『Alan Wake 2』、売上200万本突破でついに「開発費」回収。開発元にもロイヤリティが入るように

Remedy Entertainmentは2月12日、『Alan Wake 2』の売上が200万本を突破したことを発表。これにより開発費が回収されたことも報告されている。

Remedy Entertainment(以下、Remedy)は2月12日、『Alan Wake 2』の売上が200万本を突破したことを発表。これにより開発費が回収されたことも報告されている。

『Alan Wake 2』は、2010年に発売され高い評価を得た『Alan Wake』の続編となるサバイバルホラーTPSだ。開発はRemedyが手がけ、Epic GamesのパブリッシングでPC(Epic Gamesストア)/PS5/Xbox Series X|S向けに2023年10月に発売された。


本作には前作の主人公である人気サスペンス作家アラン・ウェイクに加え、新たにFBI捜査官のサーガ・アンダーソンがプレイアブルキャラクターとして登場。闇の世界に囚われたアランと、現実の連続殺人事件を調査するサーガをそれぞれ操作し、相互に干渉する物語を追っていく。レビュー集積サイトMetacriticでは本稿執筆時点でメタスコア約89、ユーザースコア約8.5と高いスコアを獲得。The Game Awards 2023では、Best Game Directionなど3部門で受賞を果たすなど、高い評価を受けている作品だ。

今回Remedyは2024年第4四半期、ならびに2024年度の業績報告を実施。このなかでは『Alan Wake 2』の売上が200万本を突破したことが明かされ、マーケティング費用を含む開発費が回収されたことも伝えられた。Epic Gamesによるパブリッシング費用が回収されたことからか、2024年第4四半期には売上に対応するロイヤルティ収入(royalty income)を得られるようになったという。

発売後約1年をかけてついに開発・宣伝費が回収された『Alan Wake 2』。本作は2023年末には売上が100万本を突破し、昨年2月には130万本を突破。初動4か月間の売れ行きはRemedyの過去作『Control』の3倍であったことも伝えられていた。

そうして『Alan Wake 2』は大きな売上を見せていたものの、マーケティング費用を含む開発コストをすべて回収するほどは売れていなかったことがかねてより明かされていた(関連記事)。とはいえRemedyは当時、本作が高い評価を得ていることから長期的に売れ続けるという期待を示していた。今回、狙い通りセールスを伸ばしてついに開発・宣伝費の回収に至ったわけだ。昨年10月には『Alan Wake 2』に向けてDLC「THE LAKE HOUSE」が配信されるなどの新展開もあり、売上を底上げした格好だろう。

なお今回の業績発表のなかでRemedyは、今後同社がIPを所有するゲームについてセルフパブリッシングをおこなうと表明。開発が進められている『FBC: Firebreak』と『Control 2』についてもすでにセルフパブリッシングのための準備ができているという。

ちなみにRemedyは昨年8月にAnnapurna Interactive(以下、Annapurna)との戦略的パートナーシップを締結。Annapurnaからは『Control 2』の予算の50%の出資を受け、代わりにAnnapurna側は『Control』と『Alan Wake』の映画化・テレビドラマ化などの展開をおこなうパートナーシップだという。また9月にRemedyはテンセントからも出資を受けている。

高評価作品をさまざま手がけて実績を積んできたこともあり、新たな資金獲得にも繋がっているのだろう。大きな出資を受けつつ、今後は自社パブリッシングで新作を打ち出す方針に転換するようだ。業界での存在感を増しているRemedyの、創業30周年を迎える今年の動向も注視される。

Alan Wake 2』はPC(Epic Gamesストア)/PS5/Xbox Series X|S向けに発売中だ。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

記事本文: 2764