計算バトル電卓『激闘関数電卓』Nintendo Switch向けに配信開始。Switch電卓界に突如として現れた期待の新星
国内デベロッパーBlacksmith DoubleCircleは8月5日、対戦型関数電卓『激闘関数電卓』をNintendo Switch向けに配信した。本作はおそらく同機種初の対戦機能付き電卓ソフトとなっている。
『激闘関数電卓』は、最大4人までの対戦が可能な関数電卓アプリケーションだ。対戦はひとつの画面上でおこなわれ、プレイヤーはそれぞれ色分けされたカーソルを操作する。画面上には2桁から9桁まで自由に設定可能な数値がお題として表示される。0から9の一桁の整数、および0.1から0.9の小数だけを利用し、四則演算や関数を駆使して一番先にお題と同じ値を弾き出したプレイヤーの勝利となる。ラウンド数は一発勝負から10回戦まで設定可能だ。なお、通常の関数電卓として利用することも可能。ボタン配色のカスタマイズ要素もある。操作はコントローラーによるカーソル移動および画面タッチ操作両方に対応している。
実をいえば、Nintendo Switchにおける電卓シーンにはすでに先駆者が存在する。Sabec LTDが今年5月12日に配信した電卓ソフト『カルキュレーター』だ(関連記事)。バトルこそできないものの、こちらも基本を押さえたしっかりした関数電卓である。同作が発表された際には、Nintendo Switchストアに彗星のごとくあらわれた電卓の姿に一部コミュニティが騒然。海外掲示板Redditの同作にまつわるスレッドでは「マルチプレイ対応だろうか」などの冗談も飛び交っていた。
そして今回、実際にマルチプレイ対応の対戦型電卓が出現してしまったのである。デベロッパーであるBlacksmith DoubleCircleが、『カルキュレーター』に触発されたかは定かではない。しかし、現在国内Nintendo Switchにおける電卓市場に存在するのは『カルキュレーター』と『激闘関数電卓』の2種類のみであり、まさに一騎討ちと言える状態だ。両者は計算機能面では互角に見えるものの、『カルキュレーター』は899円、『激闘関数電卓』は1490円と、後者の方が対戦機能つきな分、やや割高だ。
計算でバトルするというコンセプトはやや珍しい。Nintendo Switchにもいわゆる“算数”を題材にした作品はいくつか存在するものの、対戦ものは観測範囲では見当たらず、教育用途の側面が強いソフトが中心だ。直球の関数電卓でとにかく速く計算するというバトルシステムは、おそらく『激闘関数電卓』が初だと思われる。同作ストアページでは、ターゲット層として「九九を習ったお子様がいらっしゃるお家の保護者様、もしくはお子様本人」、「お子様やお孫様と楽しく頭の体操をしたい方」を挙げている。また、学生や関数電卓に普段親しんでいる層も対象としているようだ。
子供が喜んで計算バトルをしてくれるかは不安が残るものの、対戦機能をもつ電卓に価値を見出す人もきっと存在することだろう。なお、デベロッパーのBlacksmith DoubleCircleは過去にはAndroid端末向けに多数のアプリを開発し、リリースしている。過去にリリースしたアプリには、脱出ゲームやブロックくずしなどのゲームも存在している一方で、今回の『激闘関数電卓』のような計算系のアプリケーションも手がけている。本作は、Nintendo Switch電卓界への殴り込みというより、そうした同スタジオの開発経験の延長線上にあるものかもしれない。
『激闘関数電卓』はNintendo Switch向けに配信中だ。価格は1490円。なお、ストアページにはインターネット通信対戦対応の記述が見られないため、残念ながら対戦モードはローカルマルチプレイに限られると思われる。