中世戦争ゲーム『Eyes of War』は多少采配で負けてても、“自分が出て行って暴れれば”なんとかなる。知力で攻略しようとするが結局腕力で敵をねじ伏せるストラテジーアクション

『Eyes of War』は中世風の世界で戦うリアルタイムストラテジーアクションゲームだ。最大4人のマルチプレイに対応している。本作には見下ろし視点のストラテジーモードと、兵士を直接操作して戦えるキャラクターモードが存在し、いつでも切り替えることが可能。

デベロッパーのGood Mood Gamesは『Eyes of War』を2025年1月31日に正式リリース予定だ。本作はPC(Steam)向けに早期アクセス配信しており、ゲーム内は日本語表示に対応している。

『Eyes of War』は中世風の世界で戦うリアルタイムストラテジーアクションゲームだ。最大4人のマルチプレイに対応している。本作には見下ろし視点のストラテジーモードと、兵士を直接操作して戦えるキャラクターモードが存在し、いつでも切り替えることが可能。プレイヤーは二つのモードを使い分け、城を建設したり戦闘を指揮したりしながら、敵勢力の撃破を目指す。

筆者は今回正式リリースに先がけ、本作の最新ベータバージョンをプレイする機会をいただいた。本稿ではそんな『Eyes of War』をプレイした感想を紹介する。なお筆者が体験したのは開発中のバージョンであり、現在配信中のバージョンあるいは正式リリース時のバージョンとは一部仕様が異なっている可能性があることをご了承いただきたい。

初見プレイで、なぜか縛る

本作には闘技場でバトルする「アリーナ」や野戦に特化した「バトル」など、複数のゲームモードが用意されている。今回は建築から戦闘まで、本作に用意されている要素がひと通り楽しめる「戦略」モードをプレイした感想をお届けする。

戦略モードは最大4人でプレイ可能で、2対2のチーム戦やバトルロイヤル形式など自由に設定が可能なモードだ。マップ内に存在する敵の城を破壊することが勝利条件となる。まずは小手調べということで、今回は2人対戦専用の小さめのマップRAPIDSを選択。AI勢力を相手に1対1形式での戦いをおこなうことにする。また難易度は「簡単」を選択した。

『Eyes of War』の特徴として、兵士を直接操作してアクションゲームのように戦える「キャラクターモード」が存在する。操作する兵士は自由に選ぶことができ、直接操作中のキャラは攻撃力や耐久力が1.5倍に増えるなど、能力値にボーナスが付く。さらに操作中の兵士がやられてしまっても、数秒のインターバルを置けば、また別の兵士を操作して戦うことが可能。至れり尽くせりの便利で強力なシステムである。

しかし謎の自信に満ちていた筆者は、最初のプレイではあえてキャラクターモードは使わず、ストラテジーモード一本でプレイすることにした。AIの難易度設定も初級にしたことだし、チュートリアルを見てみたところ、本作のストラテジー面のシステムには、特に変わったところは見受けられない。このバトルもチュートリアルの延長線のようなもので、自ら剣を振りまわすまでもないと高を括っていたわけだ。しかし結果から言えば、これが大きな間違いだった。

みごとに返り討ち

プレイを始めると、拠点となる本城のほかにはほぼ何もない、暗闇に満ちたマップが表示された。プレイヤーは始めから用意されている騎兵ユニットを使って未知のマップを探索しつつ、伐採所や採石所を建築して資源を集めていくことになる。RTSとしてはオーソドックスなスタイルと言える。

難易度簡単だし、序盤は平和に進むだろう…と考えていた筆者は、のんびり資源採取にいそしむことに。しかしその甘い期待は、かんたんに裏切られる。筆者からするとまだゲームは始まったばかりといったタイミングで、さっそく敵襲を受けたのだ。

しかも来襲した敵戦力は騎兵が10体以上という顔ぶれ。斥候や嫌がらせといったレベルを超えている。筆者がこの時点で生産できていた兵士は、弓兵がやっと数体のみだった。劣勢は明らかである。「AIは初級でもずいぶん効率良いプレイをしているんだなぁ」と思わず他人事のような感想が口から洩れるが、内心はパニック状態だ。

攻撃を受けた時点で城壁はまだ一部しかできておらず、とても防衛設備としての機能は果たせない状態。配備した弓兵は瞬く間に蹴散らされ、生産設備の労働者は虐殺の憂き目に。あっという間に勝ち筋を失った筆者は、なすすべもなく降伏した。

反省、そして再挑戦

早すぎる敗戦にしばらく呆然とした筆者は、反省点を2つ見出した。ひとつは、本作のAIはかなり内政が上手く、序盤からラッシュを仕掛けてくることもあるため、こちらも初動は全力を尽くすべきだということ。もうひとつは、初心者の分際で訳のわからない縛りプレイをするのはやめて、せっかく用意されているキャラクターモードを駆使して戦うべきということだ。

ふたたびプレイを始めてしばらくすると、味方拠点が攻撃されていると報告が入る。今回の敵軍は、弓兵主体の十数名の部隊で攻撃してきたらしい。こちら側の内政の手際はあまり進歩しておらず、今回も歩兵5体程度しか生産できていなかった。しかし初期配備されていた1体のみの騎兵を直接操作し、敵弓兵隊に切り込むと、瞬く間に5、6体の敵の撃破に成功。これで流れがこちらに傾き、首尾よく敵を全滅させることができた。

キャラクターモードの強さに驚いた筆者は気をよくし、そのままの勢いで敵陣に乗り込んだ。しかしそこで文字通りの壁にぶつかる。敵の城壁が固くて壊せないのだ。野戦ではかなりのアドバンテージを発揮したキャラクターモードだったが、施設への攻撃においては自操作のメリットがほとんどなく、シンプルに兵数と攻城兵器の有無が破壊力を決めるようだった。敵城を陥落させるには個の蛮勇ではなく、しっかりとした軍勢が必要なようだ。

キャラクターモードの操作中は内政の指示が出せないため、自陣の建築はなかなか滞っている。ようやくストラテジーモードに戻ってきた筆者は、遅れを取り戻すため建築に励み、資源の収集や技術の発展に努めることに。その後も敵軍は散発的に攻撃を仕掛けてくるも、キャラクターモードによる戦闘を駆使して撃退していく。

何度かの小競り合いを制しながら徴兵を続けた筆者はついに、歩兵・弓兵・騎兵・攻城兵器を織り交ぜた大軍の編成に成功。満を持して敵陣に侵攻することで、勝利を収めることができた。ストラテジー要素だけでは勝ち目が薄そうだったAI相手に、アクション要素を駆使することでリベンジを果たしたわけだ。難易度簡単ながら、かなりの達成感ある勝利だった。

以上が、戦略モードで初勝利を収めるまでの筆者のプレイとその感想である。印象をまとめると、本作は難易度・簡単でもAIの内政がなかなか上手く、初見の自分では対抗するのが難しいほどの軍勢を揃えてきていた。一方、仕様上AIには利用できないキャラクターモードは、プレイヤー専用のアドバンテージとして機能している。内政の遅れなど、采配の失策をアクションで奮戦することで取り戻せるというのは、本作ならではの魅力であるように感じた。

戦闘で頑張って、戦略面の不利を取り返していくのが好きな人や、ストラテジーゲームをプレイ中、現場の兵士がどう戦っているかつい想像してしまう人などには、ぜひオススメしたい作品だ。またマルチプレイにも対応しているため、フレンドなどと戦略や戦闘技術を競ってみるのも一興だろう。

『Eyes of War』はPC(Steam)向けに早期アクセス配信中。1月31日に正式リリース予定だ。ゲーム内は日本語表示に対応している。

Akihiro Sakurai
Akihiro Sakurai

気になったゲームは色々遊びますが、放っておくと延々とストラテジーゲームをやっています。でも一番好きなのはテンポの速い3Dアクションです

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