトラヴィスだ。本来「ヒーロー」という言葉から想像するのは、「全米ランクの殺し屋」よりもこちらの「白いコスプレ」の方であるべきかもしれない。The Game Awards 2019で公開されたプロローグ映像も、やりすぎなオマージュで初見なのになぜか既視感強め。動画を見る限り操作は過去作と同じようだ。WiiリモコンをJoy-Conに持ち替えてスープレックスでぶん投げる日が今から待ち遠しい。

By. Masahiro Yonehara

 

『ルーンファクトリー5』

開発:マーベラス 販売:マーベラス
対応機種:Nintendo Switch
発売予定時期:2020年

今年も数々の「牧場系」作品が世界で生まれた。さまざまな作品をプレイしたが、『ルーンファクトリー』になりかわる作品は出てきていない印象だ。『ルーンファクトリー』の魅力は、牧場ゲームとアクションRPG、そしてキャラゲーの融合。農作業や酪農のほか、バリエーション豊かなダンジョンも必要であるし、武具の作成および錬成、料理も充実してほしい。魅力的なキャラと恋愛したいし、テキストも時期や進行によって変わってほしい。そんな要望を満たせる作品は、やはり『ルーンファクトリー』以外ないだろう。

『ルーンファクトリー5』は、コンセプトアートなど概要のみ公開されており、発表までの期間が長かった事情により、正直なところ2020年発売されると信じている方はそれほど多くないだろう。筆者も信じていない。信じてないが、それはプロダクトに懐疑的なのではなく、時間をかけてでも良いものを仕上げてくれるだろうという信頼感の裏返し。第三作目にて大きな進化を遂げ、第四作目も安定のデキであった『ルーンファクトリー』シリーズの最新作を待ちわびる。

By. Minoru Umise

 

『Idol Manager』

開発:GlitchPitch 販売:GlitchPitch
対応機種:PC/Nintendo Switch
発売予定時期:2020年

アイドル育成シミュレーションゲームの『Idol Manager』(関連記事)。今思えば一昨年にも期待のタイトルとしてあげていた。まだリリースに至っていないこと、そしていよいよ今年には出そうなので再度あげさせていただく。『Idol Manager』はすでにベータのフェイズに入っており、今年にはリリースされると思われる。実際にゲームにもさわってみたが、期待するものが出てきそうな印象だ。ただし、ダークな世界観であるということで、やたらテキストが凝っているので、日本語に対応されてからが本番という印象。表現自体は難しくないが、単純にテキスト量が多い。

開発者が日本の地下アイドル好きということで、どこかで見たような名前や容姿のアイドルが出てき、設定まわりについての不安はまったくなし。ゲーム自体が難しすぎないことや、何度もプレイ可能かというリプレイ性。そもそも今年リリースされるのか、といった部分が懸念点になりそうだ。ベータ版は、説明などがかなり省かれており、ゲームの流れを把握するのも苦労したので、そうした点もブラッシュアップされていることに期待したい。

By. Minoru Umise

AUTOMATON JP
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