紆余曲折を経てついに発売される『Vampire the Masquerade: Bloodlines 2』、リリース時の“有料DLC要素”を無料化か。渦巻く批判を受けて

Paradox Interactiveは、『Vampire the Masquerade: Bloodlines 2』を10月22日にリリースする。そんな中、本作のDLC「Shadows & Silk」について批判が寄せられており、同DLCについては、おそらく価格変更などの対応が取られるものと思われる。

パブリッシャーのParadox Interactiveは、『Vampire the Masquerade: Bloodlines 2』を10月22日にリリースする予定だ。そんな本作のDLC「Shadows & Silk」の内容が批判を受けていたが、公式Discordにてさっそく同DLCに関する対応がおこなわれると示唆された。GamesRadar+が報じている。

『Vampire the Masquerade: Bloodlines 2』は、テーブルトークRPG「ヴァンパイア:ザ・マスカレード」をもとにしたアクションRPG『Vampire: The Masquerade – Bloodlines』の続編だ。対応プラットフォームはPC(Steam/Epic Gamesストア/GOG.com)/PS5/Xbox Series X|S。

本作では現代という時代設定はそのまま、前作のアメリカ・ロサンゼルスからシアトルへと舞台を移す。本作の世界にはヴァンパイア社会が存在し、シアトルを支配している。そして、テロ事件の影響でヴァンパイアとなった主人公は、渦巻く陰謀に巻き込まれていく。血の取引を巡って派閥間の争いが起こるなか、どの勢力の側につくのかなどのプレイヤーの選択や行動が力の均衡を変えていくという。

本作は先日開催されたゲームイベント「gamescom 2025」にてリリース日が10月22日と発表され、予約受付を開始。あわせて、いわゆる豪華版にあたる「Deluxe Edition」と「Premium Edition」も発表。同梱されるDLCとしてコスメティックパック「Santa Monica Memories」のほかに、ラソンブラとトレアドールという2氏族を追加し、2氏族の新コスチュームなどを追加する「Shadows & Silk」が発表された。

Paradox Interactiveは8月27日、この「Shadows & Silk」、特にラソンブラとトレアドールの2氏族についてのフィードバックをユーザーから受け取り、リリース前に調整を加えると公式Discord内で発表した。詳細についてはまだ公開されていないものの、おそらく「Shadows & Silk」内の要素、ラソンブラとトレアドールの2氏族に関する対応が告知されている。

というのも、有料DLC「Shadows & Silk」については、コミュニティから否定的な意見が多く寄せられていたからだ。本作では属する氏族を選択してストーリーを進めていくほか、固有の能力やプレイスタイルが用意されている。そのため先述した「Shadows & Silk」は、ゲームプレイに大きく関わる要素である氏族が、リリース時点でゲーム本編から切り分けられて有料DLC化されているといえる。

「Shadows & Silk」はPremium Editionの収録コンテンツであり、通常版が定価7990円のところ、Premium Editionでは1万1990円(いずれも税込)。発売時に単独販売も予定されていたものの、発売時点でゲームプレイに関わる有料コンテンツが設けられている点にはユーザーから批判も集まっていた。

そうしたなかで、本作の広報担当者はPCGamesNの取材に対して、「ゲームが追加コンテンツとともにリリースされるのは珍しいことではない」と言及。また本作が発売までに紆余曲折を経たことを踏まえると、今回のDLCは各種コンテンツや氏族を求めていたプレイヤーを本作に呼び込む手段であると説明していた。

あくまで待ち望んでいたファンの需要を見据えて制作されたコンテンツであったとみられるものの、そうした発言は火に油を注ぐかたちとなったようだ。SNSやRedditをはじめとして各所で批判が加速するなかで、公式Discordサーバー上でコミュニティ担当者はラソンブラとトレアドール追加に関係するファンからのフィードバックを認識していると表明。発売までにフィードバックを反映した調整をおこなうと伝えている。具体的な対応については明かされていないものの、2氏族の無料化などが期待されるところだろう。詳細は日本時間8月28日0時から予定されている公式生放送にて発表される見込みだ。

ちなみに本作はもともと2019年3月に発表され、2020年にリリース予定とされていたタイトルだ。延期は複数回にわたり、2021年には開発元がHardsuit LabsからThe Chinese Roomに交代(関連記事)。そうした状況もあって懸念も寄せられるなか、ついに発売日が発表された。リリース時点で主要なコンテンツが有料DLCとして切り分けられた背景には、買い切り型作品として開発の難航をカバーできるようなマネタイズが模索されていたこともうかがえる。とはいえ待ち望んでいたコミュニティにとっては、不信感を強めるかたちになったのだろう。いずれにせよさっそくユーザーの声に応えることが表明されており、どのような対応がおこなわれるのか、詳細が注目される。

『Vampire the Masquerade: Bloodlines 2』はPC(Steam/Epic Gamesストア/GOG.com)/PS5/Xbox Series X|S向けに、10月22日発売予定。

Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

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