『グランド・セフト・オートVI』の総収益は「約1兆5000億円になりそう」とのアナリスト大胆予測。さらに定価100ドル（約1万5000円）級になりそうとも

イギリスの情報誌The Telegraphは8月3日、来年5月の発売を予定している『グランド・セフト・オートVI』（以下、GTA6）について、100ドルの価格になるだろうとのアナリストの見解を伝えた。海外メディアGamesRadar+などが報じている。

『GTA6』は、Rockstar Gamesが手がける人気オープンワールドクライムアクションゲーム『Grand Theft Auto』（以下、GTA）シリーズの最新作だ。PS5/Xbox Series X|S向けに2026年5月26日に発売予定。本作の舞台となるのは、米国の架空の州であるレオナイダ州。過去作『Grand Theft Auto: Vice City』などに登場したバイスシティをはじめとする街を擁する州であり、シリーズ最大級に進化した規模と没入感が表現されるという。

The Telegraphは8月3日、『GTA6』に関する有識者の分析を掲載した。まず、証券会社Wedbush Securitiesのゲーム業界アナリストMichael Pachter氏によれば、本作は開発に15億ドル以上を費やすはずだとしつつ、ライフタイムを通して100億ドル（約1兆4700億円）以上の総収益を生むと予想。Rockstar Gamesの親会社Take-Two Interactiveには数十億ドルの利益をもたらすだろうとの予測を打ち出している。比較として、現時点でのシリーズ最新作である『グランド・セフト・オートV』は、これまでに約100億ドルの収益を記録。大ヒットを記録した前作をも上回る成功がすでに期待されているわけだ。このほか、市場調査会社Ampere Analysisは、本作が発売初日に10億ドル（約1470億円）以上を売り上げるとして、大胆な見積もりをおこなっている。

さらにThe Telegraphに向けてPachter氏は、本作の販売価格が100ドルになるとの見解を示している。またAmpere Analysisのゲーム業界アナリストLouise Wooldridge氏も同様に、本作がゲーム業界史上もっとも高額なゲームの1つになると考えているようだ。現状では、いわゆるフルプライスのゲームの定価は70ドルとなることが一般的。任天堂がNintendo Switch 2と共に発売した『マリオカート ワールド』において80ドルの定価が採用されたことは注目を集めていたが、同社も、業界の各社も“定価の新水準”として採用するまでには至っていない。そうしたなかで同氏は、『GTA6』は現状の定価水準を大幅に超える100ドルになるかもしれないという見立てを示しているかたち。前述した収益予想も、定価引き上げの可能性を踏まえた予測かもしれない。

『GTA6』の価格がどうなるかについてはこれまでにもたびたび注目の対象となっており、今年1月にはメタバース分野への上場投資信託をおこなうEpyllion社のCEO・Matthew Ball氏が価格に関する業界人の声を紹介していた。Ball氏によれば、『GTA6』の定価が70ドル（約1万300円）の壁を打ち破り、80ドル～100ドル（約1万1800円～約1万4700円）になることが業界にて期待されているとのことであった（関連記事）。

なお2025年現在においては、先述した70ドルが実質的に業界の基準となっており、これを超えるタイトルでは消費者から反発が生じるケースも存在している。先月にはObsidian Entertainmentが手がける『The Outer Worlds 2』が発売前に、価格が約80ドルから約70ドルへと値下げされたことも話題に。『マリオカート ワールド』の80ドルにあわせたような価格設定に批判もあったことからか、引き下げに至ったようだ（関連記事）。このほかElectronic Artsについても、CEO・Andrew Wilson氏は現状では10月発売予定の『バトルフィールド 6』を含め販売価格を劇的に上昇させるつもりはないとの姿勢を示している（関連記事）。

とはいえ、ゲーム業界においては特に大規模開発ゲームの開発コストが上昇傾向にあるとされる。メーカーは採算を合わせるために、販売価格の上昇を余儀なくされている状況もありそうだ。大型タイトルが定価を引き上げることで、ゲーム業界全体における価格水準の上昇も期待されているのかもしれない。圧倒的な関心を集める『GTA6』が業界の“新基準”となるのか。現状では同作の販売価格は発表されておらず、引き続き注目される。

『グランド・セフト・オートVI』はPS5/Xbox Series X|S向けに2026年5月26日に発売予定だ。