“『ARC Raiders』のマップと同名の実在ホテル”に、「ロビーで撃たれた」など荒らしレビュー発生。開発元CEOが「ホテルに電話して謝罪したい」とこぼす事態に
『ARC Raiders』の開発元のCEOは、イタリアに実在するホテル「ホテル ステラ モンティス」に謝罪の電話を入れる予定だという。

『ARC Raiders』の開発元であるEmbark StudiosのCEO、Patrick Söderlund氏は、イタリアに実在するホテル「ホテル ステラ モンティス」に謝罪の電話を入れる予定だという。というのも、昨年11月に追加した新マップ「ステラ・モンティス」と同名であることを面白がった一部プレイヤーたちが、同ホテルに対して“変な好評レビュー”を投稿し、レビュー欄が荒れる事態となっている。IGNとのインタビューで語られた。
『ARC Raiders』はEmbark Studiosが手がけるPvPvE形式の脱出シューター。PC(Steam/Epic Gamesストア)/PS5/Xbox Series X|Sでリリースされている。ソロまたは最大3人パーティーでプレイ可能。舞台はARCという巨大マシンにより荒廃した未来の世界。プレイヤーはそこで「レイダー」と呼ばれる探索者となり、ARCや他の「レイダー」と戦いながら、物資を見つけ持ち帰ることを目標とする。10月30日に発売されるとすぐさま熱狂的な反響を呼び、今年1月時点で世界累計販売本数は1240万本に到達している(関連記事)。
そんな本作ではアップデートにてさまざまな新要素が実装されており、1月27日には「ソロ対チーム」の出撃モードの追加など多数の新要素が追加(関連記事)。今後も新マップや新大型ARCの実装などが予告されておりその勢いは続いていくことだろう。
今回話題となっている「ステラ・モンティス(Stella Montis)」は昨年11月に『ARC Raiders』の1.2.0パッチで追加された新マップだ。雪に覆われた山岳地帯に位置する、打ち捨てられた研究施設を舞台にした室内マップで、通路が上下に入り組む複雑な構造が特徴となっている。閉塞感漂う内部には、作りかけの巨大ロケットが放置されてたり、壁面には大きく「Stella」の文字が掲げられていたりと、宇宙に関連した研究施設だったことがうかがえる。
なお、「Stella Montis」とはラテン語で「星」を意味する「Stella」と、「山」を意味する「Montis」をかけ合わせたもので、直訳すると「山の星」といったような意味になる。
そんな「ステラ・モンティス」だが、実は同名の施設が現実世界にも存在する。これは「ホテル ステラ モンティス(Hotel Stella Montis)」であり、イタリア北東部に位置するカンピテッロ・ディ・ファッサにある宿泊施設だ。同地域は山岳に囲まれた自然豊かな風景が特徴で、冬はウィンタースポーツ客でにぎわう。同ホテルはファッサ渓谷の村を見渡せる山の高台に建築され、背後には雄大な森林が広がっている。なお筆者がGoogleマップで確認した同ホテルのもっとも古い口コミは2008年のものであり、『ARC Raiders』の開発よりずっと以前から「ホテル ステラ モンティス」として運営されてきたことがうかがえる。

奇しくもそんなホテルと同名のマップが、『ARC Raiders』の新マップとして登場したわけだ。そして、それを面白がったプレイヤーたちによって、さっそくGoogleクチコミやTripadvisorなどで「レビュー荒らし」が発生してしまっているようだ。
レビューには「とても素敵な旅でした。ただ、ホールに居るバスティオンが少し夜中に騒がしかったです」といったものや、「素晴らしいホテルです。ハチ(ワスプ)やススメバチ(ホーネット)はそれほどいませんが、シュレッダーには注意して下さい!」と、『ARC Raiders』に登場するマップ内のARCの配置になぞらえた投稿がみられる。さらには「素晴らしいソロ旅行でしたが、3人での旅も同じくらいオススメできるでしょう」など、ホテルレビューに“擬態”して当該マップを語るレビューが多数投稿されているのが確認できる。
幸いにも、レビューの多くは「満点」の評価で投稿されているため、ホテルのユーザーレビューが下落していることはなさそうだ。一方で「ホテルの医療エリアには死体がよく転がってるので気を付けて」や「ロビーで撃たれました」などといった物騒なレビューも掲載されている。ゲームを知らなければ同ホテルで事件があったのかと勘違いする閲覧者が現れる可能性もゼロではなく、事情を知らなくともレビューが何らかの荒らしを受けていることも垣間見える状態だ。

「ホテル ステラ モンティス」にこのようなレビュー荒らしが発生している現状について、IGNとのインタビューでSöderlund氏が自身の見解を語っている。Söderlund氏は同誌の記者に教えられるまでそのような状態になってるとは知らなかったとそうで、レビュー内容を聞いて笑いながら驚きつつ、「ホテルに申し訳なく思うよ」とコメント。くわえて、迷惑をかけたことについて電話で謝罪したほうがよさそうだと自身の考えを示した。
また、マップ「ステラ・モンティス」は当該ホテルにちなんで名付けられたのかという質問に対し、Söderlund氏は事実関係は把握していないと前置きしつつ、興味が湧いたので調べてみると回答。あわせて同社のCCO、Stefan Strandberg氏が大のイタリア愛好家であり、本作のロケーションはすべてイタリアに由来していることも改めて明かされた。「ホテル ステラ モンティス」もイタリアに存在するため、インスピレーションのもとになった可能性はありうるかもしれない。

なお、本作がイタリアを舞台にしていることは、過去の弊社のインタビューにおいても語られている。プロデューサーのDaniele Viteli氏によれば、レッジョ・ディ・カラブリア(イタリア半島先端の沿岸部、シチリア島に面した都市)やナポリ、ヴェスヴィオ火山など、実在するロケーションからインスピレーションを受けているそうで、現代に実在する教会の未来の姿など「南イタリアが未来でどうなっているのか」という描写も盛り込んでいるそうだ(関連記事)。
「ホテル ステラ モンティス」も「ステラ・モンティス」も、雪の降る山岳地帯というロケーションは一致している。制作に際して同ホテルを参考にしたのかどうかは注目が集まるところだ。もし偶然の一致だとしても、イタリア人らしいネーミングで『ARC Raiders』のロケーションが名づけられていることがうかがえる出来事ではある。しかしながら今回Söderlund氏が謝罪する意向を伝えているように、ゲームと関係のないホテルにレビュー荒らしといったかたちで注目が集まるのはEmbark Studiosとしても望んでいないことだろう。
『ARC Raiders』はPC(Steam/Epic Gamesストア)/PS5/Xbox Series X|S向けに販売中だ。
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