オープンワールドサバイバルRPG新作『アース:リバイバル』は、「全部盛り」でかつ面白い。拠点強化・育成・スローライフなんでもござれの超特盛

オープンワールドサバイバルRPG新作『アース:リバイバル』紹介。コンテンツ量が多くそれぞれの要素に奥行きがあり、時間がみるみる溶けてく多ジャンルゲームであった。

近未来の荒廃した地球を舞台とした『アース:リバイバル』。同作は、さまざまなジャンルを詰め込んだ基本プレイ無料TPSタイトルだ。対応プラットフォームはiOS/Android/PC。公式には“超本格SFサバイバルRPG”と謳われている。開発・配信はこれまで『フィギュア・ストーリー』や『マーベル・スナップ』などを送り出してきたNuverseが担う。4月20日の配信に先立ってプレイ。その極太な内容をお伝えしたい。

筆者としては正直、基本無料のライブサービス型タイトル、そしてPC/iOS/Android向けというだけで、本作について少し警戒していた(少なからずこの意見に同意してくれる読者はいると思う)。だが、実際に『アース:リバイバル』を手に取ってみると、コンテンツ量が多くそれぞれの要素に奥行きがあり、時間がみるみる溶けてく多ジャンルゲームであった。山ほど用意された要素は、まるで「これがあったら面白そうだよね」というアイデアを全部盛り込んだようで、次々とプレイヤーに目的を与えて離さず、それらを上手に進められるようにきちんと導く設計が見て取れる。


冒頭でも述べた通り、本作はさまざまなジャンルをてんこ盛りにしている。アクションシューティングであり、RPGであり、オープンワールド作品であり(厳密には複数のフィールドのなかを自由に探索できる形式)、サバイバル作品である。

そのなかで、カスタムとクラフトの2つを軸としたゲームサイクルが粒立っているので中途半端な印象がない。たとえばサバイバル要素であれば「喉が渇く」「腹が減る」「身体が臭う」といったパラメータが用意されている。酸性雨、砂嵐などの過酷な環境などもあり、本格的なサバイバルゲームが実装されているそれに極めて近く、困難を解決するためのクラフト要素も抜かりない。喉が渇けば水を飲み、もし探索中にも水分補給したければ容器を作り、腹が減れば木の実を食い、効率的に腹を満たしたければ料理をし、といった具合でさらに便利になるための道筋が用意されている。


実際のゲームプレイは、メインストーリーを進めつつのTPSが主軸となる。その合間には、街(人間らが暮らすシェルター)でサイドクエストをこなすも良し、フィールドを探索し道中で武器や装備をアップグレードするも良し、ダンジョンやデイリーで武器やアップグレードのための素材を入手しても良い。TPSがベースではあるが、やることは無数に湧いてくるので、この手のゲームにありがちな「あとはデイリーをひたすら消化するしかない」なんてことには、少なく見積もっても十数時間はならないだろう。

筆者が特に本作の核と感じた世界観・カスタム・サバイバルを中心にピックアップしていこう。なお、本稿で掲載している仕様は、開発中のものであることに留意して欲しい。

しっかり味付けされた近未来SF

まずは、世界設定を確認しよう。本作は謎の生命体に侵略された地球が舞台となる。侵略戦争を経て人類は住む場所を限られ窮地に陥っている。いわゆる“ポストアポカリプス”だ。オープニングムービーでは、先の戦争の様子を含め人類がどのような立場に置かれているのかがわかる。


また、近未来要素が強いことも特徴的だ。人間が搭乗して操作するバトルスーツやライティングがカッコいいビークル、SFチックなインターフェースなどの要素も実際にゲーム内で触ることができる。また「マクロス」シリーズのメカニックデザインで著名な河森正治氏がデザインしたバトルスーツ「ヨトゥン」なども実装されている。


ゲームが始まれば序盤は、一般的なTPSアドベンチャーのようにリニアなゲームプレイで導入を体験することになる。キャラクターたちとの出会いや、プレイヤーが戦いに巻き込まれていく様子を描くことで、いきなり世界に放り出さずにしっかりと冒頭で世界観を語り、世界が地に足着いたものになっている印象を受ける。

さまざまな要素を内包しつつも、全体的にまとまりが良いのは、ベースとなる世界観がしっかりと構築されていることにある。ゲーム内ではジャーナル(ドキュメント)などがコレクタブルアイテムとして読めるほか、キャラクターたちの生活を垣間見ることができるイベントも用意され、説得力を持っている。正直本作をプレイしていると、なんとなく「あのゲームに似ているな」と思うところはいくつかある。ただそれらの要素が『アース:リバイバル』という世界の味のうえに成り立っているところが重要だ。筆者がポストアポカリプスモノ好きというのもあるが、本作は無味無臭なものではないことを強調したい。

余談だが、映画「ブレードランナー」のようなサイバーパンクを感じさせる独特なシンセサイザーの音がBGMに組み込まれているのもアツいので、共感できる読者はぜひ手に取ってみてほしい。

豊富すぎる武器カスタム

筆者としてもっとも感動したのは、シューティングRPGとしてのカスタム要素がたんまりあるところだ。まずベースとなるアクションは、2本の武器とバトルスーツにある。基本的には銃で攻撃しつつ、ダメージや拘束などをするスキルを発動し、ここぞというときにバトルスーツを着て攻撃をするという形だ。武器にはショットガンやアサルトライフルのような基本的な銃火器はもちろん、カタナのような近接武器も用意されている。

それぞれの武器には、豊富なカスタム要素が用意されている。かなり豊富だ。まず基本的なアタッチメントとして、照準をのぞき込んだときの倍率が変わるスコープや、反動を抑えるストック、装填数を増やす拡張マガジンなど、銃を扱うゲームでよく見られるものは当然用意されている。


また、バトルコードと呼ばれるカスタム要素では、弱点への攻撃を高めるほか、弾薬が自動でリロードされるものなど、戦いを有利にすることができる追加要素をセットできる。さらに、武器や装備品にはチップと呼ばれるアイテムを装備できる。これは攻撃力やシールド値などステータスを向上させるものだ。

このように、武器ひとつとってもカスタム要素が無数に存在する。反動が強く癖の強い武器だなと感じたらそれを打ち消すようなカスタムにする、といった具合でとにかく好きな構成にすることができる。

また、お供として「ペット」なる要素もある。冒頭で入手する犬だけでなく、ペットショップ(ガチャ)によりロボットやフクロウのようなペットなども入手可能だ。彼らは戦闘中にプレイヤーと一緒に敵を攻撃してくれるほか、サポートタイプや単体攻撃タイプ、範囲攻撃タイプといった個性もある。ペット専用の成長要素やペットと共にミッションをこなしていくことで能力も向上していく。なにより一緒についてきてくれるのが可愛い。


さらに、レベルアップで開放されるジョブシステムや、バトルスーツのステータスをアップさせるモジュールやコネクタシステムなど、成長・カスタム要素は上げればきりがないほど用意されている。

これほどまでに成長要素があると、脳みそがキャパオーバーしてしまうように思う。だが、しっかり解決策も用意されている。それは「武装点検」という項目だ。今の装備からどのように強化することができるのかをガイドする機能であり、どこを強化すれば自身が強くなるか、さほど考えなくてもわかるようになっている。また、装備全体の強さを数値で表わす「総合評価」もあるので、基本的にはこの数値を上げることを目標にすれば良い。前述のバトルコードやチップに関しても、おすすめ設定が設けられているので、迷ったらとりあえずおすすめを選んでおけば良いだろう。単に「強い武器を得る」だけでなく「気に入った武器を自分好みに強くする」という装備強化に用意された複数の段階が設けられているのが嬉しい。


冒頭で渇きや飢えといったサバイバル要素について述べたが、それらの調理やアイテム作成(武器もそのひとつ)は、拠点となるシェルターでおこなう。この場所での拠点強化がまた面白い。拠点では、家具や調理場などを自由に配置して、自分だけのシェルターを作り上げることができる。素材やお金を投じることで拠点のレベルを上げ、配置できるオブジェクトや使える土地が広がっていく

配置できるものには、小麦などの栽培を行う植物プラント、ペットを放し飼いできる小屋などがある。前者は食料調達という切実な目的があるが、後者は可愛いペットも愛でるお遊び要素だ。自分の好きなように拠点をカスタムできるのが魅力的だ。


なお、これらのオブジェクトの作成には素材が必要となる。木材や石材、鉄鉱石やネジといった素材はクエストで貰えるほか、フィールドにある木や石、壊れた文明アイテムから入手することができる。フィールドを探索し素材を集め、拠点を拡張していくという要素も、本作の核となるシステムのひとつだ。


ここまで述べてきた通り、地に足の付いた世界観のうえに成り立っているサバイバルやシューティング、それらの幅を広げる豊富すぎるカスタムやシェルターの拡張、ハウジングなど、本作はとにかくやることに尽きないゲームだ。

強い武器を求めて戦い、それをさらにカスタムしていくというシューティングRPG的な要素と、フィールドを探索して素材を集めて拠点を作り上げていくサバイバルゲーム的な要素、この2つのゲームサイクルがプレイの核となる。

そして、ここで紹介したのは本作におけるいくつかの側面でしかないことはお伝えしたい。先行プレイの性質上、マルチプレイ要素は体験できておらず、ギルドなどのコミュニケーション機能も十分にプレイできていない。また、武器堀りなどのよりアイテムを集めるコンテンツ(いわゆるエンドコンテンツ)も、片鱗しか試せていない。それらのコンテンツの完成度をここで評することは避けるが、述べてきた要素以外にも、まだ見ぬ魅力が本作には隠れているだろう。

アース:リバイバル』はiOS/Android/PC向けに基本無料で4月20日に配信される。現在事前登録も受け付け中だ。

Sakutaro Okano
Sakutaro Okano

フッ軽ゲームライター。生きている実感を得るため、FPSを中心にド派手なハリウッド的アクションゲームを貪って生きている。

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