カプコン、2期連続で過去最高益達成。『バイオ2』リメイクなどが牽引
カプコンの業績が好調だ。株式会社カプコンは昨日、2019年3月期連結業績(2018年4月1日~2019年3月31日)を発表した。売上高は1,000億3100万円(前期比5.8%増)。営業利益は181億4400万円(前期比13.1%増)。過去最高益を達成しており前期に引き続いての2期連続の過去最高益更新となった。
カプコンの発表したIR情報によると、今期の業績が好調だった理由として主力タイトルである『バイオハザード RE:2』(関連記事)のヒット(400万本出荷)や『デビル メイ クライ 5』(関連記事)のセールスが好調(200万本出荷)だったことを上げている。また昨年期発売された『モンスターハンター:ワールド』(関連記事)のPC版(Steam)を今期にリリースしておりその売上も貢献しているとのことだ。『モンスターハンター:ワールド』はコンシューマー版、PC版合わせて1,200万本の出荷を達成しており、カプコンの単一タイトルとしては過去最高の出荷本数を記録している。
今期の業績を見る上で、直近に売上高のピークを見せた2014年3月期の業績と比較するのがわかりやすいだろう。2014年3月期の業績は、売上高が1,022億円(前年比8.6%増)と今期よりも高かったにもかかわらず、営業利益は102億9900万円(前年比1.5%増)と今期ほど振るわなかった。当該期は『モンスターハンター4』(ニンテンドー3DS)がヒット(400万本出荷)し、『デッドライジング3』『バイオハザード リベレーションズ アンベールド エディション』の売上が好調(いずれも100万本超売上)だったようだ。今期と当該期を比較すると、カプコンのゲーム売上の軸足が、以前からその傾向はあったもののより海外にシフトしていることがわかる。また販売プラットフォームにおいてPCも伸びを見せており、このことが今期の好調な増収増益に繋がったと言えそうだ。
次いで売上高の内訳を事業別に比較してみると、デジタルコンテンツ事業(ゲームソフトの開発・販売等) とアミューズメント機器事業(パチスロ等)において、
2019年3月期ではそれぞれ829億8200万円、34億2200万円となっており、
2014年3月期ではそれぞれ658億2400万円。231億6000万円となっている。
中核であるゲーム事業が堅調に伸びていることがわかる。
日本産ゲームのかつての黄金期、そしてその後の低迷期を目にしてきた者にとって、日本のゲームメーカー好調のニュースに触れるのは胸のすく思いがするだろう。カプコンは来期の業績予想について「全ての利益項目で3期連続の過去最高益を見込みます。」と語っており鼻息が荒い。今後もカプコンの業績に要注目だ。