Nintendo Switch『サンバDEアミーゴ:パーティーセントラル』はダイエットになりえるか。消費カロリーを計測してみた
セガは8月30日、サンバリズムゲーム『サンバDEアミーゴ:パーティーセントラル』を発売した。本作はノリのいいダンスがテーマのリズムゲーム『サンバDEアミーゴ』シリーズの15年ぶりの完全新作だ。Nintendo SwitchのJoy-Conをマラカスに見立て、画面中央から飛んでくる「リズムダマ」に合わせてシェイク。画面の指示にあわせてポーズを取ったり踊ったりと、ノリノリでリズムゲームが楽しめるタイトルだ。
ところで読者の皆様は、運動はお好きだろうか。筆者はこのところ、エアコンの効いた屋内で座りっぱなしの生活を送っている。のっぴきならない理由がなければ外出はしたくないし、エクササイズを目的としたゲームはあまり長続きしないほうだ。まれに続いたとしても、何らかのきっかけで継続が途絶えると途端にやらなくなってしまうタイプである。
そんな運動不足の擬人化のような筆者だが、ひょんなことから弊誌編集長に指令を受けた。『サンバDEアミーゴ』新作でカロリー消費を計測してみたい、と。本作は筆者が数多に挫折してきたエクササイズゲームではなく、曲に合わせて踊ることを楽しむリズムゲームだ。幼い頃にアーケードで遊んだこともある。ノリノリで遊ぶついでに運動までできるかもしれないと、二つ返事で先んじて本作を遊ぶ機会をいただいたというわけである。
計測にはスマートウォッチ「CAVOSMART」を使用した。アプリを通じてリアルタイムに消費カロリーを表示させ、曲ごとの消費カロリーを計測しようというわけだ。さて、運動不足の身体に本作はどれほど効くのだろう。真夏の居間にて、筆者はダンスに挑むことにした。
本作の遊び方は単純明快だ。 Nintendo SwitchのJoy-Conをマラカスのようにシェイクし、画面中央から流れてくるリズムダマに合わせて身体を動かす。指示は簡潔でわかりやすく、直感的にJoy-Conを振るだけで楽しくノリノリになれる。Nintendo Directで公開された、上記の動画がわかりやすいだろう。
リズムゲームの最中には、予測不能なミッション「ハプニング」が発生する。リズムダマの大きさが変わったり、曲のテンポが速くなったり遅くなったり、連続でポーズを取ることを要求されたりと、ハプニングによってダンスはかなり忙しくなる。ハプニングの内容によってはカロリー消費も期待できそうだ。
本作の難易度は「NORMAL」「HARD」「SUPER HARD」「CRAZY」の4段階。順番にリズムゲームの難易度が上がっていくわけではなく、「CRAZY」モードは身体を動かすアクションが多めに設定されている。エクササイズ目的で本作を遊ぶなら、最終的には「CRAZY」を目指すように身体を慣らしていくのがよさそうだ。
まずはチュートリアルの「Azukita」を踊ってみた。手始めなので難易度はNORMALでスタート。ほどよく腕を回し、身体を動かし、ポーズを取る動きは、準備体操にちょうどよい。ハプニングでたくさんポーズを取ることになったためか、消費カロリーは多めの17kcalであった。
続いてサンバの名曲「La Bamba」、セガが誇る『龍が如く』シリーズでおなじみの「ばかみたい」にチャレンジ。いずれの曲も難易度はHARDとSUPER HARDを遊んだが、消費カロリーは1曲あたり10~15kcal程度となった。
筆者が一番楽しく踊った楽曲はダウンロードコンテンツ“ジャパンカルチャー ミュージックパック”に収録されている「マツケンサンバⅡ」である。金ピカの和装を身にまとった松平健氏が歌い踊る、2004年にリリースされてから世代問わず愛される名曲である。専門家いわく「サンバ」の特徴とはやや異なる曲だそうだが、『サンバDEアミーゴ:パーティーセントラル』に収録されているのだから、紛れもなくサンバ楽曲であろう。
「マツケンサンバⅡ」独特の高揚感あふれる音楽は、マラカスを振りながら踊るのにぴったりだ。企画の趣旨からいろいろな曲で遊ぶべきなのも忘れ、筆者はついつい踊り明かしてしまった。消費カロリーも高めで、HARDで15kcal、SUPER HARDで18kcalを消費した。叩けボンゴ、響けサンバ、燃やせカロリー、といったところか。本作を遊ぶなら外せない楽曲である。楽しさの面でも、カロリー消費の面でもかなりおすすめだ。
身体も慣れてきたところで、難易度「CRAZY」に挑戦することにした。遊んだ楽曲は「マツケンサンバⅡ」「La Bamba」「Karma Chameleon」の3楽曲だ。いずれも譜面自体の難易度はSUPER HARDと比べてそれほど跳ね上がっているわけではないが、とにかく身体を動かす指示が多かった。拳を振り上げたり、腕を回したり、ポーズを取ったりと楽曲中はずっと忙しく動き回らなければならない。
カロリー消費量は「マツケンサンバⅡ」が13kcal、「La Bamba」が12kcal、「Karma Chameleon」が11kcalほど。意外にもSUPER HARDまでとそれほど変わらない数字だったのだが、心拍数の増加が顕著に現れていた。それまでのゲームでの心拍数は100~110程度だったのだが、「CRAZY」モードを遊んだところ、120台まで上昇。体感でも、身体への負荷は「CRAZY」の方がずっと高く感じられた。へとへとになった度が全く違ったのだ。
また、エクササイズをするならば2Pプレイのミニゲーム「プチリズムゲーム」もおすすめだ。Joy-Conが2セット必要となるが、本作のリズムゲームの身体を動かす指示の部分だけがぎゅっと詰め込まれており、最終的には腕を思い切り振って走ることなども要求される。
筆者が遊んでみたところ、1回のミニゲームで消費したカロリーは10kcalほど。リズムゲームよりも少ないが、実際のプレイ時間はリズムゲームよりも短いのだ。音ゲーというよりもエクササイズゲームに近いプレイ感なので、運動している感もひとしおであった。
1時間強の時間身体を動かし、ノリノリで踊ってみたところ、累計のカロリー消費量は160kcalほどだった。ランニングやエアロバイクによる消費カロリーが1時間で400~500kcalほどと考えると、エクササイズ目的としては軽い運動量である。しかし、筆者は生粋の運動不足。1時間マラカスを振り続けたことにより、翌日は上腕の筋肉痛に苛まれることとなった。運動不足の人間が運動をするための筋肉をつける、「筋トレのためのトレーニング」にはちょうどいい塩梅なのではないかと考える。
また、ちょっとした運動目当てで本作を遊ぶなら、身体の動かし方を意識することが重要だと感じた。本作はJoy-Conの動きや角度を検知して判定をおこなっている。極端に効率を求めるならば、あまり身体を動かすのではなく、手首だけを小さく動かしてハイスコアを狙うこともできるだろう。しかし、エクササイズ目的なら大げさにノリノリで身体を動かす方がいい。何より、音楽に合わせて身体を動かすほうが楽しいからだ。
また、ゲーム中にどんな「ハプニング」が発生するかによっても消費カロリーは変わってくる。リズムダマのサイズが変わるようなハプニングなら、消費カロリーにそこまで影響がないだろう。しかし、ポーズを連続して取るミッションや、曲のテンポアップなどが選ばれると途端にカロリー消費量は上昇する。こればかりは運なので、どんなハプニングが起こっても楽しむ気持ちでゲームに臨むのが良いだろう。
『サンバDEアミーゴ:パーティーセントラル』により、筆者の運動不足は多少改善された……もとい、される見込みができた。運動不足を改善するために必要な筋肉を取り戻すことができたからだ。運動不足が目立ち、筋トレするための筋肉がないと悩む読者がいらっしゃれば、ぜひ本作をおすすめしたい。軽めだが全身を動かすことができるし、何より音楽に合わせて踊るのはとても楽しいからだ。
『サンバDEアミーゴ:パーティーセントラル』はNintendo Switch向けに、8月30日より発売中だ。遊ぶ際は水分補給と適度な休憩も忘れずにおこないたい。
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