「ゲーム開発者の約80%がPC向けゲームを開発中」との年間調査レポート。前年からさらにグッと増える
Game Developers Conference(GDC)運営元は現地時間1月21日、ゲーム業界の調査レポート「2025 State of the Game Industry」を公開した。開発者などに向けたアンケート調査に基づく年間レポートであり、今年の調査結果ではPCゲームを手がける開発者が急増を見せたことが示されている。
GDCは、1988年から毎年開催されているゲーム開発者の国際会議だ。運営元はこれまでゲーム業界の年間調査として「State of the Game Industry」というレポートを作成してきた。今回は第13回目の調査レポートとして「2025 State of the Game Industry」が公開。市場調査会社Omdiaおよび海外メディアGame Developerとの提携で3000人以上の開発者や業界人に向けたアンケート調査が実施され、実施時点での過去1年間について訊くアンケートがおこなわれたそうだ。統計データとしての許容誤差は±2%とのこと。
今回のレポートではレイオフについての実態調査や(関連記事)、回答者の年齢や性自認についてのアンケート、生成AIの利用状況を訊く質問などの結果がまとめられている。そして昨年に引き続き、「現在携わっているプロジェクトがどのプラットフォームで開発されているか」の調査も実施された:
結果を見ると、PS5あるいはPS5 Pro向けの開発をおこなっている回答者が38%、Xbox Series X|Sが34%、Nintendo Switch向けの開発については20%という結果になった。また8%の回答者は、Nintendo Switch 2向けの開発をおこなっているという。そして注目すべきはPC向けの開発をおこなっている回答者の割合だ。なんと80%を占めている。比較として、昨年のレポートにおける同様のアンケート結果は以下のとおり:
コンソール機については同様の結果となっており、昨年のレポートでもNintendo Switchの後継機種、つまりNintendo Switch 2向けのゲーム開発を手がけていた回答者は8%であった(関連記事)。PC向けゲームの開発者は昨年も回答者のもっとも多くを占めていたものの、数値としては66%。業界内でPC向けのゲームを手がけるスタジオが大きく増加した可能性がうかがえる。
なおレポートにおけるアンケートは、複数回答可能な質問となっていたとみられる。そのため回答者のなかには、PCを含めたマルチプラットフォーム向けにゲームを開発している開発者も含まれるだろう。近年ではPlayStation Studios傘下スタジオも含め、大手各社がコンソールだけでなくPC向けの展開にも注力している様子がみられる。そうした傾向も今年のレポートにおけるPC向けゲーム開発者の割合を引き上げたのかもしれない。
またインディーゲームではまずはSteam向けにリリースし、パブリッシャーと共にコンソール向け展開を果たすといったケースも多い。今年のレポートでは回答者の21%が個人スタジオに所属していることが示されており、10人以下のスタジオに所属しているという回答者をまとめると42%。またスタジオのタイプとしては、インディースタジオが32%で、AAA級スタジオが次いで15%であった。独立系の小規模スタジオが業界の多くを占めている傾向もうかがえ、これもゲーム開発が特にPC向けに盛んにおこなわれているとみられる背景としてあるのだろう。
ちなみにこれまでには市場調査会社のレポートにて、セールス面でもPCゲーム業界は順調に成長を続けていることが示されたこともある(関連記事1、関連記事2)。そうした状況も、PC向けゲーム開発者の増加を後押ししているのかもしれない。