あなたの「ストラテジーゲーム」はどこから?プレイヤーに訊いてみる連載・葉月いのり編。「シヴィライゼーション」解説VTuberが同作にハマるのは「eスポーツ的だから」
わかりやすくもキュートに「シヴィライゼーション」を解説するプレイヤーが同作にさわるきっかけはなんだったのか。

2Kは6月に『シヴィライゼーション: 時代と盟友』を配信予定だ。対応プラットフォームはiOS/Android。配信に先立って、プレイヤーたちに「シヴィライゼーション」および「ストラテジーゲーム」との出会いを聞く連載を開始する。つまり『シヴィライゼーション: 時代と盟友』のPR連載シリーズである。
今回お話を聞くのは、濃厚な「シヴィライゼーション」解説に定評のある葉月いのりさん。わかりやすくもキュートに「シヴィライゼーション」を解説するプレイヤーが同作にさわるきっかけはなんだったのか。
初めてプレイしたゲームが『シヴィライゼーション』
――自己紹介と、ストラテジーゲームへの関わり方について教えてください。
葉月いのり(以下、葉月)氏:
個人勢VTuberの葉月いのりです。元々は配信をメインでやってました。最近は「ずんだもん」(人工音声のキャラクター)と一緒に、『シヴィライゼーション』を中心にストラテジーゲームの解説動画も投稿しています。なので私自身も人工音声とよく間違えられます。
――聞き取りやすい澄んだ声なので、ずんだもんと一緒に解説してることもあり人工音声と間違えるのはありそうですね。
葉月氏:
ありがとうございます。声だけでなくストラテジーゲームを配信する女性自体が珍しいですし、しかも解説動画まで投稿するような女性はほかにいないと思います。そうした女性プレイヤーの少なさからも、人工音声と勘違いされやすいのかもしれません。
――『シヴィライゼーション』で初心者がつまづきやすい序盤の進め方など、解説動画の内容がとても分かりやすくて驚きました。台本やプレイ動画を別の人が用意する、ゴーストインフルエンサーではないですよね?
葉月氏:
違います(笑)私個人が運営しております。解説動画は初心者でも分かりやすく丁寧に、そして単調になりすぎないよう意識してます。せっかくの女性VTuberなので、何度も見たくなるような、可愛くて面白い動画であることも大事ですね。動画投稿だけでなく、『シヴィライゼーションVI』の視聴者参加型配信も以前やっていたので、またやれたらなと思ってます。
――『シヴィライゼーション』を中心にプレイされているということですが、初めて触れたのは何作目でしたか?
葉月氏:
『シヴィライゼーションVI』です!安直ですが、『シヴィライゼーションVI』のゲーム実況を拝見して面白そうと思ったのがきっかけです。実はSwitchや3DSのようなコンシューマー機もほとんど触れてこなかったので、しっかりとプレイした初めてのゲームが『シヴィライゼーションVI』なんです。そしてクリアしても自分のプレイが納得いかなくて、気付けば今も2000時間以上遊び続けてます。『IV』と『V』もおすすめされて触ったことはありますが、メインはやっぱり『シヴィライゼーションVI』ですね。
――珍しいタイプですね。シリーズを重ねてさまざまな要素が追加されてるので、初心者には難解なゲームだと思うのですが。
葉月氏:
ゲームらしいゲームをプレイしてこなかったせいか難しく感じなかったですね。『シヴィライゼーションVI』の次に、『Europa Universalis IV』をプレイしたんですが、必要性の薄いタスクもたくさんあって難しくて。それと比べると『シヴィライゼーション』は、右下のUIが「次へ」になるまで操作するだけなので、むしろ分かりやすくて簡単かなと(笑)
――もはや英才教育ですね(笑)「右下が次へになるまで操作するだけ」は格言かもしれません。
葉月氏:
『シヴィライゼーションVI』は「右下を次へにするだけ」の、初心者でも楽しめるゲームだと思ってます(笑)
『シヴィライゼーション』プレイヤーを増やすという使命感
――ストラテジーゲームは実況映えしにくいジャンルと認識しており、しかも初心者向けというのは難しいと思いますが、なぜそうした活動をメインにされているのでしょう?
葉月氏:
7割くらい「使命感」です。少し話が逸れますが、VTuberはデビュー前に準備期間中としてフォロワーを集めて、デビュー後の視聴者を確保するというのが一般的です。それこそ同時視聴者100人集めるためには相当な準備が必要になります。でも私はそういうことを知らなくて、一切宣伝せずにデビューしたんです。そして、デビュー後いきなり『シヴィライゼーションVI』と『Europa Universalis IV』を配信したら、ストラテジーゲームの狭い界隈に一気に広まって、すぐに同時視聴者数100人を達成してしまいまして。それで、私のやるべき場所はここだと(笑)
――なるほど、求められている場所を見つけた。
葉月氏:
当時、女性VTuberとしてストラテジーゲームを中心に活動してる方は他にもいなかったので、女性の第一人者的な雰囲気もでき始めちゃって。あとは配信映えしないからこそ、可愛くて華やかな女性VTuberの立場を活かして、ストラテジーゲームの間口を広げなきゃみたいな使命感がありますね。そういった使命感から、狭い界隈の中でもさらに狭いマルチプレイを推奨してます。自分で大会用のホームページを作って告知して、私がプレイヤーを増やしていこうと。
――予期せず伝道者的な立場になったことで使命感が出たと。もはや大使ですね。
葉月氏:
貢献してる自信あります(笑)
FPS・MOBA・RTSに続いて『シヴィライゼーション』を並べたい
――『シヴィライゼーション』の魅力やどんな体験が気に入ってますか?
葉月氏:
意外かもしれませんが、『シヴィライゼーションVI』はストラテジーゲームの中でも競技性が高くて、eスポーツとしての側面があるところです。
――『シヴィライゼーション』でeスポーツとは初耳です。
葉月氏:
そういう側面があることを知ってる人すら少ないと思います。たとえば、『Europa Universalis IV』のようなParadox社のゲームは、開始直後から技術ツリーの進みも違ったり、国土も違ったりします。歴史に忠実だからこそ、ロマンもある一方で平等性はなくて、競技性という観点ではちょっと難しいと思うんですね。
――確かに。
葉月氏:
対して『シヴィライゼーションVI』は、多少の立地ガチャはあるものの、必ず6タイルからスタートします。そして同じ技術ツリーがあって、異なるスペックやスキルをもつキャラクターもバランス調整されていて平等なんです。そのうえで、同じターン経過しても、区域の置き方や労働者の動かし方でどんどん内政に差が開いていく。緻密な計算やプランニングが重要になります。また、私はチーム戦をメインにやってるんですが、前衛と後衛で役割が変わったりします。そういうことができるストラテジーゲームはほかにないと思ってます。シューターゲームや格闘ゲームのように、反射神経や精密操作といったフィジカルが不要で頭脳だけで戦える。こういうゲームがeスポーツとして、広まってもいいんじゃないかなと。
――まさに競技性ですね。
葉月氏:
現代まで囲碁や将棋、世界ではチェスが人気なので、『シヴィライゼーション』も同じ位置付けでeスポーツとして人気になれると本当に思っています。そういう競技性に魅力を感じてます。でも、eスポーツとして認知されるには競技人口が少なくてなかなか難しいですけど。
――この記事で広めましょう(笑)
葉月氏:
ぜひお願いします(笑)
第一人者の視点で『シヴィライゼーション: 時代と盟友』を楽しみたい
――モバイル向け『シヴィライゼーション: 時代と盟友』には競技性もありそうです。従来の『シヴィライゼーション』とは違って見えるとも思いますが、どういうところに期待して、どういう風に遊んでいきたいですか?
葉月氏:
正直なところ、モバイルストラテジー系やMMO要素のあるゲームを一切プレイしたことがありません。ふわっとした回答になってしまいますが、『シヴィライゼーション』にMMO的な同盟システムを、どういう風に落とし込んでいるのかみたいなシステム面への興味が強いです。
――ゲーム性としては、従来の『シヴィライゼーション』のテクニカルな側面よりも、同盟メンバーでコミュニケーションを楽しみつつ技術ツリーを分担して、決まった日時の「大規模リアルタイム対戦」に備えるという側面の方が大きいかもしれません。
葉月氏:
そういう意味では、従来の『シヴィライゼーション』やストラテジーゲームをプレイしてる立場から、どんな楽しみを見出せるのかを意識してプレイしたいですね。『シヴィライゼーション』勢としてどうなのか知りたい人は私の配信や動画をみれば分かるような(笑)
――参考にします。ありがとうございました。
『シヴィライゼーション: 時代と盟友』はiOS/Android向けに、6月に基本プレイ無料で配信予定だ。