『モンスターハンターワイルズ』で「タコ足アイルー」が流行る。脳アイルーも

カプコンは2月28日、『モンスターハンターワイルズ』を発売した。対応プラットフォームはPC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S。本作に登場しているいくつかの「オトモ装備」がシュールであるとして、国内外で早速ネットミーム化の動きを見せている。なお本稿には本作中盤に登場する大型モンスターの名称などが含まれるため、留意されたい。
『モンスターハンターワイルズ』は、ハンティングアクションゲーム『モンスターハンター』シリーズ最新作だ。舞台となるのは、ギルドが調査したことのない未踏の領域「禁足地」。数年前に謎のモンスターに襲われ、保護された少年ナタの証言を手がかりに、プレイヤーは調査隊のハンターとしてこの地に足を踏み入れることになる。
本作は発売直後からユーザーの期待を大きく超える盛り上がりをみせ、発売からわずか3日間で全世界販売本数が800万本を突破した(関連記事)。そんな大盛況の中、現在XをはじめとするSNSでは「タコ足」や「脳」といったキーワードとともに、本作にまつわる謎のスクリーンショットやイラストなどが多数投稿され、ネットミームのような盛り上がりとなっている。そうした投稿では、実際にタコ足や剥き出しの脳入り水槽をもつ、モンスターじみた姿の生き物を確認可能だ。
こういった現象の元となっているのは、本作に登場するオトモ防具だ。ハンターと一緒に狩りに参加するオトモアイルーにも装備が存在し、ハンターのものと同様加工屋にて生産が可能。そして本作のオトモ防具には、ひと際奇妙な見た目の種類がいくつか存在している。今回特に注目されているのは、「ププロポル」の素材を用いた頭防具「ププロネコブレイン」や、「ヌ・エグドラ」の素材を用いた胴防具「エグドネコテンタクル」だ。


「ププロネコブレイン」は、水が張られたケースの中に浮く脳がデザインされている防具。有名な仮説「水槽の中の脳」を想起させるような見た目だ。また、「エグドネコテンタクル」はたくさんの触手が生えた防具で、それぞれの足は常にのたうち回っており非常に恐ろしい。単体でも強烈なインパクトを放っているが、これらの装備を組み合わせた場合が特に不気味。オトモの各部位が原型を留めておらず、もはやアイルーとしての面影は脳の形が猫耳シルエットであるところくらいだろう。着せたのはハンターにほかならないが、後ろをついてきて欲しくないとまで感じる様相だ。

こうした奇妙な防具をもとに、国内外のSNS上ではこれらオトモの装備がネットミームのような人気を博すことに。多数のスクリーンショット・動画・イラストが投稿され、防具という枠を越えて、一種のキャラのように扱われはじめている。前述の装備の組み合わせのほか、顔だけアイルーのままのタコ足オトモなども“人気”のようだ。
なお今回の「タコ足アイルー」ネットミーム化の背景には、アイルーの「人間らしさ」の上昇が理由の1つとしてあるとみられる。本作のオトモアイルーは過去作よりも柔軟なキャラクターメイクができることで有名だ(関連記事)。また本作からはデフォルト設定ではハンターたちと同じ言語を発話することが可能で、「アイルー語」以外の音声で話すのはシリーズ初となる。そのためムービーでの存在感もかなり増しており、調査団の仲間たちと自然に会話をするような場面も多々ある。元々は「一緒に戦ってくれるモンスター」であったオトモアイルーも、本作ではかなり“人格”を感じる存在に。そうした状況も相まって、“この世のものではない”ような見た目と「人間らしさ」とのギャップが不自然さを増大させ、おかしなオトモアイルーがシュールさから笑いを誘っている部分があるようだ。

ちなみに、『モンスターハンター』作品では過去にも、衝撃的なデザインのオトモ装備が登場してきた。たとえば、『モンスターハンターワールド』における『ウィッチャー』コラボ装備として、「ネッカーα」が実装された。この装備を身に着けたオトモアイルーは、『ウィッチャー』シリーズに登場する怪物「ネッカー」そのものとなる。またオトモアイルーに限らず、『モンスターハンター』作品では、ときに異様なほど個性のある装備デザインも採用されてきた。そうした遊び心も持ち味のひとつであり、今回のように一種のネットミームとなることでシリーズの人気に寄与している部分もあるのかもしれない。
『モンスターハンターワイルズ』はPC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S向けに発売中だ。