近未来SFメカアクションシューティングゲーム 『Mecha BREAK』“半年以上”かけたPvPvEモードの出来栄えや、パイロット視点の新モードについて訊いた。ロボットを楽しむ方法は戦いだけじゃない

Amazing Seasun Gamesはメカアクションシューティング『Mecha BREAK』の新たなトレーラーを公開。発売日が2025年春だと発表された。この度、開発チームにメールインタビューを実施した。

デベロッパーのAmazing Seasun Gamesは12月13日に行われたThe Game Awardsにて、メカアクションシューティング『Mecha BREAK』の新たなトレーラーを公開。トレーラーにて、発売日が2025年春だと発表された。 本作の対応プラットフォームは、PC(Steam)/コンソールとなっている。

『Mecha BREAK』は、近未来の世界を舞台にSFメカを操縦して戦うメカアクションシューティングゲームだ。本作にてプレイヤーは攻撃型・格闘型・狙撃型・支援型などさまざまな種類の機体「メカブレイク」を操縦する。マルチプレイでは、3vs3、もしくは6vs6での対戦、PvPvEなどの3つのモードを楽しむことができる。

トレーラーでは、パイロットの視点で格納庫を歩き回る機能や、ボスとの対戦や新兵器を使った戦闘を行えるPvPvEモードが公開されている。過去、弊誌ではオフライン体験会や先行限定βテスト、TGS2024のブースに参加するなど、本作の展開を都度追ってきた。そして、この度、本作の発売予定が決まったタイミングに合わせ開発チームにメールインタビューを実施。対戦モードではなく、パイロット視点で格納庫を歩き回るモードを作った意味や、これまで調整を重ねたPvPvEモードの内容などを訊いた。

――まずは、本作のリリースが2025年春に決まったとのこと、おめでとうございます。現在、開発はどのようなフェイズにありますか?

開発チーム:
これまでサポートいただきまして、ありがとうございます!現在は過去のテスト結果と、フィードバックに基づき、問題を一つずつ改善するため、最適化に取り組んでいます。プレイヤーの皆様に満足いただけるべく、全力を尽くしています。さらに、新たに公開されたトレーラーで公開されているように、格納庫巡回システムの開発がかなり形になりつつあります。より多くのプレイ要素や機能を取り入れる試みも進めており、驚きに満ちた体験をプレイヤーの皆様に提供できることを目指しています。

また、半年以上にわたる調整と最適化を経て、新しいPvPvEモードを間もなく実装します。これはゲーム内での3つ目のメインコンテンツとして、我々のチームがそのゲーム性と完成度の検証と調整に全力を注いでいます。近い将来、新バージョンのPvPvEを中心とした大規模なテストを再度実施する計画も進行中です。皆様のご参加を心よりお待ちしています。

――今年8月に行われた限定先行βテストは各国からプレイヤーが集まって盛況の様子を見せていました。こうした盛り上がりは開発にどのような影響を与えていますか?

開発チーム:
8月に実施されたOBTでは、世界中で参加したプレイヤー数は140万人を突破し、Steamのウィッシュリスト登録数も100万を超える予想を上回る成果を収めました。このテストを通じ、多くの熱心なプレイヤーから貴重なご意見や提案をいただきました。これを踏まえ、今後の開発ではこれらの意見を積極的に取り入れ、改良に努めてまいります。たとえば、多くのプレイヤーが関心を寄せている機体バランスの調整に取り組み、一部の機体が過度に強力であるといった問題を解決し、公平で安定した戦闘環境を提供することを目指しています。

さらに、8月のテストで多くの注目を集めた塗装システムは、今後の製品開発に新たな着想とインスピレーションを与えてくれました。「プレイヤーが求めるより深いカスタマイズのニーズとは何か?」、「機体やパイロットの外見のカスタマイズにどのような拡張性があるのか?」といった点について検討を進めています。このような強みや特徴をさらに拡大し、塗装システムをMBの大きな魅力の一つとして確立したいと考えています。

――10月はニューヨーク・コミコン(以下、NYCC)にも出展していましたが、欧米ユーザーはどのような反応をしていたのでしょう?

開発チーム:
NYCCの会場では、ゲームの試遊セッションとカスタム塗装体験エリアを用意しました。欧米のプレイヤーからは非常に高い熱意が見られ、体験エリアはほぼ常に満席状態でした。

会場で回収した試遊アンケートでは、90%以上のプレイヤーが「本作を他人に推薦したい」と答えており、この結果に私たちは大変感激しています。また、カスタム塗装エリアでは、プレイヤーたちから機体のデザインやカスタマイズオプションの多様性について高い評価をいただき、一部のプレイヤーからは「『Mecha BREAK』のブースが会場で最もクールな展示エリアだ」と称賛されました。今後のテスト体験においても、その期待を裏切ることなく、引き続き「最もクール」な体験を提供できるよう努めたいと思います。

TGS2024でもプレイヤーに好評だったスーツ姿のパイロットのコスプレイベントもNYCCで継続され、ニューヨークのメディアから「NYCC2024のベストコスプレ」の一つとして取り上げられました。これもまた、非常に光栄な出来事です。

――再登場したPvPvEモードは、以前のものとはどのように違うのでしょう?

開発チーム:
旧バージョンのPvPvEモードでは、ゲームメカニクスを「バトルロイヤル」スタイルに設定していました。しかし、1ゲームあたりの報酬やゲーム内のバランス調整など、多くの面で完全に両立させることが難しく、プレイヤーから多数のフィードバックをいただきました。そのフィードバックをもとに、調整と最適化し、広大なマップの活用度と戦闘のテンポ感を重視して改良を進めました。

今回公開されたトレーラーの中では、複数の拠点を舞台にしたPvEでの戦闘シーンや、プレイヤー同士の戦闘にNPCが突然介入し、最終的に混戦を引き起こす場面が登場しています。このように、PvPvEモードでは、マップ内の目標物やNPCの多様性を活用し、戦場にさらなるランダム性と対立の緊張感を加えたいと考えています。プレイヤーが広大な戦場で常に警戒を怠らず、リアルな緊張感を味わえる環境を作り出すことを目指しているのです。

さらに、さまざまな武器やインタラクト可能なアイテムの機能にも大幅な調整を加え、新しいPvPvEマップ上で、すべての機体タイプがその強みを発揮できる場を見つけられるようにしました。

――今回のトレイラーで初登場した兵装付きホバークラフト、かっこいいです。ゲーム内のどういったときに使う兵器なのでしょうか。

開発チーム:
これは、新バージョンのPvPvEモードで慎重に設計したまったく新たな仕組みとなります。プレイヤーは、武装された乗物を操縦するNPCを撃破するか、「空中投下」というシステムを利用することで、自由に操作可能な武装された乗り物を入手できます。

広大なマップでの機体移動を支援する強力な機動力を提供することを目指して、この仕組みを設計しました。設計の中で、乗り物の滞空能力を活かし、プレイヤーやそのチームにさらなる戦術的なアドバンテージを与えるように工夫しました。その結果、これらの武装された乗り物は戦場で重要なリソースとなります。

さらに、乗り物の武装タイプを多様化させ、遠距離狙撃兵装、ガトリング砲、近接装備などを含むさまざまなラインナップを用意しました。この仕組みにより、乗り物が一部の機体の弱点を補完し、異なる機体間の駆け引きに影響を与えられるようになりました。これらは、プレイヤーにとってよりスムーズで満足度の高い戦闘体験を提供することを目指しています。

――トレイラーにて、いかにも強力そうなボスと戦っている映像が公開されていました。このボスはどういった機体なのでしょうか、こだわりポイントなど教えてください。

開発チーム:
過去のテストに参加したプレイヤーであれば、きっと彼を覚えていることでしょう!そうです、チュートリアルの最後に登場した巨大な二足機兵ボス「マカルー」です。新バージョンのPvPvEモードでは、戦場に稀に出現するボス級機体として登場します。

その圧倒的な巨体に見合った強力な火力を持つ必要があるため、肩部と胸部に複数のスプリッター照射砲を新たに装備しました。これにより、周囲全方向に破壊的な重イオンビームを発射できる設計となっています。背部装甲にあるミサイルポッドからの火力も組み合わせ、マカルーは短時間で戦場全体を壊滅させるほどの圧倒的な攻撃を繰り出せるのです。

加えて、戦場全体を掌握する能力をさらに強化させ、頭部の視覚センサーをクモのような複眼式アレイセンサーにデザインしました。また、手部の新装備として、大型で野性的なヒートクロウを搭載。この外見デザインにより、プレイヤーに直感的で圧倒的な「脅威感」を与えることを狙っています。新バージョンのPvPvEモードで彼と対峙する際には、プレイヤーにとって十分に刺激的で、戦術的な楽しさがある戦闘体験を提供できることを願っています!

――ボスをPvPvEモードで倒すとどういったメリットが得られるのでしょうか。また、ボスと戦う時のアドバイスをお願いします!

開発チーム:
戦闘内で得られる大量のポイントに加えて、機体の部品や塗料など、より希少な戦闘外リソースを獲得できるチャンスがあります。さらに詳細な報酬情報については、プレイヤーの皆さん自身でゲーム内を探しながら確認していただければと思います。

トレーラーの内容からもわかる通り、ボスのいるロケーションは非常に複雑になっています。ボスは低地に位置しているものの、密集した火力のカバー範囲によって、プレイヤーの機体に対して効果的な脅威を与えます。また、周囲の建物群には各種の砲台や拠点NPCが配置されており、これらが戦闘に干渉し、プレイヤーにとって非常に挑戦的な戦場となっています。

プレイヤーへのアドバイスとしては、武装された乗り物の機能を十分に活用し、ボスを引き離してみたりすることで、ボスの弱点や攻撃のリズムを見つけ、突破口を開けるかもしれません。もちろん、プレイヤーの皆さんが独自の創造的な戦術を展開することを私たちは非常に楽しみにしています。そして、制作チームに対して、より素晴らしいキル戦略を披露していただけることを期待しています。

――今回のトレイラーにも登場した格納庫を自由に歩き回れる機能ですが、ゲーム内ではどういった役割を果たすのでしょうか?

開発チーム:
格納庫巡回機能を作り上げる主な目的は、プレイヤーが「パイロットとして」自分専用の機体を所有し、それをカスタマイズするという体験を提供することにあります。これにより、プレイヤーが没入感のある世界観を存分に楽しめるようにしたいと考えています。

以前のインタビューで「ロボットゲームにおいて世界観の構築はどれほど重要か?」という質問を受けた際、その具体的な答えの一つとして挙げたのが、この格納庫巡回機能です。私たちは、プレイヤーがパイロットの視点から自由に各種機能エリアを探索し、NPCとの会話対話やアイテムの配置といった細かいディテールを通じて、格納庫を象徴とする基地の魅力を感じてもらえることを目指しています。このようにして、プレイヤーが『Mecha BREAK』の世界により深く没入し、楽しめる体験を提供したいと考えています。

――格納庫では、パイロット視点で機体をじっくり眺めることができますが、開発スタッフの魅せ方のこだわりなどはあるのでしょうか。

開発チーム:
格納庫巡回機能の開発初期から、どのような視点で機体の魅力を表現するべきかを考え続けてきました。そのため、チームメンバーは過去のさまざまなロボット作品に登場する格納庫の名シーンを調査・参考にし、私たち独自の機体に対する深い理解を基に、細部にわたる試行と最適化を繰り返しました。

たとえば、ケーブル接続部のデザインやケーブルの自然な垂れ具合、機体の立ち姿勢や頭部の上げ具合、整備室内の運搬装置やスタッフNPCの動線、カメラアングルと光の使い方など、多くの細部にこだわりました。これらすべてを通じて、本作の機体を愛するプレイヤーの皆様に満足していただける体験を目指しています。最終的にリリースされる格納庫巡回機能に、ぜひご期待ください。

――10月に公開されたトレイラーでは、格納庫だけでなく、食堂や射撃訓練場、バーなどを歩き回っており、驚きました。これから『Mecha BREAK』はメカだけに留まらず、パイロットにもフォーカスが当たっていくということなのでしょうか。

開発チーム:
その答えは間違いなく「イエス」です。『Mecha BREAK』のプロジェクトが始動した当初から、開発チームの目標は単に機体同士の戦闘を描くことにとどまらず、プレイヤーが「パイロットとして実際に機体を操縦する」というリアルな体験を提供することにありました。そのため、リアルな戦場体験の構築に注力する一方で、パイロットキャラクターの表現力にも開発の重点を置いています。

前述の世界観への没入感を高める格納庫巡回機能に加え、今後はキャラクターカスタマイズ機能のさらなる強化も計画しています。これにより、機体とパイロットという2つの側面から、プレイヤーに高い自由度と没入感のあるゲーム体験を提供したいと考えています。

――今後のプレイテストの予定はありますでしょうか?    

開発チーム:
私たちは、来年の正式リリース前に、新バージョンのPvPvEモードを中心とした大規模な公開テストを再度実施する予定です。プレイヤーの皆さんは、Steamのストアページでウィッシュリストに追加したり、公式SNSをフォローして今後のアナウンスをチェックしていただければと思います。

――ありがとうございました。

MechaBREAK』 はPC(Steam)/コンソール向けに2025年リリース予定だ。

Tamio Kimura
Tamio Kimura

エンタメ大好き系ゲーマー。COOPゲームが大好き、クライム系だったらなおよし。

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