『ヘルダイバー2』Steam版、なんと「130GB以上」の容量削減に成功。実は“無駄にデカかった”と判明したので

Arrowhead Game Studiosは12月3日、『HELLDIVERS 2』について、エンジニアリングチームによる記事「Tech Blog #2」を公開。その中では本作PC版のインストールサイズについて、130GB以上の容量削減に成功したことも明かされた。

デベロッパーのArrowhead Game Studiosは12月3日、『HELLDIVERS 2(ヘルダイバー2)』のエンジニアリングチームによる記事「Tech Blog #2」を公開。本作のインストールサイズについて、約130GBの削減に成功したという。社内でのQAも完了したとのことで、パブリックテクニカルベータとしてプレイヤー向けにも試験的に公開されている。

『HELLDIVERS 2』は『HELLDIVERS』の続編となるTPSだ。対応プラットフォームはPC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S。プレイヤーはスーパーアース連邦のエリート部隊ヘルダイバーの一員となり、宇宙生物のムシ(ターミニッド)や、オートマトンと呼ばれる殺人ロボット、そして高度な文明をもつイルミネイトに立ち向かうミッションに挑む。

今回公開された「Tech Blog」は、ゲームの技術的健全性や直面している技術的な課題について語る定期連載企画である。第1回は本作PC版のインストール容量について解説する記事であり、今年10月3日に公開されていた。今回は第2回目として、その続きが語られている。

本作PC版のインストールサイズは、本稿執筆時点で約154GBある。これほどまでにインストールサイズが大きい理由は、データをあえて重複して収録しているからだという。これはHDD(ハードディスクドライブ)環境に向けた最適化手法のひとつで、データファイルを重複させることで読み込み速度を向上させる、というもの。本作ではHDDを最小要件に含んでおり、HDDユーザーに向けたサポートを続けるため、こうした対策が取られていたというわけだ(関連記事)。

ところが今回の「Tech Blog」によれば、154GBあったPC版のインストールサイズをなんと約23 GBまで削減成功したのだという。この削減に成功した理由としては、Arrowhead Game Studios での原因の切り分けにあるようだ。

同社の調査によれば、HDDユーザーはアクティブプレイヤーの約11%を占めていることがわかったそうだ。そしてゲーム内での実測値から、『HELLDIVERS 2』のロード時間の大部分はアセットのロードではなく、ステージ生成にかかっているものと判明。ステージ生成はアセットのロードと並行しておこなわれており、こちらがロード時間を決定づける主要因となっていたとのこと。

ちなみに先述した「データファイルを重複させることで読み込み速度向上を狙う」という手法は、ロード時間の大半はアセットの読み込みに費やされるといった業界の一般論から採用されていたそうだ。しかし今回実測値が集計された結果、少なくとも本作では状況が異なると判明したかたち。

これまでの100GBを超えるインストールサイズはアセットやオブジェクトの読み込みを高速化するための施策だったため、今回の調査をもとにデータの重複分を完全に削除。その結果130GB以上のサイズ削減に成功したようだ。なおこのことによりHDD環境では少しロード時間が増加するものの、社内検証結果では最長でも数秒程度しか延びないと判明したという。そうした検証や実装にあたってはソニー・インタラクティブエンタテインメント傘下のNixxes Softwareの協力があったことも伝えられている。

現在本作の“容量削減版”はベータ版にて利用可能。本作のSteamライブラリからプロパティを選択し、「ベータ」タブのリストより「prod_slim」を選択。パッチダウンロードが完了したら容量削減版を体験可能だ。なおArrowhead Game Studiosは、Mod導入時には不具合が出る可能性があるとしており、Mod導入ユーザーは容量削減版の本実装を待つか、Modの導入がない状態にしてから同バージョンを利用することを推奨している。

『HELLDIVERS 2』は、PC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S向けに配信中だ。

Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

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