Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。455目です。蒸し暑い。
見習い魔女の宅急便
今週は『ミカと魔女の山(Mika and The Witch’s Mountain)』の早期アクセス配信が開始されたため少しプレイ。見習い魔女の少女が、魔法のほうきに乗って配達仕事をする作品です。師匠から与えられた試練として山頂に向かうため、より性能の良い魔法のほうきを入手すべく働く。仕事は配送会社から請け負えるほか、住民に頼まれたり、探索中に発見したアイテムを届けたり。荷物によって、破損や水濡れ厳禁だったり、配達に制限時間があったりする。
舞台となる島はオープンワールドになっており、魔法のほうきをアップグレードするたびに気流に乗れたりブーストできたりして、アクセスできる標高が上がっていく。また同時に物語も進行。基本はほのぼのした雰囲気ながら、分かりやすい悪役が登場するなど展開にメリハリがあって良い。本作は今後10月と12月に大型アプデが計画されており、日本語表示にも対応予定となっています。
by. Taijiro Yamanaka
魔王が復活する物語?
今週は、今年のウディコン参加作品の1本であるフリーゲーム『魔王復活物語』を遊んでいました。本作はエラー表示が演出に取り入れられているなど、メタ要素を含むRPG風の謎解きゲームです。何も知らずにプレイしたほうがいい作品なので、詳細なあらすじは省きます。ネタバレは避けていますが、この時点で興味をもったなら先は読まずにすぐ遊んだほうがいいかもしれません。
最初を少しだけ紹介すると、タイトル画面の「はじめから」を選ぶとエラーが発生。そういった冒頭から、ゲーム内で得られる情報を使った謎解きとフリーゲームあるあるネタなどを絡めた、「つづきから」の物語が展開されていきます。
本作では、キャッチーなコンセプトを設定に落とし込み、ゲームとしてしっかり表現されています。謎解きに必要な要素は、すべてゲーム内に存在。一見進行不可能に思える箇所も、意外なところから得た情報を頼りにこういうことかな?と試してみると、あっさり進めたりします。一部難しいシーンはあるものの、ヒントや情報がわかりやすく提示されていることも特徴でしょう。ゲームから手がかりを集めて先へ進むメタな謎解きが、ゲームとして作り込まれているのです。コンセプトを活かす物語と、ゲームから情報を探す謎解きが遊びがいのある作品でした。
by. Keiichi Yokoyama
マジカルタクティカル詰め将棋
『Tactical Breach Wizards』をプレイしています。見下ろし型のターン制ストラテジーで、ものすごく平たく言うと魔法版『XCOM』です。ステージ制だったり扉をブリーチしての突入フェイズが毎回あったりなので、見た目は『XCOM: Chimera Squad』が近いかもしれないですね。
ただゲーム性は『XCOM』とは全然違っていて、ターン毎に無制限で巻き戻しができる機能がついているのが大きな特徴になってます。最初はヌルいんじゃないかと思ったのですがそうでもない。敵の配置や遮蔽物の位置などが結構絶妙で、チャレンジ目標などを達成しようと思うと巻き戻しがあってもめちゃくちゃ頭を使うステージ構成になっています。命中率という概念もないので『XCOM』シリーズのようにワンミスで大ピンチ、というような緊張感はあまりないのですが、よく考えられた詰め将棋を解いているようでこれはこれでやりがいがあって楽しいです。
あと思わぬところで魅力的だったのが本作のストーリー。チームはみんな一癖あるはぐれ魔術師たちで、だいたい憎まれ口を叩きあったりするのですが、共通の陰謀を追う中でお互いのことを深く知って絆っぽいものが生まれたり(するのかも)。こういうはぐれものたちのチームが結束していくプロセスは素直にワクワクします。テキストのセンスも抜群に良くて、久々にハマれそうなターン制ストラテジーです。
by. Jun Namba
山紫水明
『Preserve』を遊んでいました。配られた自然環境や動物などのカードをうまいこと設置して、大自然を豊かに育てていく、というゲームです。似たようなコンセプトとしては『Dorfromantik』が近いものとして想起する人も居そうですが、やや異なる。要素をよりたくさん繋げることが多い『Dorfromantik』に対し、一定数が明確なめどになっている『Preserve』といった感じ。あと、田園風景と大自然という違いもある。
自然環境を配置して並べていくにあたっては、自然と異なる環境が隣り合うようになっていく。そこに生息する動物も、同じものよりは異なるものの方が、ポイントがより増える。うまく大自然が育つには多様性が求められる作りになっているわけですね。そしてそれは何より見栄えが良い。なお、パズル要素そのものは結構シビアな印象。カードの引きに左右されるところもやや気になるものの、そこまで悪いというわけではない。
本作は早期アクセス配信が始まったばかり。今後は草原やサバンナ、海底のほかにもさまざまなバイオームが追加されることが明かされています。ゲーム内要素の細かい注釈なども加えられていくようで、さらなる要素の追加も楽しみ。単なる「落ち着けるゲーム」以上の楽しみがある作品です。
by. Kosuke Takenaka
中国本場っぽい味がいい
『黒神話:悟空(Black Myth: Wukong)』をプレイしていました。黒風なんちゃらを倒して結構進んで、いろんなシステムが揃ってきました。序盤なのか序盤抜けたのかわかりませんが、そんな感じです。このゲーム、ソウルライクではないです。死んだら経験値落とすシステムではないので。ただ、「ソウルライクじゃない」と言い切れるかどうかはちょっと難しい。このゲーム、めちゃくちゃボスが多く、かつボスが結構強いんですよね。雑魚は弱いんですが。このボスと戦ってる時が一番楽しい。バリエーションも多いし、ディレイかけたりきたりテンポずらしも多目。何度も死にながら挑戦する楽しさがある。難易度的にいうと、『ステラーブレード』以上、『Wo Long』以下というところでしょうか。フロムゲーほどかっちりではない。現時点では、ですが。
ただ、ソウルライクじゃないようでソウルライクっぽいこのデザインも、本作の個性になってる感。細かいところとして、消える攻撃多いのにロックオン外れやすいとか、行ける場所がどこかわからない+地形誘導全体難ありなど不満もありますが、何かをまるっと模すのではなく、中国神話をベースなりに自分たちなりに面白いと思うアクションを解釈&再構成している感じがあり、なんというか中国人開発者の職人魂が出ているのを随所に感じて、そこが好き。単にボス大量だったりアセット激美麗とか楽しみポイント多いので、話よくわかりませんが、結構楽しめています。
by. Ayuo Kawase