だまし合いマルチ対戦ホラー『Deceit』11月6日にサービス終了へ。人気博した人狼系ゲーム、“老朽化”に伴い続編『2』に完全移行
World Makersは7月25日、人狼風の非対称対戦ホラー『Deceit』のサービスを現地時間11月6日に終了すると発表した。

デベロッパーのWorld Makersは7月25日、『Deceit』のサービスを現地時間11月6日に終了すると発表した。今後は続編『Deceit 2』の開発にリソースを割く方針を明かしている。
『Deceit』は人狼風の非対称対戦ゲームだ。4人の健常者(Innocent)と2人の感染者(Infected)で構成された6人のプレイヤーたちは、収容所の中で目を覚まし、お互いの素性を探り合う。感染者は健常者たちの行動を妨害しつつ、停電時にはテラーの姿へと変身。健常者は命を狙われるなか、参加者のうち誰が感染者かを特定し、収容所からの脱出を目指す。

2017年3月にSteamでリリースされた本作は、リリース時約1万7000人の同時接続プレイヤー数を抱えていた注目作(SteamDB)。国内でも多数の著名ゲーム実況者がプレイしたことなどで知名度を獲得していた。ただ、アップデートやリワークが精力的に続けられてきた一方で、徐々にプレイヤー数は減少。2023年9月には従来のCRYENGINEからUnreal Engine 5へと移行した新作『Deceit 2』がリリースされた。
そしてこのたび、『Deceit』のサービス終了日時がアナウンスされた。ゲーム内通貨はすでに購入できないようになっており、DLCもまもなく購入できないようになるという。そして、11月6日にはゲームが完全にシャットダウンされるとのこと。入手したスキンは基本的に続編へと引き継がれないそうだ。なお、DLCなどに対する返金についてはSteam経由でおこなわれるため、対象となるかどうかはSteamに問い合わせてほしいとのこと。

World Makersによれば、システムやエンジンの老朽化などが原因で、DDoS攻撃や不正行為への対処が難しくなったことがサービス終了の一因だという。また、英国を中心に今日の世界各国で施行されている規制や法律へ準拠することも、現状の古いシステムでは困難な状態。次世代の基盤で再構築した『Deceit 2』の開発に力を入れるため、サービス終了の決定に至ったそうだ。
ところで、続編の『Deceit 2』は2024年3月に基本プレイ無料の形態へと移行。同年4月にはコンソール向けにも展開されている。また同作では今月から、『Deceit』のゲーム体験を再現した「レガシーモード」がパブリックベータ版として配信されている。「The Asylum」をはじめとする人気マップを導入し、前作で好評だったハイテンポなゲームプレイが楽しめるという。

一方で、『Deceit 2』の評価はあまり芳しくない。パフォーマンス面の不具合のほか、前作と比べて単調なゲームプレイとなっているといった指摘も見られ、本稿執筆時点のSteamユーザーレビューでは約5500件中59%が好評とする「賛否両論」ステータスに。またSteamでの同時接続プレイヤー数はピーク時でも連日300人程度に留まっている(SteamDB)。サービス終了が決まった『Deceit』の開発リソースを続編へと回すことで巻き返しを図れるか注目される。
続編『Deceit 2』は、PC(Steam)/PS5/Xbox SeriesX|S向けに基本プレイ無料で配信中。