基本プレイ無料超自由オープンワールドMMO『逆水寒』で“戦わずに”100時間遊んでみた。ミニゲームをいろいろ遊ぶうち、ほろ苦い「人生ゲーム」にハマる

ミニゲーム的なコンテンツのなかに「江湖の生涯」というものがある。これはいわゆる人生ゲームのような内容だ。

NetEase Gamesは『逆水寒(Sword Of Justice)』を11月7日に配信予定だ。対応プラットフォームはPC/iOS/Androidで、現在事前登録を受付中。

逆水寒(Sword Of Justice)』(以下、逆水寒)はオープンワールドMMORPGだ。舞台となるのは12世紀初期、北宋時代の中国。武侠小説の人気作家・温瑞安の作品群を原作としており、プレイヤーは壮大な歴史上の中国を冒険することになる。

本作にはさまざまなミニゲームが用意されている。たとえばボールを蹴って目標に近づける蹴鞠ゲームや、パルクールのスピードを競うちょっとしたレース、シャッフルされるお椀のどれに石が入っているか当てるゲームなどがあり、内容はいろいろだ。達成するとちょっとした報酬が貰えるし、世界観に合っていて没入感を高めてくれる。フィールドを当てもなく散策して、見つけたミニゲームをのんびり堪能するのも本作の遊び方のひとつだ。

そんなミニゲーム的なコンテンツのなかに「江湖の生涯」というものがある。これはいわゆる人生ゲームのような内容だ。毎日のコマンドを選びながら、お金を貯めたり恋人を作ったりして、ハッピーな人生を送ることを目指す。ミニゲームと呼ぶにはなかなか力が入っているので、本稿でご紹介しよう。

「江湖の生涯」は汴京の街中にいる、とある人に話しかけることで遊ぶことができる。ゲームはまず生まれる前からスタート。初期ステータスがランダムに割り振られるほか、天賦と呼ばれる固有能力が3つ設定される。今回の天賦では正義感とくじ運が上がるかわりに、生涯独身確定になるという。生まれる前からちょっと世知辛い運命を突き付けられてしまっているが、ともかくゲームを始めてみる。

今回の人生は商人の家で生まれたそうで、初期所有の金銭にボーナスが得られている。子ども時代はゲームはほぼ自動で進行し、オタマジャクシを捕まえたとか、犬に追いかけられたといった、子どもらしいイベントがランダムで発生。内容によって体力が上がったり、幸福度が下がったりと、能力値が変化していく。

しばらく進めると選択肢付きのイベントが発生。おやつを友達にあげるか、それとも自分で食べるか選ぶように促される。友達にあげてみると人脈のステータスが上昇した。微笑ましいイベントを見守りながら少しずつ能力を上げ、18歳に達するとイベントが発生。一人立ちして街に出ることになり、いよいよ本格的にゲームが始まる。

成人すると、自由にコマンドを選べるようになる。1ターンに5回の自由行動が可能で、7ターン経過するとゲーム終了となるという。ゲームの最後では、どれだけ幸せな人生が送れたかスコアが表示されるようだ。

人生を楽しむにも先立つものが必要だ。とりあえず仕事を探すと、茶屋の店員や化粧品のバイヤーなど、いろいろな職業が表示された。賃金はかなりの格差があり、一番安いものと高いものでは二桁の違いがある。高給が欲しい筆者は、一番給料のよい結婚斡旋所の仲人に応募してみる。しかし「人脈が足りない」と表示され、就職に失敗。なるほど、仕事には特定の能力が求められるのだ。仲人には並外れた人脈が必要ということなのだろう。

筆者のキャラクターのステータスを見てみるとそれほど優れた能力はなく、なかでも美貌がもっとも低い。衣装モデルや化粧品のバイヤーといった仕事への応募は無謀そうだ。ひとまず、もっとも給料の安い茶屋の店員に応募しようとしてみる。しかし1ターンで仕事に応募できるのは1回だけ、とシステムに注意され、応募に失敗。最初のターンは無職で過ごすことが決定してしまう。

どうしようもないので仕事のことはいったん忘れ、ギャンブルコマンドに目を向けてみる。そういえば生まれる前に与えられた天賦で、このキャラはくじ運が良いとあった。もしかしたら宝くじが当たるかもしれない。全財産の一割ほどを投じて買ってみるが、あえなくハズレに終わる。そう甘くはないようだ。

気を取り直して、今度は娯楽コマンドに目を向けてみる。お茶を飲みながらおしゃべりするとか、船に乗って観光するとか、楽しそうなコマンドが並んでいる。もちろん娯楽にはお金を消費するが、生まれが商人の家だったためか、手持ちの資金にはちょっと余裕がある。ここまで踏んだり蹴ったりのうっぷんを晴らすため、このターンは豪遊することに。

船での観光に行ってみると、美貌と幸せのステータスが上昇する。詩会への参加では経験と人脈が上昇。なるほど、こうして遊びながら能力値を高めて、よさそうな仕事に就くことを目指すわけだ。そのまま5連続で遊び、行動回数を使い切ったところで次のターンへ。

新しいターンになったため、気を改めて猫の飼育員の仕事に応募してみる。すると今度はうまくいき、就職成功。これでターンごとに定期収入が手に入るようになった。お金の不安がいささか払拭されたところで、今度は買い物をしてみることに。ショッピングでは家やペットを買うことができるようだ。高い家は手が出ないが、一番安い家とネコ一匹ぐらいなら今の資金でどうにかなる。さっそく購入し、生活水準を上げてみる。

こうして働いたり遊んだりしながら日々を過ごすのもよいが、どうせなら一攫千金を狙いたい。しかしいちおう毎ターン買っている宝くじは一向に当たる気配がない。ここで経営コマンドを選んでみると、ミルクティー屋・レンタル輿・エンタメ会社の3つの選択肢が表示される。どうやらこちらでは自分で事業を営めるようだ。大金の匂いを嗅ぎつけた筆者は、ミルクティー屋の経営をしてみることに。

すると選択肢が表示され、集客としてサクラを雇って行列を作るか、お茶のおまけにお菓子を付けるか、と経営の選択肢が表示される。このキャラクターは天賦として正義感が強かったはずなので、サクラを雇うのは性格に合っていない気がする。真っ当な手段としてお菓子を付けてみることに。しかしお菓子が甘すぎて不評ということになり、客が減ってしまった。なかなか上手くいかないものである。

経営のことはいったん忘れて、今度は恋愛に目を向けてみる。ミニゲーム内に複数の恋愛対象が用意されており、これらのキャラから選んで結婚できるようだ。しかし「生涯独身を誓ったはず」とシステムに怒られ、アプローチできない。生まれたときの天賦のせいで、このキャラは天涯孤独が義務付けられてしまっている。誓った覚えはないのだが、もはや仕事に打ち込むほかに道はない。

能力値を上げ、給料がよい仲人への転職に成功。さらにミルクティー屋の経営に勤しんでいると、なんだかんだで手持ち資金が溜まってきた。そこで今度は投資に手を出してみることに。投資コマンドを選ぶと、リアルタイムで値段が変化するチャートが表示された。値が下がった時に買い、上がった時に売ればよいのだ。簡単そうである。

さっそく宮廷の美酒という分野に投資してみると、順調に値が上がっていく。20%ほど上がったところで売って利益を確定させようと思ったが、売却する操作が一瞬わからず、数秒もたついてしまう。そうこうしているうちにリアルタイムのチャートは暴落し、買ったときの値段より低い値段で売ることになってしまった。とんだ損失だ。

投資などに手を出すんじゃなかったと後悔しつつ、日課となっている宝くじを購入。するとなんと、初の当選を果たす。結構な額を入手し、投資で出した損失の穴埋めに成功する。ギャンブルの仕組みはわからないが、くじ運が良いという天賦がようやく作用してくれたのかもしれない。そうこうしているうちに規定ターンの7ターンが過ぎ、今回の人生は終了となった。

リザルト画面ではスコアが表示され、筆者のキャラが送った人生についてコメントが添えられている。評価は「順風満帆」とのことで、まあまあ良い結果に終えられたようだ。富は国を揺るがすレベルとのことで、なかなか貯めこむことができた様子。しかし仕事で忙しいせいで伴侶はおらず、おしゃれにも無頓着と評されてしまった。なかなか手厳しい。

もう一度人生ゲームを始めると、今度は違う天賦や能力値をもったキャラクターが表示された。きっと次は前回とは違う人生を送れるだろう。また今回遊んだ「江湖の生涯」のほかにも、ミニゲームとしては人狼ゲームやボードゲームなどがあり、複数人で遊べるものも用意されているようだ。ソロで先行プレイしている筆者はそちらは未プレイだが、製品版ではいろんなミニゲームをフレンドと遊ぶのも楽しそうである。

逆水寒(Sword Of Justice)』はPC(Steam)/iOS/Android向けに、11月7日に配信予定だ。ゲーム内は日本語表示に対応する。

Akihiro Sakurai
Akihiro Sakurai

気になったゲームは色々遊びますが、放っておくと延々とストラテジーゲームをやっています。でも一番好きなのはテンポの速い3Dアクションです

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