『フォートナイト』史上初めて“キャラのリアルめ乳首”が解禁される。沸き立つコミュニティ、「ゲーム乳首デザイン」の歴史に新たな1ページ

Epic Gamesは11月30日、『フォートナイト』のチャプター7「パシフィック・ブレイク」を開始した。新たなバトルパスコンテンツの提供が始まったが、そこに収録されているあるスキンに「乳首」が描かれているとして、大きな注目を集めている。

『フォートナイト』はEpic Gamesが運営する基本プレイ無料のバトルロイヤルシューター。プレイヤーは最大100人が降り立つフィールドで戦い、最後の1人となることを目指す。資材を集めて足場を構築する建築要素が特徴だ。シーズン展開のあるライブサービスゲームとして運営されており、他IPとのコラボも活発におこなわれている。

そんな本作のチャプター7シーズン1のバトルパスでは、カンフー映画のスターをモチーフとしたオリジナルキャラクター「カーター・ウー」が実装。このキャラクターのスキンには衣装違いとして複数のスタイルが用意されているが、注目されているのはその内、「フォートナイト リロード」モードのクエストを進めることにより解放される「ブラックドラゴン」スタイルだ。上半身裸で、龍をかたどったタトゥーを右腕に入れたこのスタイルでは、なんと乳首が描かれているのである。また、よく見るとわずかに乳輪も確認できる。

というのも、『フォートナイト』においてはリリース以来、キャラの乳首が登場してこなかった。男性キャラの上半身裸のスキンは多数実装されてきたが、そのすべてにおいて乳首が消失。たとえば、ラッパーのTravis Scott氏とのコラボスキンでは、浮き出た筋肉などがリアルに描かれつつも、胸はつるつるとしており、乳首は存在しない。公式からは明言されていないものの、「『フォートナイト』では乳首が禁止されている」との風説も流れ、長年暗黙のルールとされてきたわけだ。

そんな中、先月11月についに転換点が訪れる。アメリカのテレビアニメ「ザ・シンプソンズ」とコラボにより実装されたスキン「パンイチのホーマー」では、本作史上初めて乳首が描写された。黒い点のように描かれた乳首は、原作の画風を踏襲したかなりのデフォルメ乳首ではあるものの、『フォートナイト』では乳首が描かれること自体が前代未聞。コミュニティでは大きな反響を呼んでいた。

なお今回実装されたウーは本作のオリジナルキャラクターということもあり、たとえば原作のデザインを再現しなければならなかったといったような、コラボの際に発生しそうな都合も存在しないはず。そのため、Epic Gamesは意図して乳首描写を盛りこんだとも考えられる。コミュニティでは、「ザ・シンプソンズ」とのコラボで先月より囁かれていた“Epic Games乳首解禁説”が確信へと変わりつつある状況だ。

なお、下記スレッドではEpic Gamesスタッフからのコメントも寄せられており、「上半身裸のキャラクターにおける描写をアップデートしていくなかでの変更」とのことだ。Epic Gamesの中でどのように身体描写が検討され、今回のデザインチョイスに至ったのかも興味深い。また、「過去キャラの調整は予定されていない」とのことで、既存の上半身裸キャラへ乳首が実装されることはないようだ。

ゲーム作品においては、男性キャラの乳首がどのように描かれるのかがたびたび注目を集めている。『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』においては、DLCで参戦したセフィロスがリアルな乳首を搭載。これまでシリーズでは消極的であったリアルな乳首描写への挑戦が見られた（関連記事）。ほかにも、『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク』においては発売後のアップデートで追加された「スパルタの防具」の実装により、これまで封印されていたクレイトスの乳首があらわになっていた。（関連記事）。

ゲームにおけるキャラクターの身体描写は、レーティング規制やコンプライアンスも複雑に絡む要素。乳首といえども、その描写の変遷はゲームにおける表現の歴史のなかで重要な1ページとなるだろう。『フォートナイト』で今回初めてリアルめな乳首描写がおこなわれた意味、その解釈は、ゲーマーそれぞれに委ねられている。

『フォートナイト』はPC（Epic Gamesストア）およびPS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/Nintendo Switch/Nintendo Switch 2/iOS/Android向けに配信中。