『キングダムカム・デリバランス 2』出演者、『GTA6』延期を“喜ぶ”。「GOTYのチャンス到来」とちゃっかりつぶやく

『グランド・セフト・オートVI』の発売延期に際して、『キングダムカム・デリバランス II』の関係者が「GOTYを狙えるチャンス」として喜ぶ反応を示している。

キングダムカム・デリバランス II』で登場キャラクターを演じた俳優のLuke Dale氏は5月2日、『グランド・セフト・オートVI』の発売延期に関してXアカウントにて反応。『キングダムカム・デリバランス II』のGOTY(ゲーム・オブ・ザ・イヤー)獲得の可能性が高まったとして、喜びをあらわにした。

5月2日、Rockstar Gamesはオープンワールドクライムアクションゲーム『グランド・セフト・オートVI』(以下、GTA6)を2026年5月26日に発売すると発表した。同作は約12年ぶりとなる『グランド・セフト・オート』シリーズの最新作。これまで同社は、2025年秋発売予定であると投資家向けに伝えていたものの、ユーザーの期待に沿ったクオリティを目指すため、翌年への発売延期を決定した格好だ(関連記事)。同作については、2023年12月に公開された第1弾トレイラー以降音沙汰がなく、世界中が第2弾トレイラーや続報を心待ちにしていた状況で発売日のみの発表となった。各所で発売延期を残念がる声も広がっている。

『グランド・セフト・オートVI』


一方で、そうした状況を受けて逆に喜びを見せた人物もいる。『キングダムカム・デリバランス II』でハンス・カポン役を演じた俳優のLuke Dale氏は同日、自身のXアカウントで『GTA6』の発売延期に言及。「WE’RE IN WITH A SHOT! GOTY!(我々にもGOTYを狙えるチャンスがあるぞ!)」と興奮をポストした。「GOTY」とはすなわち、各種アワードにてその年のもっとも優れたゲームに贈られる賞「ゲーム・オブ・ザ・イヤー」のこと。2025年の“GOTY筆頭候補”とも目されていた『GTA6』の延期によって、『キングダムカム・デリバランス II』のGOTY獲得の可能性が高まったとして喜んでいるようだ。

『キングダムカム・デリバランス II(Kingdom Come: Deliverance II)』は、一人称視点のオープンワールドアクションRPG『キングダムカム・デリバランス』の続編だ。開発はチェコに拠点を置くWarhorse Studiosが手がけている。舞台となるのは15世紀初頭、争乱にあるボヘミア王国。プレイヤーは騎士見習いであるスカリッツのヘンリーとして冒険することとなる。同作は今年2月5日の発売初日で売上100万本を突破し(関連記事)、5月4日時点で300万本に到達。中世ボヘミアのリアルな描写や重厚なストーリーなどで高い評価を受けており、GOTY候補の一角とも名高い。

そのため当初2025年に発売予定であった『GTA6』は、『キングダムカム・デリバランス II』にとってライバルともいえる作品だった。ただ『GTA』シリーズといえば、五大GOTYともみなされる「Golden Joystick Awards」のUltimate Game of the Yearを何度も受賞してきた強豪であり、シリーズ人気も絶大。すでに高い評価と人気を誇る『キングダムカム・デリバランス II』ながら、関係者であるDale氏にとっては、そんな『GTA6』がGOTYの競争相手となることに不安もあったようだ。今回の延期は“嬉しい誤算”となった模様。

『キングダムカム・デリバランス II』


とはいえ、2025年はすでにGOTYの有力候補が目白押しとなっている。Sandfall Interactiveが手がけるターン制RPG『Clair Obscur: Expedition 33』は、レビュー集積サイトMetacriticにて史上最高レベルのメタスコアおよびユーザースコアを獲得し、大ヒットを記録した。また、Hazelight Studiosが手がける2人プレイ専用アクションゲーム『スプリット・フィクション(Split Fiction)』も同じく高評価タイトル。同スタジオの前作『It Takes Two』は2021年のGOTYに輝いており、2作続けての受賞となるか期待されている。さらには、一部業界人から“GOTY候補”とも評されたパズルアドベンチャー『Blue Prince』や、人気シリーズの最新作『モンスターハンターワイルズ』などがリリースされてきた。また2025年はまだ半分も過ぎておらず、今後もさまざまな注目作が展開される予定だ。

『キングダムカム・デリバランス II』は高い評価と人気を得ているにもかかわらず、近年稀に見る熾烈な戦いを強いられると思われ、『GTA6』が今年の賞レースから抜けただけでも関係者としての安心感はひとしおなのだろう。Dale氏は思わず喜びの声をこぼした様子だ。

ところで、『GTA6』の新たな発売日が2026年5月26日と具体的に告知された点についても、嬉しく思う業界人はいるかもしれない。というのも、人気シリーズの10年以上ぶりの新作ということもあり、同作との発売時期被りによる打撃を避けるため、自社作品の発売日をなかなか決められないといったメーカーもいたようだ(関連記事)。“2025年秋”には依然として注目作が集まってはいるものの、同時期に作品の発売を予定しているメーカーはいくらか安堵しているかもしれない。発売日をやっと決められるといったゲームもあることだろう。

いずれにせよ、『GTA6』の発売延期には業界からもさまざまな反応が寄せられている状況で、改めて同作の影響力の大きさがうかがえる。とはいえ先述したとおり、今回の『キングダムカム・デリバランス II』を含め、2025年は『GTA6』抜きでも注目作がかなり多い。いったいどの作品が栄冠を手にするのか。年末より発表される各種アワードのGOTYには、例年以上に関心が集まりそうだ。

『キングダムカム・デリバランス2(Kingdom Come: Deliverance II)』はPC(Steam/Epic Gamesストア)/PS5/Xbox Series X|S向けに発売中。

Shion Kaneko
Shion Kaneko

夢中になりやすいのはオープンワールドゲーム。主に雪山に生息しています。

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