リアル戦術サッカーシム『Football Manager 26』で、4月にあるマンチェスター・シティFCとアーセナルFCの「頂上対決」を事前に80回試合をシミュレートしてみた。面白かった

『Football Manager 26』には先日冬移籍データが反映された。そのデータを踏まえ、現実に控えている頂上決戦を“プレイヤーの介入込み”でシミュレートしてみることにした。

サッカーゲームの買い時は、大きく分けて3つある。1つめは発売日、2つめはセールになったとき、そして3つめは冬移籍データが無料アップデートで反映されたときだ。冬移籍データの反映がどうしてそこまで重要かというと、各クラブの優勝に向けて張り詰めた覚悟に触れられるからだ。25-26シーズンのアーセナルFCのように、開幕からの充実した戦力でシーズンを戦い抜くクラブも存在すれば、多額の移籍金を支払ってシーズン途中でも補強するマンチェスター・シティFC(以下、シティ)のようなクラブも存在する。

プレミアリーグ首位のアーセナルを猛追するシティは、複数の攻撃ボジションで躍動するAntoine Semenyoを7200万ユーロ(約125億円)で獲得し、センターバックのレギュラークラスであるMarc Guéhiを2300万ユーロ(約40億円)で獲得。25-26シーズンの冬移籍市場において、シティはもっとも多額の165億円の支出を記録したのである。本作では、3月10日に冬移籍のデータを反映した無料アップデートを配信している。

20回の観戦を経てプレイヤー介在でより強いクラブに

筆者は、“リアル志向”のサッカーシミュレーションゲーム『Football Manager 26』で実験してみることにした。実験の対象はリーグ公式ライセンスを獲得しているプレミアリーグ。試合日程も現実の日程に即しているので実験に適切だ。2003-2004シーズン以来の優勝を目指してプレミアリーグ首位を走るアーセナルだが、そのうしろには2020-21〜2023-24に4連覇を達成したシティが迫っている。4月20日開催予定のプレミアリーグ第33節はシティ対アーセナルの直接対決が控えており、この試合の行方がリーグ優勝に大きく影響するだろう。

なお、本作が33%オフの5353円(税込)で購入可能なセールが開催中。セールは3月27日までの期間限定となっている。PC(Steam/Epic Gamesストア/Microsoft Store)向けに発売中。PS5/Xbox Series X|S向けの『Football Manager 26 Console』のほか、Nintendo Switch向け『Football Manager 26 Touch』やNetflix加入者限定で配信される『Football Manager 26 Mobile』もリリースされている。

そこで、まずはCPU同士を戦わせてみたらどっちが勝つのかを検証する。記事執筆時点におけるシティとアーセナルの戦術をできるだけ忠実に再現し、リーグを戦っていく。運命の第一戦となるリーグ第33節のシティとアーセナルまでたどり着いたら、どっちが強いのかを検証開始だ。『Football Manager 26』が“リアル志向”のサッカーシミュレーションゲームだからこそ、どちらのクラブが上回っているのかがわかるだろう。この一戦の直前でセーブデータを作成し、同じ試合を20回繰り返すことでまぐれではないデータの蓄積を試みたい。

ただし、ゲームの試合とはいえ、同じ対戦相手との20試合を観戦していると自分なりの改善点が思い浮かんでくる。そこで、観戦の次はプレイヤーとしてシティ対アーセナルをやり直す。それぞれのクラブでシーズンをプレイし直し、33節の直接対決に挑戦。試合の直前にセーブデータを残し、シティ対アーセナルによる20回の対戦結果をまとめる。そうすることで、プレイヤーが監督としてどの程度勝利に貢献できるかを示す一例になるだろう。『Football Manager 26』は優れたシミュレーションゲームでありながらも、プレイヤーが介在することで得られる成果が変わるゲームであることを証明したい。

実験のルールを決めておきたい。シーズンを通じて戦術の習熟度や選手感の連携にこだわりたいので、それぞれのデータはシーズン開始当初からプレイする。選手が現実と同じ日付に新たなクラブへと移籍する「リアルモード」を使い、筆者の指揮するクラブから新たな選手の獲得は行わない。今回の実験の概要は以下のとおり。各データの結果はGoogleスプレッドシートにしてそれぞれまとめる。

20回試合をしたところ、デフォではシティが圧勝

冬移籍市場で大金を投じたシティは選手層が格段に厚い。エースストライカーのErling Haalandや中盤の舵取り役であるRodrigoといった一線を画する選手の代わりが務まる選手まではいないが、そのほかのポジションは誰がスタメンに出てもおかしくないほどの充実ぶりだ。能力が高い戦術が揃っているため、ゲームのチュートリアルで選択できるプリセット戦術でも優勝を狙っていくことができる。

シティの実力を見極めるために、プリセット戦術の「積極的 4-3-3 DM ワイド -コントロールポゼッション」を採用してシーズンを進めていった。プリセット戦術と侮っていたが、これがかなりシティにハマる戦術となっており、連戦連勝を積み上げるほどだった。プリセット戦術はシリーズを経るごとに使いやすくなっているので、初心者はこちらから試してみるのがいいだろう。

肝心のプレミアリーグ第33節におけるシティ対アーセナルを20回試合させたところ、シティ側から見て12勝4敗4分44得点22失点だった(データ1のGoogleスプレッドシートはこちら)。シティのホームスタジアムで開催される試合だったため、シティがアーセナルを上回る成績を残すことは予想していたが、20戦中12勝の勝率60%はかなり優れた成績といっていいだろう。及第点といっていいが、もう少し勝てる試合もあったというのが率直な感想だ。

対戦相手のアーセナルもほぼ同じ4-3-3のフォーメーションで挑んできた。お互いの選手の能力に格段の差があるわけではないが、ちょっとしたことで相手をペースに乗せてしまう。中盤争いで優位に立てずに、こちらのDMとCBの間にアーセナルの選手の侵入を許して失点してしまうことが度々あった。サイドで数的優位を作り上げたとしても、中央を突破されてしまえば本末転倒だ。

そうした守備における弱点を解消するために、本作の新要素として登場した「可変型フォーメーション」を用いることにした。可変型フォーメーションはポゼッション時(味方がボールを保持しているとき)と、非ポゼッション時(保持していないとき)でフォーメーションを変更するやり方だ。現実のサッカー界でもトレンドとなっており、これをいかに使いこなすかが現代サッカーで勝ち抜いていくためのカギとなる。

プリセット戦術採用のデータである程度上手くいっていたので、そちらをベースにしてオリジナル戦術を作成してシーズンをやり直した。プリセット戦術使用時のデータでは非ポゼッション時のフォーメーションを設定していなかったが、こちらでは非ポゼッション時に両サイドのウイングが守備に下がってくるようにした。これでサイドの守備は安定するし、こちらの中央ポジションの選手がサイドに釣り出されることが少なくなる。この戦術の意図は、アーセナルの得点の匂いをできるだけ消すことだ。中央もサイドもきちんと守ることによって、勝ち切ることを目標としている。

データ2の戦績で20回試合をさせたところ、シティ側から見て16勝4分無敗44得点13失点だった(データ2のGoogleスプレッドシートはこちら)。44得点はデータ1と変わらないものの、失点は22失点から13失点へと減少している。相手の攻撃を中央からもサイドからも防ぐ戦術な試みは、上手くいったといっていいだろう。シティの右サイドバックのAbdukodir Khusanovと左サイドバックのJosko Gvardiolはセンターバックもこなせる守備能力の高い選手であったため、相手からすれば4バック全員がセンターバックのように感じられたかもしれない。それにしても無敗とは痛快だ。リアル志向のサッカーゲームにおいてプレイヤーの狙い通りの結果が導き出されると、自分の戦略眼が誇らしくなってくる。

アウェイで勝つには強引な方法も求められるアーセナル

冬移籍に多額の資金を投じたシティに対して、アーセナルは開幕前の夏移籍で膨大な資金を投じた。その金額は約2億9000万ユーロを超えており、当時の為替レートで日本円にすると約500億円近くに達した。ただし、開幕時点ではKai HavertzやGabriel Jesusといったストライカー候補が怪我をしており、シーズンを通してViktor Gyökeresがエースストライカーになることができるほどの能力を有しているかというと疑問符が残る。

アーセナルとシティには得意とするポジションや役割が似通っている選手が数多くいるため、シティのときと同じように改善点を探るためにアーセナルでもプリセット戦術の「積極的 4-3-3 DM ワイド -コントロールポゼッション」を採用した。この戦術を採用したシーズンを通してのアーセナルの勝率は決して低いものではなかったが、Erling Haalandといった絶対的な強者が君臨するシティ相手には分が悪かったようだ。ほんのちょっとしたことからErling Haalandに得点されてしまう。データ3で20回試合した戦績は、アーセナル側から見て4勝6分10敗18得点29失点だった(データ3のGoogleスプレッドシートはこちら)。20試合で18得点は1試合平均0.9点であり、これでは勝てる試合が少なくなるのは当然だ。

アーセナルの対シティにおける得点が少ない理由としては、こちらの中盤から前線に良い形でボールが入るのが少ないことが観戦していてわかった。Viktor Gyökeresが最前線に張っているものの、そこまでボールを運ぶのに苦労している。2人のMC(センターハーフ)でバランスを取ろうとしたものの、攻撃に転ずるのは遅くなってしまう。さらに、1人のDM(守備的ミッドフィールダー)ではErling Haalandのような世界的ストライカーを止めるにはパスの出どころも含めて難しい局面が数多く見受けられた。

そこで、オリジナル戦術で挑むデータ4ではフォーメーションから大胆に変えた。ここでも鍵となってくるのは可変的フォーメーションで、非ポゼッション時でも前線にAM(攻撃的ミッドフィールダー)が残ることで、味方のフォワードを孤立させないようにしている。前線からのプレスやボール奪取後のカウンターといった形で、得点のバリエーションが増えたことが最大の収穫だった。1人のDMではシティの波状攻撃を止めることができなかった反省点を活かし、ポゼッション時と非ポゼッション時の両方のフォーメーションに置いて2人のDMを配置することにした。

そのようにして戦術を練り上げたデータ4での20回シティと戦った戦績は、アーセナル側から見て10勝8分2敗33得点21失点だった(データ4のGoogleスプレッドシートはこちら)。目論見どおりに得点が向上して接戦を勝利に結びつける試合が増えた印象だ。プリセット戦術ではアウェイで負け越しているにも関わらず、あえて攻撃に出ることで好成績を残せるところがおもしろい。いわゆる「脳筋」といわれるような思考停止で攻撃重視の戦術を採用したわけではなく、味方のフォワードとミッドフィールダーの円滑なパス交換を念頭にしたからの得点力の増加につながったものと考えている。本音をいえばもっと勝ち星を挙げたかったが、10勝8分2敗とアウェイで2敗しかしていないのは評価されるべきだろう。

サッカー好きもゲーマーも楽しめる『Football Manager 26』

結局のところ20試合といいながら、20試合x4の80試合をこなしてしまった。結局トータルで見れば全体的にはホームであるシティが優勢であったが、戦術をいじるだけでここまで戦績が変わるのは面白い。

リアルサッカーの忠実な再現を試みてきた『Football Manager』シリーズには、筆者はひとりのファンとして尊敬の念をもっている。可変式フォーメーションが現実で流行すればそれをゲームのシステムで新たに採用することは、プレイヤーに刺激を与えてくれるのだ。憧れのクラブを率いて憧れの戦術を再現できることはもちろん、自分なりに改善して独自の戦術を生み出すことも可能。ゲーマーとして、最高の戦術を追求できる懐の広さが『Football Manager』シリーズの魅力といっていいだろう。

また、リアル志向のサッカーゲームと聞くと敷居の高さを感じるかもしれない。しかし、『Football Manager 26』はシリーズでもっとも初心者もプレイしやすくなっている。トレーニングメニューや親善試合の設定はアシスタントに任せることも可能。本稿でも検証したようにプリセット戦術も優秀なものがそろっているので、初心者はそちらの戦術をとりあえず使ってみても問題ない。慣れてくれば、本稿のように戦術を改良することで、以下のように好成績を残すこともできる。

現実のサッカーの予習として『Football Manager 26』で試合を観戦するといった楽しみ方も本稿で試してみたが、味わい深いものだった。合計80試合を観戦したが、1試合ともまったく同じ展開になることはなく、サッカーの奥深さを実感したところだ。現実で行われる4月20日開催予定のプレミアリーグ第33節はシティ対アーセナルの直接対決がどのようになるものか、楽しみでならない。

Football Manager 26』は、PC(Steam/Epic Gamesストア/Microsoft Store)向けに発売中。PS5/Xbox Series X|S向けの『Football Manager 26 Console』のほか、Nintendo Switch向け『Football Manager 26 Touch』やNetflix加入者限定で配信される『Football Manager 26 Mobile』もリリースされている。

本作が33%オフの5353円(税込)で購入可能なセールが開催中。セールは3月27日までの期間限定となっている。今セール価格で購入できるのは、『Football Manager 26』を購入する絶好の機会であることは間違いない。

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Ryuichi Kataoka
Ryuichi Kataoka

「ドラゴンクエストIII」でゲームに魅了されました。それ以来ずっとRPGを好んでいますが、おもしろそうなタイトルはジャンルを問わずにプレイします。

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