HK TEN TREE LIMITEDは、メカシミュレーションRPG『鋼嵐 – メタルストーム』を、基本無料にて配信開始した。対応プラットフォームはPC(公式サイト)/iOS/Android。また、PC(Steam)版は10月30日配信予定となっている。

本作は、二足型メカ同士の戦闘が繰り広げられるターン制のシミュレーションRPG。舞台となるのは機械工学に大きな発展をもたらした物質「シエラム元素」が発見された植民島、ミハマ島。シエラム元素をもととした素材「シエラム合金」によってさらに機械工学が進化し、二足型メカ「ST」が開発された。
シエラム合金によって発展を遂げたミハマ島だったが、各勢力がシエラム元素を巡り、数少ない資源を争う激戦地と化してしまう。プレイヤーは主人公「カイ・ニューマン」として、仲間、そしてカスタマイズ可能なメカ、STと共にミハマ島での戦いに身を投じることとなる。


本作はメカゲーとして、パーツからカスタマイズ可能なメカを作り上げられるということを魅力として持っているゲーム。「メカゲーやるならメカいじらなきゃ」というメカいじり大好きプレイヤー(筆者含む)としては、どれほどメカがカスタマイズできるのか、そしてカスタマイズしたメカが、どれほどゲーム内で活躍するのかは気になるところだろう。安心してほしい。本作のメカカスタマイズはかなり自由かつ、複数組み上げてチームを組むことができる。つまり、「俺のメカオールスターチーム」を作り上げることができるのだ。そしてそのチームは、もちろん大活躍する。


作りたい機体をつくれ

本作に登場するメカ、STは「頭部」「右腕」「左腕」「足」の4パーツを自由に組み換え可能。それぞれのパーツには耐久度があり、戦闘でパーツが破壊されると、さまざまなデメリットを負うこととなる。特に頭部は耐久度こそ高いものの、破壊されると即時STが戦闘不能となるので、できるだけ頑丈にしたいところ。加えて、耐久度の高いパーツや強力な武器も積み込みたいところだが、ここで立ちはだかるのがSTの重量制限だ。

STの頭部パーツには、搭載力というステータスが存在。これは、STがどれだけの重さのパーツを積み込めるかを決定するステータスとなっている。そして、STのパーツや武器にはそれぞれ重さがあり、ステータスが高いものほど重くなるようにできている。なので、基本的には搭載力が高いほうが、強い装備を持てる。が、搭載力が高いパーツは、少し全体的なステータスが落ちるものが多い。ここがカスタマイズにおける悩ましポイントだ。

搭載力を上げることで能力を特化させるか、もしくは攻守バランスの良い機体を作り出すか、防御力の高いタンク型のSTを作るか……。制限に頭を悩ませながらも、いろんなパーツをトライ&エラーを繰り返す。それを経て完成させたマイSTには、かなり愛着が湧いてしまう。そして、本作は5体1部隊のチームとして、ミッションを行うため、5体分のSTのカスタマイズをすることになるのだ。それによりさらにメカカスタマイズに幅が生まれだす。

両手に銃を持つなんてカスタマイズだってできてしまう。


たとえば、能力特化型のSTを作ったのであれば、それを守るようにタンク型のSTを作りカバーし合う戦術が取れる。もしくは、ステータスのバランスがいい機体を5体作り出し、安定力で地道に勝利を運ぶことだって可能。もちろん、すべてを能力特化型のSTにして、個々で大暴れするような戦い方だってできるのだ。自分の作りたい機体を作り上げ、それをカバーする形でチームを作るか、もしくは理想の戦術を描きあげそれに沿うようにSTを作っていくか、どちらにしてもいっぱいメカがいじれるので、メカカスタマイズ好きな人にとってはたまらない要素だろう。

ジョブ特性を理解するとさらに良いチームに

理想のSTチームを作り上げるのに重要なのは、ST本体だけではない。STに乗り込む操縦士たちも重要だ。本作に登場するSTの操縦士たちは、それぞれジョブと、APというポイントを消費して使える特殊アクションを保有している。例えば、本作の主人公のカイのジョブは「格闘家」。近接攻撃を得意とし、APを消費すれば腕パーツを狙って部位破壊が可能。


さらにこの格闘家、育てれば部位破壊をするともう1回攻撃が可能になる能力を取得できる。なので、部位破壊に成功すれば、連続攻撃でさらに敵STに強烈なダメージを与えることができるのだ。腕パーツは部位破壊されると、命中力が大きく下がるので、被弾率も減らすことができる。格闘家の操縦士はまさしく最前線で戦うバーサーカー的なジョブだ。

しかし、この格闘家、1体に対してはかなり強いが、複数体のSTに囲まれてしまうと、範囲攻撃もないため太刀打ちができない。そういった時は「守護者」の操縦士にサポートに入ってもらおう。守護者はAPを消費するとガードスキルが発動可能。このガードスキルが発動している間、守護者のSTは近くにいる敵の攻撃を肩代わりしてくれるのだ。これで敵に囲まれても部位破壊されずに、戦闘が継続できる。


そしてもし、格闘家がダメージを食らったのであれば、一旦下がって「整備士」の補助を受けるとよいだろう。整備士はAPを消費して味方STの修理が可能。部位破壊されたパーツも回復されるので、厳しい戦闘時には非常に役に立つ。

このようにそれぞれのジョブ特性を理解して戦闘を進めることで、さらにチームプレイに磨きがかかり、理想のSTチームへとなるわけだ。このAPシステムとジョブ特性を理解していくと、ゲームがかなり戦略的になっていく。なかには特定のパーツに弱点を持つ巨大ボスや、システムをうまく理解しきらないと攻略できないような高難易度ミッションなんかも出てくるのだが、その分クリアしたときの達成感はひとしおだ。

また、操縦士の組み合わせは自由かつ、操縦士ごとに能力や固有スキルも異なるため、さまざまな戦闘を試すことができる。守護者を増やして戦闘に対する継続力をあげたり、整備士を増やしてバックラインを強化したり……。チームの足りてないところを補助するか、伸ばしたいところを増強するかはプレイヤー次第だ。

中にはエースパイロット級の能力を持つ操縦士も存在


塗装で寄せ集めチームから1つの部隊に

ST、操縦士を揃えて、ミッションを進めてチームプレイに磨きをかけていくと、自然とチーム全体に愛着が湧いてくるはず。そういったときは本作の塗装要素を使ってその愛着を確かなものにしておきたい。本作の塗装要素はかなり細かくできており、豊富なカラーバリエーションから機体を染め上げることができる。その設定位置も細かく、1ラインだけ派手色にして、あとのパーツは白、なんていうおしゃれな塗り方も可能だ。

本作に登場するSTの元塗装は、操縦士の個性が活かされておりかなり印象的なモノが多い。それはそれでかっこいいのだが、いざチームになるとそれぞれの色味がちぐはぐでどうしても寄せ集めチーム感が漂ってしまう。せっかくチームに愛着が湧いたのであれば、この自由な塗装機能を使って、チームカラーを決めたり、塗装を合わせたりすればもっと連帯感が出てくるはずだ。メタリックや光沢、くすんだ色味も出すことができるので、フレッシュなイメージだったら、光沢を使ってSTを新品風に。熟練感を出したいなら、渋めの色合いに……。自分が思い描いたチームのイメージをSTにぶつけるような思いで塗装してほしい。


さらに本作はSTにワンポイント、エンブレムを貼り付けることが可能だ。これをチームのSTに貼り付けてみれば、寄せ集め感はなくなり、1つの部隊に見えてくるはず。塗装の色やエンブレムはゲームを進めれば進めるほど新たなものが手に入るため、理想の色やかっこいいエンブレムでSTを彩りたいという原動力で更にゲームをすすめるのが楽しくなっていく。そうしてさらに理想の塗装ができるようになったころには、寄せ集めメカ集団から孤高の部隊へと変化しているだろう。

楽しみ方多いのでPC推奨

以上のことから、本作は自分の思い描いたかたちのメカチームを作ることができる作品となっており、その幅もかなり広いということがわかるだろう。筆者はメカカスタマイズがとにかく好きで、パーツから厳選してじっくりと細かな数字とにらめっこして強いSTを作り上げていくのがとにかく楽しかった。その反面、色彩センスがあまりないと自負する筆者は、塗装に苦手意識があり、シンプルめな塗装を好んでいる。しかし本作は大まかな部位のパターンを塗装する設定もあったので、簡単にさまざまなパターンのかっこいい塗装ができるという部分もお気に入りだった。

そして、作り上げた自分のチームが戦闘で活躍するのがとにかく心地よく、そこが筆者として一番の魅力と感じた部分だった。また、カスタマイズしたSTはムービーにも登場。筆者はPC版でプレイしたのだが、そのムービーのハイクオリティさにとにかく驚いたし、シンプルに「カッコいい」の一言だ。


手軽にミッションを回すことのできるスマホ版も魅力的だが、本作は作ったSTをじっくり眺めたり、ムービーを楽しんでいる時間も多いので、筆者としてはPC版を推奨したい。もちろん、クロスプレイ・クロスセーブにも対応しているので、遊び方に応じてデバイスを使い分けることも可能だ。各々好きなやり方、好きな楽しみ方で理想のメカチームを作り上げてほしい。

鋼嵐 – メタルストーム』は、PC(公式サイト)/iOS/Android向けに基本無料にて配信中。PC(Steam)版は10月30日配信予定だ。