大ヒットローグライク『Balatro』開発者、大型アプデ1.1は「必ず出すが今年は無理」と発表。「完成したら完成」のマインドでゆっくり作りたい
LocalThunk氏は9月13日、『Balatro』のアップデート1.1が年内には配信されないことを発表した。

個人ゲーム開発者のLocalThunk氏は9月13日、自身のブログを更新。2025年にリリースを予定していた『Balatro』のアップデート1.1を無期限で延期すると発表した。
『Balatro』はトランプのポーカーを題材にしたデッキ構築型ローグライクゲームだ。本作では基本的にデッキからカードを8枚引き、そこから最大5枚選択してポーカーの役を作る。そして150種類にも及ぶジョーカーカードなど、多種多様な効果をもつ特殊カードを活用し、カードの相乗効果で膨大なスコアを叩き出してノルマの達成を目指す。2024年2月に発売され、今年1月には売上が500万本を突破している大ヒットタイトルだ。

本作を手がけるLocalThunk氏は9月12日に自身のブログを更新。「I’m Slow(私は遅い)」と題したブログ記事では、2025年にリリースを予定していた『Balatro』のメジャーアップデート1.1は年内にはリリースされないとして、無期限で延期することを発表した。同氏はユーザーに謝罪しつつ、その胸の内を語った。
LocalThunk氏によれば、「もしかするとアップデートの時期すらも発表するべきではなかったかもしれない」として、2025年と設定したことを後悔しているようだ。『Balatro』の開発にあたっては、発売前にも大きなストレスを感じながら苦労を重ねてきたが、発売後にもそれは続いてきたとのこと。大規模なバランス調整パッチである1.0.1や、その後2024年後半にリリースされたモバイル版などの開発を経て、完全に燃え尽きてしまったという。同氏はそれから2025年初頭まで、本作に関するあらゆる作業を休止したのち、徐々にゲーム開発へと復帰。しかし、発売当初のようなクランチ状態での作業はせず、趣味としてゆっくりゲーム開発に取り組んでいるとしている。

そうして現在の開発速度はかなりペースが遅くなったものの、LocalThunk氏にとって好ましい働き方だという。もともと締め切りを設けて無理やりクリエイティブなプロジェクトなことをするのは好きではなく、また当時のような緊迫した状況に後戻りするのは恐ろしいとして、急いで開発を進めるという選択をとらないことにしたそうだ。アップデート1.1は必ずリリースされるものの、「完成したら完成(it’s done when it’s done)」というペースで、期限を設定せずに開発を続ける意向を示した。
ところで、LocalThunk氏は今年6月、最難関のものを含めて『Balatro』の実績をすべて達成したことを報告していた(関連記事)。同氏はその件に触れ、“自身の中の『Balatro』プレイヤー”が同作の開発から離れることを許さないと開発継続を再度強調。バージョン1.1がリリースされたら別のデータでまた100%コンプリートを目指すのが楽しみだと語っている。開発者であると同時に、一人のプレイヤーとしても本作を愛しており、完成にわくわくしつつ開発に臨んでいるのだろう。気長に待ちたいところだ。
『Balatro』はPC(Steam)/Nintendo Switch/PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/Android/iOS向けにダウンロード版が現在配信中。Nintendo Switch/PS5向けにはパッケージ版も販売されている。