PS Storeでは「低品質ゲーム乱造業者」にひっそり対処中か。『モンスタハンターズ』や『出口 9』が消え、あるパブリッシャーの作品はほぼ消滅
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PlayStation Storeにて、アセットフリップなどで乱造されていたとみられる多数のゲームがひっそりと姿を消していることが報告されている。Eurogamerなどが報じている。
PS Storeを含め、各プラットフォームでは低品質なゲームを乱造する業者が一部存在。既成の素材やテンプレートに含まれる3Dモデルなどのアセットを、そのまま組み合わせるだけのアセットフリップで短期間に複数本のゲームを制作し、販売しているとみられる。そうした作品は基本的に低価格で販売されてきた。流行のジャンルが採用されることも多く、興味本位で買わせる狙いがあるのだろう。
一方で最近になって、乱造されていたとみられる低品質ゲームがPS Storeからひっそりと姿を消しているという。PSトロフィーのトラッキング情報やニュースなどを扱うサイトTrueTrophiesが報告している。同サイトのデータベースではPS Store上のゲームをパブリッシャーごとに確認可能。このうち、過去に低品質なゲームを乱造していたRandomSpin Gamesのほとんどの作品のストアページにアクセスできなくなっていることが確認できる。
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RandomSpin Gamesは毎月のようにゲームを打ち出しており、直近では『BACKROOMS: INSIDE THE ESCAPE』や『BODYCAM SHOOTER』などを発売。「バックルーム」を題材にしたホラーゲームや、ボディカメラ風視点のFPSといった話題性のあるジャンルの作品を、アセットフリップで乱造していたとみられる。しかしいずれも本稿執筆時点でストアページにアクセスできなくなっており、RandomSpin Gamesの過去の作品もほとんどがPS Storeから消えたようだ。
なおPS Storeではアセットフリップである上に、ゲームタイトルやキービジュアルを既存の人気作品やシリーズに似せた作品も散見された。たとえば『8番出口』によく似たゲーム『出口 9』がGaming Devなるメーカーから販売(関連記事)。NPCには、UE5向けデジタルヒューマン作成ツール「MetaHuman」に収録されているベースデザイン(Taro)がそのまま利用されているようであった。また通路内に配置されたオブジェクトなどは異なるものの、ゲームプレイの流れは『8番出口』と同じ。“『8番出口』のフォロワー作品”と呼ぶのも憚られるようなゲームであった。あまりに似ていることから波紋が広がり、『8番出口』の開発者コタケ氏も、同氏とは無関係のゲームであることを注意喚起していた。
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このほかPS Storeには『モンスターハンター』に似せたとみられる『Monster Hunters』なるゲームなども存在(関連記事)。同作を手がけていたMaksym Vysochanskyy trading as IndieGames3000(IndieGames3000)は、アセットフリップとみられる作品をさまざま展開してきたメーカーだ。
そうした事例も見るに、話題作に真似たゲームをアセットフリップで素早く発売し、興味を引いたり誤解を招いたりする手口もあったようだ。ただ『出口 9』も『Monster Hunters』も本稿執筆時点ではPS Storeのストアページが閉鎖されている。
人気ジャンルや話題作を模倣したゲームをアセットフリップで乱造する業者はPS Storeに限らずほかのプラットフォームにも存在。低品質なゲームを高い頻度でリリースするため、タイミングによってはそうした業者の作品がストアページ上の新着ゲームのラインナップに散見される状況もある。
PS Storeでも業者の存在は物議を醸してきたが、今回のRandomSpin Gamesの作品の削除などを見るにひっそりと対応が進められているようだ。とはいえ先述のGaming DevやIndieGames3000などの作品も含め、依然として販売されている乱造ゲームもある。PS Storeも含め、引き続き各プラットフォーマーのゲーム乱造業者への対処は注目されるところだろう