『ユミアのアトリエ』、「3D酔いしそうなカメラワーク」など修正へ。体験版のフィードバックを受けた「反応速度」に称賛集まる

コーエーテクモゲームスは3月17日、『ユミアのアトリエ ～追憶の錬金術士と幻創の地～』（以下、ユミアのアトリエ）の無料体験版を配信開始した。対応プラットフォームはPS4/PS5/Nintendo Switch/Xbox One/Xbox Series X|S/PC（Steam）。体験版におけるユーザーのフィードバックを受け、同社はさっそく今後の修正対応についての方針を公表した。

『ユミアのアトリエ』は、コーエーテクモゲームスのガストブランドによる「アトリエ」シリーズの最新作。かつて錬金術によって栄えたアラディス帝国は、謎の天変地異によって滅んでしまった。それから数百年後、錬金術は「滅亡を招く危険な術」として「禁忌」となっていた。ユミア・リースフェルトは3年前にとある事故で母を亡くしたことをきっかけに、母が錬金術士であるという事実を隠していたことを知る。なぜ帝国は滅びたのか。なぜ錬金術は禁忌となったのか。大陸に眠る錬金術の真実を求めて、失われた歴史を追うユミアの旅が始まる。

本作は「レンジ」を切り替え、2種類の攻撃距離を使い分けながら戦う戦闘システムが特徴だ。また、縦横に広がる広大なマップを駆け巡ることができるオープンフィールドを採用している。拠点をカスタマイズできるハウジングの機能も強化されており、過去作品よりも自由度の高い冒険を楽しめるという。シリーズおなじみ「調合」にも新しいシステムが導入されているようだ。

体験版がさっそく多くのユーザーにプレイされているなか、プレイヤーのフィードバックを受け、同社は3月18日、製品版に向けた修正対応の内容を発表した。なお、挙げられている修正点は製品版で対応予定のものとされているため、体験版時点では反映されない可能性が高いことに注意されたい。

まずは各種カメラの挙動改善が挙げられている。今作では、過去作品にあった戦闘後のリザルトカットインが省略されている。その代わりに、プレイヤーの周りをカメラが移動する演出が入り、シームレスにフィールドに戻るようになっていた。カメラが回るのに加えて、フィールドにおけるプレイヤーの向きに合わせてさらにカメラが動くため、戦闘が終わるたびにカメラの向きがぐるぐると回ることになってしまっていたのだ。カメラの距離が頻繁に変わることもあり、一部のユーザーからは「3D酔い」してしまったという意見も挙がっていた。今回、「一部演出の省略」ができるように設定を見直すとされており、戦闘後の演出をスキップするかどうかをプレイヤーが選択できるようになるとみられる。

また、ユーザビリティの向上として、わかりにくい操作方法の表示や操作感の調整が挙げられた。錬金やハウジングに関して、操作方法やユーザーインターフェースが複雑との意見が挙がっていたことについての対応が中心とみられる。今作ではより自由度の高いゲームシステムの導入を試みていることもあり、どうしても操作が複雑化してしまっている側面もありそうだ。今後もう少し各種情報が把握しやすくなる調整がなされることに期待したい。

さらに、追加の最適化対応も順次おこなわれるとされており、こちらは主にSteam版での不安定なパフォーマンスに関する対応だとみられる。本作は幅広いプラットフォームで展開されていることもあり、最適化に向けた動きが難航しているという状況も考えられる。同社は近日中のアップデートで部分的に反映させたのち、段階的な対応をおこなっていくとしている。現在指摘されている事項について、完全に対応が完了するまでにはある程度の時間がかかるかもしれない。

今回、体験版によるフィードバックを素早く取り入れようとする同社の対応に対して、ユーザーからは称賛の声が上がっている。迅速な対応を検討してくれている同社に向けては、ほかにも修正してもらいたい点などが多数報告されているようだ。多くのユーザーから挙げられた意見は優先的に対応される可能性もあるため、気づいた点があれば運営に声を届けてみるとよいかもしれない。製品版の発売を間近に控えるなか、ユーザーの不満点がどのように改善されていくか引き続き注目したい。

『ユミアのアトリエ ～追憶の錬金術士と幻創の地～』は3月21日発売予定。対応プラットフォームはPS4/PS5/Nintendo Switch/Xbox One/Xbox Series X|S/PC（Steam）。現在、製品版にセーブデータを引き継げる無料体験版が配信中だ。