『World of Warships』初心者攻略ガイド中級編(2022年11月版)。“すぐ沈む”入門者のお悩み解決、目指せ脱・新人艦長
ウォーゲーミングが開発、運営をおこなっている基本プレイ無料のマルチプレイヤー海戦アクションゲーム『World of Warships』。本稿では、正式サービス8年目に突入した本作を今から始める方に向けた、全4回の入門記の第2回をお届けする。
『World of Warships』は公式サイト、およびSteam/Microsoft Storeにて配信中。なお関連タイトルとしては、PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S機向けに『World of Warships: Legends』が基本プレイ無料でリリースされている。本稿で紹介する情報はPC版にあたる『World of Warships』をもとにしているため、留意されたい。
『World of Warships』初心者攻略ガイド第1回では、ゲームの始め方から本作の特徴、初陣からTier5までの流れを紹介した(関連記事)。Botを相手にするCo-op戦からスタートし、対戦相手に他プレイヤーも加わるランダム戦にも挑戦。日本艦ツリーを進めていき、Tier5の駆逐艦「睦月」を入手して意気揚々とランダム戦に臨んだ。しかし、そこはTier4までのランダム戦とは違い、Botの存在しない本格的な“戦場”となっていた。
戦いは戦略と連携
「初めてのTier5戦は雷撃で敵を沈めたい」という欲が先行し、無謀な雷撃に酔いしれる筆者は例によって突撃。敵巡洋艦の砲撃により海の藻屑となった。その時、筆者は「これでは勝てない」と悟った。敵の動きが明らかに違うのだ。
Tier4までのBotは猪突猛進だ。基本的にこちらにまっすぐ突貫してくるため、各個撃破はたやすい。自分が敵艦を見つけられなくても味方の誰かが見つけてくれるため、すぐに狙い撃ちされることだろう。しかし、プレイヤー同士の対戦は違う。単身で乗り込んでくる無策な艦はおらず、逆にこちらが雷撃を狙って強引な突撃などしようものなら、敵の砲撃の的になる。
撃沈されてしまったプレイヤーは、そのマッチを最後まで観戦するか、一足先に港に戻るかを選べる。一方で港に戻っても、沈められてしまった艦艇はそのマッチが決着するまでは出撃できない。マッチの決着後、港での通知で直前の戦闘結果が知らされる運びとなる。別の艦艇なら出撃することができるものの、一度はマッチに残って他プレイヤー、特に自分と同じ種類の艦艇の動きを観察してみるといいだろう。特にTier5の初陣であれば、自分と同艦種の他プレイヤーで動きの違いが感じられるはずだ。
他プレイヤーとの動きの違い、そこに自分がすぐさま撃沈させられてしまった原因があるのだろう。そうした先達プレイヤーと自分の動きの差を埋めることができれば、もっと活躍できるのではないだろうか。そう考えた筆者は、駆逐艦として理想の立ち回りを分析することにした。
駆逐艦の役割、特徴を知る
上手いプレイヤーと自分との動きの違いを理解するためには、まずは乗艦の役割を知ることが大切だ。筆者が使用している駆逐艦は、雷撃が楽しいという理由で選んだ艦種だが、それは持ち味のひとつに過ぎない。駆逐艦の大事な役割は索敵、そして生き残ることだ。他プレイヤーの動きを見ても、それに気づいた。魚雷を正確に敵艦に撃ち込めることは大きなアドバンテージとなるが、それは本来の役割の先にあるプレイングだろう。魚雷を活用するためにはまず、実戦を重ねて索敵を知り、魚雷を撃ち込めるチャンスを知る必要があったわけだ。
ここで『World of Warships』の索敵のシステムについて簡単に説明したい。艦艇にはそれぞれ「被発見距離」が設定されている。これは、どれくらい接近すれば敵艦に発見されてしまうのかを数値化したものだ。たとえば筆者が使用している駆逐艦の睦月の海面被発見距離は、初期値で6.0km。これは、敵駆逐艦や巡洋艦などに6.0kmよりも近くに近づくと発見されてしまうということである。
一方、同じTier5巡洋艦「古鷹」の海面被発見距離は11.9km、Tier5戦艦「金剛」は15.7kmとなっている。つまり、傾向としては船体が大きくなるほど遠くからでも発見されてしまうということである。この被発見距離は艦艇同士の数値で、航空母艦の艦載機からの被発見距離などは別途設定されている。この索敵システムには、遮蔽や駆逐艦が使用できる煙幕などいろいろな要素が絡んでくるものの、まずはシンプルに自分の使う艦の被発見距離を意識するといいだろう。
駆逐艦が見つかりにくいことを生かして、巡洋艦や戦艦に自艦が見つからない距離へと近づき、味方が砲撃で狙えるように索敵する。それが駆逐艦の役割の1つだ。敵艦に発見されずに自分は敵艦を捉えられる位置をキープすることが重要だ。自分が敵艦の位置を見つけることができれば、味方にもその位置が伝わる。その敵艦を味方が砲撃してくれるという寸法だ。この索敵によるアシストは、索敵した敵に味方が与えたダメージという形で計測もされている。なるべくアシストダメージを稼げるように敵の位置を捉え、できる限り生き残ろう。
さらに睦月の魚雷の最大射程は8.0kmとなっているため、6.0kmから8.0kmの間の見つからない位置から雷撃で牽制できればベターだろう。それが直撃すればベストだ。雷撃は砲撃以上に偏差射撃に慣れなければ当てられない。一度撃つと装填に時間がかかるものの、まずは出し惜しみせずに積極的に撃って感覚をつかんでいこう。
ちなみに、被発見距離に届かない場所でも砲撃によって敵に発見されることがある。日本の駆逐艦は砲撃が他国と比べると弱く、敵艦を撃沈させるには心もとない。敵戦力を削れないのに砲撃をして位置を晒し敵の砲弾を浴びるのは、リスクとリターンが釣り合わないだろう。無策な砲撃はなるべく避けたいところだ。敵に位置がバレないようにすることも駆逐艦運用のコツといえる。ちなみに、雷撃で被発見距離が伸びることはない。敵に静かに接近した場合は雷撃を撃ち込んで、見つからないうちに離脱するといいだろう。雷撃が相手に直撃したのなら、駆逐艦としての役割を見事に果たせたといえる。
己を知って、敵を知る
愛用する艦種とは別の艦種の役割も知っておけば、戦いやすくなることだろう。一度、各艦種に触れてみるのも上達への一歩となるはずだ。また筆者の使う駆逐艦は、単艦ではほとんど何もできない艦種といえる。各艦種の役割を知ることで、敵を知るだけでなく、味方との連携も取りやすくなるわけだ。
まず基本となる巡洋艦は、オールマイティな艦種だ。砲弾の装填時間が短いため、短い間隔で砲撃が可能。また魚雷を搭載している艦艇も存在する。駆逐艦にとっては連続して放たれる砲撃が驚異的で、一度付け狙われると雨あられのように降り注ぐ砲弾に苦しめられる羽目になる。
逆に言えば巡洋艦使用時は、駆逐艦を発見した際はなるべく優先的に沈めるといいだろう。敵チームは索敵しづらくなって困ることになる。そのほかにも対空性能に優れていたり、水中聴音機などの消耗品を装備していたりと、その役割は幅広い。基本の艦種ながら、戦況に応じた臨機応変さが求められる奥の深さがある。
つづいて戦艦は長距離、高威力の砲撃が特徴の艦種だ。その代わり、砲弾の装填時間が犠牲となっている。巡洋艦ほど連射はできないため、駆逐艦ならジグザグの機動などで、進行方向を読みにくくすると砲撃を避けやすい。さらに戦艦の機動性はかなり鈍重で、速度だけではなく舵の効きも悪い傾向。急な操船は難しいため、魚雷を避けにくい艦種だ。もし戦艦が単艦で存在しているのならば、雷撃するチャンスでもある。ここぞという場面では、駆逐艦で積極的に雷撃を狙っていくことも大切だ。
一方で、駆逐艦ほど機動力がなく戦艦ほど射程が長くない巡洋艦は、戦艦に対して苦戦させられる。一方、こちらが戦艦に乗っているときは、巡洋艦は格好の獲物となる。味方の駆逐艦を守る意味でも、発見されている巡洋艦は積極的に狙っていきたい。そして戦艦に乗っている際には、なかなか撃沈しない硬さと高威力の砲撃による圧を武器に、前線からやや後ろで存在感を示すと相手を困らせられる。消耗品の修理班を使用することで、自艦のHPを回復することもできる。時には相手のヘイトをこちらに向けさせて、高いHPと修理班による回復で敵の攻撃を耐え、その間に味方巡洋艦や駆逐艦に攻撃してもらうという立ち回りが有効になる場面も存在する。
航空母艦は、本体はマップ後方に待機し、そこから艦載機を飛ばして相手にダメージを与えていく。航空母艦を相手にしたことがあるならば、厄介なこの艦種を早いうちに撃破したいと思うはずだ。しかし航空母艦は敵陣奥にいるケースが多く、発見は難しい。ジリジリと詰めていき、結局は最後に攻撃を仕掛けることが多くなるだろう。
そのため、飛んでくる艦載機に対しては対空砲で対処することになる。対空砲で迎撃された艦載機は、空母に戻ることで補充されて再出撃してくる。航空母艦に搭載された予備の艦載機は時間経過で補充されていくものの、なるべく数は減らしたいところ。一方で、対空砲の発射によって、敵に発見されやすくなる場合もある。対空砲での迎撃は自動だが、駆逐艦の場合は自動攻撃をオフにして見つからないようにすることも索敵する上では効果的となる。ただし、状況によっては味方艦と協力して対空砲で迎撃することも重要だ。発見された場合でも安全なように、自身が敵艦艇の射程範囲にいないかどうかが判断基準の1つになるだろう。
また艦載機を相手にする場合は、攻撃を仕掛けてくる爆撃機と雷撃機の違いを知っておくと、攻撃を受けそうなときに回避しやすい。雷撃機は魚雷で攻撃してくるため、敵機に正対すると避けやすい。爆撃機は基本的には縦列に爆弾を投下してくるため、敵機に船体横を向けると致命傷を受けにくい。敵艦載機に困っている場合は試してほしい。
一方、航空母艦でプレイする場合には、前述の爆撃機、雷撃機で攻撃ができる。気をつけてほしいのが、この艦載機の操作だ。艦載機はプレイヤーが実際に操作をすることになる。艦艇の操作とはまったく違った操作になるため、あらかじめTier4艦などを使用してCo-op戦で操作の練習をしておくことを推奨する。爆撃、雷撃共に、砲撃とはまた異なったコツが必要となる。また、攻撃以外にも艦載機で索敵することも可能。島を越えることができるため、駆逐艦以上に索敵能力は高い。ただし、敵艦に近づくと対空砲火を受けることになるので、攻撃と索敵のどちらを優先すべきかの判断が大切だ。
ちなみに、艦載機を操作中でも航空母艦はオート移動させることができる。敵に居場所がバレないよう、場所を変えながら戦おう。
筆者はこれら各艦種の役割を踏まえて、駆逐艦としてどう動くべきか考えてみた。まず、自分の練度では雷撃での轟沈を狙うことは難しい。近づけばチャンスはあるが、沈みたくはない。遠距離から砲撃するとしても、駆逐艦の砲撃で与えられるダメージは微々たるもので、位置を晒すことになる。となれば、まずは索敵でチームに役に立つべきだろう。
まずは仲間よりも先行して敵陣方面へ行き、敵艦に見つからないようにしつつ、自分は敵を補足できるように動く。さらに、味方の場所をわかりにくくするために、煙幕も的確に使用する。基本は味方のサポートに徹して、魚雷は当てようとは思わず牽制程度に。以上のようなことを意識し、とにかく沈まないようにしようと決めて、マッチに挑むことにした。索敵をメインとした駆逐艦の動きに、味方の巡洋艦と戦艦に砲撃で応えてもらう算段だ。
いざふたたび戦場へ
各艦を知り己を知って、駆逐艦で改めて出撃したマッチを紹介したい。そのマッチは制圧戦だった。マップ内にある3つのポイントを占領したり、敵艦を撃沈したりしてポイントを稼ぎ、先に1000ポイントを獲得したチームが勝利となる。今回は駆逐艦が4隻、巡洋艦が4隻、戦艦3隻、航空母艦が1隻という構成の、12対12のマッチとなった。
まずは開幕、自艦の配置はマップ中央左寄り。付近には巡洋艦と戦艦が2隻ずつ。味方艦の動きを見つつ、マップ北西の占領エリアA地点に自艦を進めていく。筆者はこのマッチまでに、索敵のために先行し、敵駆逐艦や航空母艦の艦載機に発見されて攻撃の的になる、ということを何度も繰り返していた。今回のマッチでは、駆逐艦は基本的には単体では何もできないとの考えのもと、味方のサポートに徹することを決意。味方の進行方向もしっかり確認しておいた。今度は、味方の状況もしっかり把握しつつ臨みたかったわけだ。
ちなみにチャット機能を利用して、味方と意思疎通を図ることも可能だ。ただし、アジアサーバーにいるのは日本のプレイヤーだけではないため、日本語が通じないケースがあることは覚えておこう。言葉が通じない場合は、ラジオチャット(定型文)を使用するのも有効だ。
A地点に到着して索敵すると、戦艦と巡洋艦を1隻ずつ確認。自艦の被発見距離である6.0km以内にならないように位置をキープして敵艦を捉えながら、ミニマップを確認する。敵航空母艦の艦載機は、味方の第2勢力が進行していたマップ南東のC地点におり、敵駆逐艦はC地点に1隻、マップ中央のB地点に2隻。残る1隻はA地点にやってくるだろうと予測する。つまり、自艦を発見する可能性があるのは、北西のA地点に来るであろう駆逐艦だけだ。
その予測は見事に的中。A地点に敵駆逐艦が1隻接近してくる。筆者はこちらを発見した敵駆逐艦の砲撃に被弾したものの、すぐに島影へ移動する。何かあったら遮蔽である島の影に入れるように進路を取っていたことが幸いし、敵巡洋艦と戦艦からの追撃は避けられた。一方で敵駆逐艦は、こちらの味方艦からの集中砲火を受けることとなった。さらに敵駆逐艦には、筆者が遮蔽に隠れる直前に発射した魚雷が直撃。こちらの被害を最小限に抑えつつ、相手の駆逐艦を轟沈させることに成功した。
目標地点に敵の駆逐艦、艦載機がいないのであれば占領のチャンスだ。残る戦艦と巡洋艦を視界に捉えながら、筆者はA地点の中に待機。エリアを占領するためにはしばらくの間、エリア内に滞在しなければならないためだ。なお占領の間も油断せず、敵の援軍には注意しておこう。今回は幸い敵の援軍はこなかったが、もし付近に敵の駆逐艦がいる場合は、発見されて相手の巡洋艦に狙われる可能性がある。
待つことしばらく、筆者はエリアを占領することに成功した。すると、敵巡洋艦は分が悪いと見たのか敵陣後方へ下がっていった。粘り続けていた敵戦艦は3隻の味方からの砲撃によって撃沈した。なおその際、いつの間にか味方の戦艦1隻が前方に進軍し、気づいた時には敵戦艦との死闘の果てに轟沈していた。前に出てきていたことに筆者が早めに気づいていれば、煙幕を張って守れたかもしれないと反省が残った。
この時点で、ポイントは800対550と自軍が大きくリード。自チームには駆逐艦が2隻、巡洋艦が2隻、戦艦が1隻残っている。一方、敵チームは駆逐艦が1隻に巡洋艦が3隻、航空母艦が1隻生存。5対5と艦数は同じだが、航空母艦が敵チームに残っているのは厳しい戦況だ。何より駆逐艦としては、艦載機に発見されて巡洋艦の的にされてしまうのは避けたい。そんな思いもあり、敵航空母艦に接近していく味方駆逐艦を見て、筆者も追随。危険は先手を打って排除しようという魂胆だ。
しかし、味方駆逐艦はその直後に撃沈され、航空母艦の艦載機の狙いは筆者の駆逐艦へと向けられる。この時の筆者は「雷撃で空母を沈めたい」という、戦いの前に置いてきたはずの雷撃狂としての血が騒いでしまっていた。6.0km先を行く航空母艦を、自分の獲物だと言わんばかりに追っていく。このときもはや周りが見えておらず、近くにいた味方巡洋艦が沈められたこと、さらに敵巡洋艦が迫っていることにも気づかなかった。残り時間3分を切ったタイミングで、筆者はあえなく撃沈。その結果、ポイントは敵チームに逆転されてしまった。手負いだった別の味方艦も撃沈。残った味方艦が何とか追撃したものの、時間切れで敗北となった。
戦闘後に立ち回りを振り返る
勝負の分かれ目になったのは、航空母艦を撃沈させようと思った前述の場面だろう。戦果を挙げようと逸る気持ちを抑えて、味方と連携を取るべきだったのだ。こちらには巡洋艦だけでなく戦艦も残っていたため、駆逐艦で索敵して残った巡洋艦を排除し、確実にポイントを獲得すべき場面だった。
結果としては敗北したが、この試合は筆者が経験してきたマッチの中でもかなり劇的な展開となった。戦況が刻一刻と変化し、どちらが勝つのかわからない展開からは、改めて本作の戦略の奥深さを感じさせられた。また自分の判断が勝敗に影響を与えてしまったということで、特に印象に残った。当時の味方への申し訳なさと共に、むやみな雷撃欲を出してはいけない自戒として胸に刻まれている。
一方で、手応えもあった。敵の駆逐艦を撃沈させてA地点を占領しつつ、敵戦艦を沈めるのに協力した初動は、うまく味方と連携がとれていた。ミニマップでの戦況の把握もできており、敵に対して数的有利を取ることも意識できていた。終盤でもこの意識が続いていれば、結果は違っていたかもしれない。
味方に申し訳ない、という気持ちは前提としてある一方で、たとえ負けた試合であっても、どうすれば勝てたのかを考えると楽しいものだ。終わった戦いを振り返り戦略を練り直すこともまた、重要なのだろう。知識を得たとしても、初めから使いこなすのは難しい。それぞれの要素や反省点を毎回の試合で意識して、今後も一歩ずつ上達していきたい。
次回からはどの艦種をメインに使っていくか悩んでいる方へ向けて、各艦種の特性をさらに詳細に紹介しよう。あわせて、各艦を使用する上でオススメの艦長スキルなどについても紹介していく。すでに愛用の艦種を決めている方にも、役立つ情報があるはずだ。まずは「巡洋艦・戦艦」の運用法を解説予定だ。
『World of Warships』は公式サイト、およびSteam/Microsoft Storeで無料配信中。