基本プレイ無料超自由オープンワールドMMO『逆水寒』で“戦わずに”100時間遊んでみた。このゲームにはなぜかガチめな「音ゲー」がある、数種類。「最高難度」は恐ろしい

踊り子と音楽家になれるものがある。これらの身分には専用のシステムが用意されており、それぞれ舞踊と演奏というリズムゲームを楽しむことができる。

NetEase Gamesは『逆水寒(Sword Of Justice)』の日本向けサービスを2025年内に開始予定だ。対応プラットフォームはPC/iOS/Androidで、現在事前登録を受付中。本稿では、本作に用意されているリズムゲームである舞踊と演奏についてお伝えする。

逆水寒(Sword Of Justice)』(以下、逆水寒)はオープンワールドMMORPGだ。舞台となるのは12世紀初期、北宋時代の中国。武侠小説の人気作家・温瑞安の作品群を原作としており、プレイヤーは壮大な歴史上の中国を冒険することになる。

本作にはさまざまな職業になりきって遊べる「身分」というシステムが存在しており、そのなかには踊り子と音楽家になれるものがある。これらの身分には専用のシステムが用意されており、それぞれ舞踊と演奏というリズムゲームを楽しむことができる。

ふだん筆者はリズムゲームはたしなむ程度で、まったく上手くはない。しかし気軽に遊ぶ分には好きである。本作の中国伝統音楽を取り入れた楽曲でリズムゲームを遊べるのは楽しそうだ。舞踊と演奏どちらから始めてもよかったが、映像が綺麗そうだったので踊りから触れてみることにする。

踊りのリズムゲームは難易度が5段階用意されている。ひとまず小手調べということで、最低難易度を選んでスタートだ。舞踊のリズムゲームは、画面に次々と表示される円をタイミングよくクリックしていく形式だった。さすがに最低難易度では円が現れるスピードはゆったり。初見の筆者でも、画面の中央で踊るマイキャラを眺めながらリラックスしてプレイできる難易度だ。

本作は独自開発したモーションキャプチャー技術を採用しており、ダンスモーションも中国のプロのダンサーの動きが精細に落とし込まれているという。実際、ゲーム中で踊るキャラクターの動きは非常にしなやかで、なめらか。指先まで細やかに動いている。重心の小さな動きまで伝わってくる繊細なモーションで、眺めているだけでも満足感が高い。

そうこうしているうちに一曲が終了。リズムゲームとしてはさすがに最低難易度は簡単で、リズムゲーム初心者の筆者でも、初見でフルコンボを達成できた。最高難易度ではどこまで跳ね上がるのか知りたくなったので次は一気に難度を上げて、もっとも難しいモードに挑んでみることにする。

若干なめてかかった筆者だったが、最高難易度は文字通りレベルが違う。次々に現れる円が画面を埋めつくし、視認する間もなく消えていく。もちろん踊りのモーションを鑑賞して楽しむ余裕などない。当然のようにボロボロのスコアで曲を終える。

さすがにいきなり最高難易度は調子に乗りすぎた。次は真ん中の難易度でプレイしたところ、程よい難しさで楽しく遊ぶことができた。練習して最高難易度に再挑戦したい気持ちも少しあるが、筆者にはこれぐらいがちょうどいい。

また舞踊ではリズムゲームモードをオフにして、純粋にキャラのダンスを鑑賞して楽しむモードも用意されていた。鑑賞モードではエフェクト付きで好きなロケ―ションで踊り、ミュージックビデオ風の映像を撮影できる。

また聞くところによると、本国の中国版では最近、AIによる自動モーションキャプチャー機能が導入されたという。ユーザーがアップロードした動画の動きをトレースし、マイキャラに再現させられるのだとか。筆者がプレイしている日本向けのベータテスト版にはまだ搭載されていないようだったが、将来的に実装されたら面白そうな要素だ。

ひと通りダンスを堪能したところで、今度は音楽の方のリズムゲームをさわってみることに。本作では楽器の音色は実録されており、特に琴は世界遺産にも指定されている1200年以上前に作られた古琴「九霄環佩(きょうしょうかんばい)」が実演録音されているという。かなり本格的な音色が楽しめそうで、期待が高まる。

音楽演奏では楽器は5種類用意されており、音楽家としてのレベルが上がると使える楽器が増えていくようだ。またこちらは難易度は3段階となっていた。ひとまず最初から使える古筝を使い、最低難易度でリズムゲームにチャレンジする。

楽器演奏のリズムゲームは右から流れてくるノーツにあわせて、指定されたキーを叩く形式。キーは7つと多めだが、筆者がこれまで遊んだことがあるリズムゲームに近いスタイルだ。最低難易度なのでもちろんノーツの流れはゆっくりで、問題なくフルコンボでクリアできた。今度はいきなり最高難易度には挑戦せず、真ん中の難易度に挑戦してみることに。

しかし驚いたことに、中難度では叩くべきキーの数が大きく増加。なんと21種に増えている。筆者はここまでキーが多いリズムゲームは未経験だ。不安になりながら遊びだすが、やはり頭と手元が一致せず、キーボードのどこを押したらいいのかとっさにわからない。指の置き場所すら定まらず、ノーツの流れ自体はゆっくりだったにもかかわらず、散々なスコアに終わる。まずキーの位置を指に覚えさせる練習が必要なようだ。

練習するうちに、21個のキーはそれぞれの音階に1対1で対応していることがわかってきた。古代中国にも1オクターブを7つに分ける七声という理論があったそうなので、それが3オクターブ分あるということなのかもしれない。何度か繰り返し挑戦するうちにどうにか頭と手が一致するようになり、なんとかリズムゲームらしく遊べるようになってくる。中難度も弾きこなせるようになったところで、いよいよ最高難易度に挑む。

最高難易度ではどうやら実際に主旋律を演奏することになるようだ。これまでは曲の一部分だけだったところフルコーラス分プレイするようになっており、いよいよ本番といった雰囲気。しかし初見で一曲分の主旋律を弾けと言われても、筆者にできるわけはない。初見ではまったく弾きこなせないで終了する。

叩くべきキーの種類が多くて難しいが、ノーツの数やスピードは常識的で、筆者でも練習すればなんとかなりそうだと感じるレベルだ。リズムにはまったく乗れている気がしないが、練習するうちに少しずつスコアは伸びていく。主旋律をそのまま演奏しているシステム上、自分で演奏している感はかなりあり、上達の過程は現実で楽器の練習をしているときを思い起こさせる。

いくらか古筝を弾けるようになったところで、ほかの楽器にも挑戦してみることに。今度は曲笛で同じ曲を演奏してみる。古筝ではタイミングよくキーを押すだけでよかったが、曲笛ではキーを長押しして音を伸ばす必要があるようだ。曲は同じでも楽譜は調整されており、プレイ感覚はだいぶ変わっている。笛の演奏も実録されているようで、音色に趣きも感じる。演奏を重ねて音楽家レベルが上がれば、楽曲や楽器の種類もさらに増えていくようだ。

また正式版ではランキングシステムが実装され、ほかのプレイヤーと競うこともできるようになるようだ。上位にランクインなどという大それたことは筆者には夢想すらできないが、自分なりに少しずつ順位を上げていけたら楽しそうだ。「本番」に備えて今のうちに練習しておくことにした筆者は、今日も舞踊と音楽の稽古に励むのだった。

逆水寒(Sword Of Justice)』はPC/iOS/Android向けに、2025年中に日本向けサービスを開始予定だ。現在事前登録が受付中。

Akihiro Sakurai
Akihiro Sakurai

気になったゲームは色々遊びますが、放っておくと延々とストラテジーゲームをやっています。でも一番好きなのはテンポの速い3Dアクションです

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