“大阪・日本橋”舞台のメイド喫茶運営RPG『電気街の喫茶店』開発者ミニインタビュー。オタクたちが好きなものを詰め込んだ日本橋

『電気街の喫茶店(Maid Cafe at Electric Street)』という作品が、上海の開発チーム冒険者酒館により制作されている。なぜ彼らは日本橋を舞台に選んだのだろう。直接話を伺ってきた。

電気街の喫茶店(Maid Cafe at Electric Street)』という作品が、上海の開発チーム冒険者酒館により制作されている。同作は大阪・日本橋を舞台にした、メイド喫茶を運営するRPGだ。主人公は、ブラック企業から退職したばかりの人物。ちょっとしたきっかけからメイド喫茶に関わることになり、メイド喫茶の運営やメイドたちとの日常が、可愛らしいドット絵によって彩られていく。ところで、日本のオタク文化の中心地といえば、未だ秋葉原のイメージが強い。本作では秋葉原ではなく、大阪・日本橋が舞台となっているが、なぜ彼らは日本橋を舞台に選んだのだろうか。2022年8月6日と7日に開催された「BitSummit X-Roads」にて、直接話を伺ってきたので、本稿ではその内容をお伝えしよう。

──自己紹介をお願いします。

劉博文氏:
中国・上海で活動する冒険者酒館の代表の劉博文です。冒険者酒館はインディー開発チームで、昼はゲーム開発をしています。また夜になるとゲームの開発資金を一部調達するため、夜は場所をお客さん向けにゲームバーもやっています。それと僕自身は、横浜出身の中国人です。日本で育ち、11歳ごろに中国に戻って中学高校を経て、香港の大学に入りました。その後は、僕は海外旅行が大好きなので、いろんな世界の文化をたくさん勉強させていただきました。そういうこともあって、日本語中国語英語が全部話せます。あと僕はレトロゲームとアニメのオタクで、レトロゲームだとファミコン、『ロックマン』や『ギミック!』が好きです。

──開発中の作品について、改めて紹介をお願いします。

劉博文氏:
タイトルは『電気街の喫茶店』、英語では『Maid Cafe at Electric Street』といいます。基本的にはメイドカフェ、メイド喫茶を運営するゲームです。ストーリーを主体としたノベルに、メイド喫茶を運営するシミュレーションを取り入れた感じで、メイド喫茶の運営ライフを楽しめるRPGになっています。ゲームの要素としては、特定の女の子を勧誘して、お店の店員として働いてもらえます。それと、女の子たちには好感度システムがあるので、主人公が女の子と仲良くなることもできます。メインビジュアルに登場しているメイドたち4人と、仲良くなれるわけです。あとこれは話していいかわからないんですが、ブラック企業のシーンは、自分と自分の友だちが本当に経験したことを元に作っています、本当に体験したものを作中で表現している形ですね。


──本作では、大阪の日本橋が舞台になっています。秋葉原ではなく、日本橋を舞台にした理由は何かあるのでしょうか。

劉博文氏:
僕は日本橋が好きなんです。コロナ禍が起きる前、日本橋に月に1回程度訪れていたことがありまして、その時はオタロードにいったり、レトロゲームやカードゲームを買ったりなど、かなり満喫しました。日本橋のオタク文化とかを、ゲーマーの皆さんに伝えたくて、日本橋を選んだのです。秋葉原舞台にしたゲームはいっぱいあるんですが、日本橋をテーマにしたゲームはあまりないので、あえて王道でないところを選んだ部分もありますね。あと僕はメイド文化、メイドカルチャーが好きです。最近はメイド喫茶にはいけてないんですが、マンガとかに出てくるような、お客さんがゆっくりくつろげる癒される空間というか、そういうお店が好きなんです。日本橋には結構良いメイド喫茶があるんですよ。

──本作の日本橋は、どういった日本橋なのでしょうか。「魔法少女まどか☆マギカ」風の看板があるなど、少なくとも現在の日本橋ではないように見えます。

劉博文氏:
本作の日本橋には、特に時代設定とかはありません。ゲームの中には、基本的に僕を含めたチームメンバーの好きなものをいっぱい詰め込んでいます。たとえば、映画館で上映されている映画とか、ショップで販売されている商品だったりとかは、自分たちが好きなものからインスピレーションを受けて、作品の中に入れています。あと今はまだ入ってないんですが、ゲーム内にどうしても入れたいお店があります。

以前日本橋に行った時、日本の方がやってるお店で麻辣湯という中華料理を食べたんです。そのお店がとても美味しかったので、モチーフにしたお店を絶対ゲームの中に入れたいと思っています。無限麻辣湯というお店で、結構地元の方もすごくいっている人気のお店なんです。本作にはまだゲームの中に入れられていない街がありまして、今後飲食街を入れる予定なんですが、コインランドリーや温泉、豆腐屋や魚屋がある中に、麻辣湯のお店も入れようと思っています。


──電気街の喫茶店で、特に見てほしいところ、こだわっているところはどこでしょうか。

劉博文氏:
ドット絵で、女の子のかわいさを表現したいと思っていて、特にそこにこだわっています。たとえば小さいドット絵のキャラクターであっても、胸が呼吸で動いたりとか、料理を出してる時には可愛らしい表現をしたりとか。可愛らしさを表現できるようにこだわっています。僕はレトロゲームのオタクなので、レトロゲームの頃から培われてきたドット絵の素晴らしさを、世界中のゲーマーのみなさんに伝えたい。ドット絵で女の子の可愛さを伝えたいと思っています。

──最後にメッセージをお願いします。

劉博文氏:
『電気街の喫茶店』は、我々冒険者酒館が本当に魂を込めて作っている作品です。試遊など機会があれば、ぜひ皆さん触れてみてください。Steamのストアページも出来上がっておりますので、皆様是非ともウィッシュリストのご登録をお願い致します!また本作は、今年中にはリリースしたいと思っていて、Steamで早期アクセス配信を始めたいと思っています。自信の一作です、是非応援をよろしくお願いします。

──ありがとうございました。



※ The English version of this article is available here

Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

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