『メタルギア ソリッド デルタ』開発者、「『メタルギア』の作り方を次世代に継ぐため」開発始動したと明かす。老いる前に“遺産”を継がせたい
コナミデジタルエンタテインメントは8月26日、『METAL GEAR SOLID Δ: SNAKE EATER』を発売する。同作が開発された理由について、プロデューサー陣が明かした。

コナミデジタルエンタテインメントは8月28日、『METAL GEAR SOLID Δ: SNAKE EATER』(以下、METAL GEAR SOLID Δ)を発売する。同作が開発された理由について、プロデューサー陣が明かした。
『METAL GEAR SOLID Δ』は、コナミにより2004年にPS2向けに発売された『METAL GEAR SOLID 3 SNAKE EATER』(以下、MGS3)のリメイク作品だ。同作では東西冷戦の時代を舞台に、新型兵器の破壊と重要人物の抹殺司令を受けた「ネイキッド・スネーク」の戦いが描かれる。リメイクとなる『METAL GEAR SOLID Δ』においてはオリジナル版のストーリーやゲームデザインを忠実に再現しつつ、一部新要素も盛り込み。現代の最新グラフィックに進化させた作品を目指しているという。

そんな本作の開発について、制作プロデューサーの岡村憲明氏とクリエイティブプロデューサーの是角有二氏が明かした。両氏とも、『メタルギア ソリッド』シリーズにかねてより携わってきた人物である。先日ニューヨークにておこなわれた試遊イベントにて、海外メディアRolling Stoneに向けて語っている。
是角氏によれば、本作開発にあたっては若いスタッフから多くの意見を集めたという。そうしたフィードバックを通じて「現代のゲーマーがなににストレスを感じるのか」といった感覚をつかみ、そうした遊びづらさを緩和しつつオリジナル版にできるだけ忠実な内容を目指したとのこと。

そして「なぜ新作ではなくリメイク作品を作ったのか?」という疑問に対して、岡村氏が回答。答えは簡単であるとして「自分たちが歳を取っていくから」と切り出した。岡村氏は、「自分たちがゲームを作れるのもあと数年」といい、開発者としての寿命に触れた。また、若い世代のゲーマーのなかにはすでに、『メタルギア』シリーズを遊んだことがない、もしくはシリーズそのものを知らない人も多いとのこと。そのため、岡村氏らは「『メタルギア』という遺産(the legacy)を後世に残さなければ」と考えてリメイク企画に踏み切ったという。
そうした背景もあり、本作の開発チームには多くの若いスタッフが参加しているとのこと。岡村氏としては、そうしたスタッフたちに「『メタルギア』の作り方」を学ぶ機会を与えるといった狙いがあったそうだ。今のところの目標としては、そうして「遺産」を次世代に継いでくれるチームを育て、将来的にさらにエキサイティングな作品を生み出していって欲しいとのこと。

本作のオリジナル版である『MGS3』を含め、『メタルギア』シリーズの生みの親といえば小島秀夫氏だ。しかしながら、同氏は2015年にコナミを退社。その際には円満とはいえない経緯を伺わせる報道や発表が各所に見られた。そのため、同氏退社後にリリースされた『METAL GEAR SURVIVE』および今回リリースされる『METAL GEAR SOLID Δ』はファンから厳しい目を向けられている背景もある。
岡村氏は過去の情報番組にて、そうしたファンからの痛烈な声についても受け止めて、開発に臨む旨を伝えていた(関連記事)。小島秀夫氏が独立し別の道を行くいま、『メタルギア』という遺産がどのように後世に継がれていくのか、シリーズファンにとってその行く先が気がかりだろう。
『METAL GEAR SOLID Δ: SNAKE EATER(メタルギア ソリッド デルタ: スネークイーター)』はPC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S向けに8月28日に発売予定だ。