スクエニ大作アクションRPG『フォースポークン』開発費が130億円以上であったと脚本担当者が漏らす。非公式にポロッと

『FORSPOKEN(フォースポークン)』の開発費が、1億ドル(約130億円)以上であった可能性が開発関係者により示唆された。海外メディアVG247が報じている。

FORSPOKEN(フォースポークン)』の開発費が、1億ドル(約130億円)以上であった可能性が開発関係者により示唆された。海外メディアVG247が報じている。


『フォースポークン』は、オープンワールドARPGだ。『ファイナルファンタジーXV』の開発スタッフが中心となって設立されたLuminous Productionsが手がけ、スクウェア・エニックスが販売を担当している。現代に生きる主人公フレイ・ホーランドが、アーシアと呼ばれる魔法が存在する異世界に迷い込み、元いた世界に戻る方法を探すため、意志をもつブレスレットのカフと共に冒険する。アクロバティックなパルクールでオープンワールド世界を高速で駆けたり、多種多様な攻撃を駆使するモンスターとバトルしたりと、魔法を使ったアクションが特徴である。

本作にはLuminous Productionsが自社開発するLuminous Engineがゲームエンジンとして採用。次世代の大作ARPGとして期待を寄せられていた。一方で1月24日(PC版は1月25日)の発売後には、ユーザーの評価が賛否分かれる結果に。パルクールやバトルアクションなどは一定の評価を受ける一方で、パフォーマンス面の問題やコンテンツ密度については不評も寄せられた。Steamにおける現在のユーザーレビューは、3314件中59%が好評とするに留まる「賛否両論」ステータスとなっている。

今回、本作の開発に携わった人物が、ビジネス向けSNSであるLinkedInにて本作の開発費が1億ドル以上であったと語っている。その人物というのが、本作のリードライターを務めたAllison Rymer氏だ。LinkedInでは、ユーザーが自分の経歴や実績を記載したプロフィールを作成し、ビジネス上の繋がりを広げることが可能。Rymer氏は自身のプロフィールに、Luminous Productionsとの契約で本作に携わったことを記載している。

*TwitterユーザーTimur222氏による、Rymer氏のLinkedInページのスクリーンショット

Rymer氏は『フォースポークン』を、ファンタジー系のAAA(大規模開発)ゲームと説明。リードライターとして、DLCを含めた脚本などに携わったとしている。世界観やキャラクターのほか、ゲームプレイの構想にも関わったとのこと。そして同氏は説明において、本作の開発費が1億ドル以上($100,000,000+ budget)であったと記しているのだ。

ただ、1億ドル以上という本作の開発費は公式に明かされた情報ではない点には留意したい。Rymer氏は当時契約に基づいて本作に携わったリードライターであり、現在Luminous Productionsとは無関係の人物である。

ゲームの開発費については、基本的には公表されない。一方でスタッフへのインタビューなどで概算が示されることはあった。たとえばEidos-Montréalの責任者であるDavid Anfossi氏は2018年に、同スタジオの手がけた『シャドウ オブ ザ トゥームレイダー』をはじめとするAAAゲームの開発費が、7500万ドル~1億ドルであることを明かしている(GamesIndustry.biz)。ただスタジオによって開発費の基準が違うこともあるし、Rymer氏の明かした『フォースポークン』の開発費は非公式情報でもある。あくまで参考程度にすべきだろう。


なお今年2月に開催されたスクウェア・エニックス・ホールディングスの2023年3月期第3四半期決算説明会においては、代表取締役社長を務める松田洋祐氏が本作に言及していた(資料PDF)。まず同氏は、発売直後の見解として本作は評価も販売も苦戦していると明言。一方でアクション面では高い評価も得ており、今後のゲーム開発に繋がる相応の成果も得られたとしていた。また質疑応答で「『フォースポークン』の第4四半期業績への影響は」と聞かれた同氏は、発売して間もないため、今後のプロモーション施策などを受けた販売動向次第である旨を返答している(関連記事)。

本作開発元Luminous Productionsは今年5月1日付で、スクウェア・エニックスに吸収合併されることが伝えられている(関連記事)。合併の発表時にLuminous Productionsは、スクウェア・エニックスとの合併へと向かいつつも、本作のアップデートや改善に取り組む姿勢を強調。3月10日には多岐にわたる修正やパフォーマンス改善を盛り込んだアップデートが配信されたほか、夏にはDLCのリリースが控えている(関連記事)。光る部分もあるとされる作品であり、改善への取り組みが続けば、賛否分かれる評価の向上や売上に繋がっていく可能性もあるだろう。

FORSPOKEN(フォースポークン)』は、PC(Steam/Epic Gamesストア/Microsoft Store)/PS5向けに販売中だ。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

Articles: 2524