『第五人格』開発元が手がける海賊オープンワールドRPG 『シー・オブ・レムナンツ』では、随所でいろんな“ズル”ができる。白兵戦も海戦もミニゲームも、海賊らしくずっとゴキゲン

海洋オープンワールドRPG『シー・オブ・レムナンツ』を試遊した感想をお届けする。

NetEase Games傘下のJoker Studioが手がける、海洋オープンワールドRPG『シー・オブ・レムナンツ』。ゲーム内は日本語表記に対応しており、PC(Steam/Epic Gamesストア)/PS5/Xbox Series X|S/iOS/Android向けに2026年内のリリースを予定している。

本作は、海賊の世界を題材としたシングルプレイのオープンワールドRPGだ。主人公の人形は記憶を失った船乗りとして、人形たちが集う島「オートピア」に流れ着く。そしてオートピアやその周辺の島の人々との交流を経て海賊団を作り上げ、記憶を求める旅に身を投じることになるのだ。記憶を求める旅のなかで主人公が下す決断は、オートピアの結末に影響を与えることもある。また、主人公と行動をともにする少女「ロージー」に隠された秘密など、ストーリーを通してさまざまな謎も明らかになっていく。

今回メディア向けに本作の試遊会が開催され、弊誌も参加する機会に恵まれた。総括としては、何が起こっても深刻に捉えずにその日暮らしの生活を続けるという、享楽的な海賊気分が味わえるタイトルだった。また、同時に行われた本作のコンセプト説明会や開発陣へのインタビューも順次公開が予定されているため、興味のある方はぜひ楽しみに待っていてほしい。

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鮮やかな色彩で描かれる「人形の海賊」の世界

本作のプレイを始めて真っ先に目に入るのは、ビビッドな色使いで描かれる海賊の世界の鮮やかさだろう。本作の色合いは木々の緑、海の青、そして本作のテーマカラーであるローズレッドの3色がベースとなっており、くすんだ色で表現されがちな海賊ゲームのなかでは文字通り異彩を放っている。

時間帯や天候による景色の変化もダイナミック。

主人公の見た目は、体形を含めて自由にクリエイトすることができる。キャラクリの自由度は高めで、髪型やアイタイプなどの基本的な項目はもちろん、額やあごなどの細かいステータスまで変更できる。さらに嬉しいのは、クリエイトしたキャラのフェイシャル表現が非常に自然であること。プレイヤーの分身である主人公だけに、物語上での感情表現がしっかりと伝わってくるのは感情移入のしやすさの大きな手助けとなってくれた。

オートピアで生活するNPCたちにも一人ひとり名前が与えられており、個性豊かに描かれている。そのなかでも特に主人公の相棒となるロージーは特別で、本作に共通するエネルギッシュさや自由奔放さといった要素を象徴するキャラクターとして設計されている。はたから見ればかなりまずい状況でも平然としているその姿は、本作における海賊の在り方を体現している存在だ。

ところでJoker Studioで人形が登場するタイトルといえば、やはり思い出されるのは同スタジオの代表作『IdentityV 第五人格(以下、第五人格)』だ。ゴシックホラーを基調とする『第五人格』とビビッドカラーで描かれる本作では美術の方向性はまったく異なるようにも思えるが、『第五人格』で培われた人形表現の技術は本作にもしっかりと継承されていると感じた。

お手軽で大迫力の海戦

海賊を題材にしたゲームの一番の醍醐味といえば、なんといっても船での航海だろう。仲間たちとともに船に乗り込み、誰のものでもない大海原に乗り出す解放感は本作でもしっかりと味わうことができる。加えて本作は色鮮やかなアートスタイルで世界を描くことを重視しているため、船の上から見える景色も見栄えが良く、プレイヤーを飽きさせないことも特徴だ。

また、こういったジャンルのゲームでは船の操作が複雑に設定されていることも珍しくないが、本作は非常に直感的に船を動かすことができることも印象的だった。キーボードでもゲームパッドでも、行きたい方向に入力するだけでスムーズな方向転換を行ってくれるのだ。本作が目指す「お気楽な海賊生活」という方向性ともマッチした、良い塩梅の調整だと感じた。

そして船旅の途中で敵と出会えば、この手のゲームには欠かせないド派手な海戦の始まりだ。飛び交う砲弾を避けるスリルとこちらの砲撃を命中させたときの高揚感は格別であるかつ、上記の通り船の操作自体はシンプルなので、お手軽に大迫力の戦闘を楽しむことができた。一方で、海戦ゲーム特有の駆け引きもしっかりと持ち合わせている。たとえば、船はバックができず、後方に大砲をもたないため背面が死角となっている。その弱点を突くためにお互いがお互いの背面を狙って回り込みあう、海戦ゲームらしい一幕が展開されることもあった。

また船同士の海戦のみならず、個性豊かなモンスターたちと海の上で戦えることも本作の特徴だ。ゲームの序盤では大砲を抱えたゴリラ型の敵との海戦が繰り広げられるほか、ストーリーが進めば船よりも巨大な体格を誇る敵とも戦うことになる。陸の敵と海の敵ではデザインの方向性も一味異なるようで、海というフィールドの特性を活かした異形のモンスターとの戦闘も本作の海戦の特徴となっている。

海賊らしい“ズル”で差をつけるターン制バトル

リアルタイムで展開する海戦とは打って変わって、陸上の白兵戦はターン制のコマンドRPG形式で進行する。戦闘は決められた行動順に従って各々がアクションを起こしていくという王道のシステムで、かなりとっつきやすい。また、それぞれのキャラクターはその個性を反映した固有の能力が設定されているため、攻守のバランスが取れたチームを作ってもよし、速攻に特化したチームで敵を殲滅するもよしと、自分に合ったスタイルで戦闘を進めることができる。

……と、ここまでなら単にきれいにまとまったコマンドRPGといったところなのだが、本作の戦闘には海賊らしい“インチキ”ができる要素がいくつか存在する。たとえば、戦闘によって溜まったゲージを消費することで各キャラ固有の必殺技を発動できるのだが、ここで重要になるのは「必殺技は行動順を無視して好きなタイミングで発動ができる」ということ。場合によっては「自身へのバフ」→「通常攻撃」→「必殺技」というコンボで敵を行動させずに倒しきることも可能なのだ。行動順というルールをこちら側だけが無視できるという、“ちょっとしたズル”が心地よい。

“ズル”つながりで、攻撃を受けた相手が隙を晒したときに有用なテクニックも紹介したい。隙を晒した相手とはダイス勝負が可能となり、相手よりも大きな数字を出せれば有利な効果が発生するのだが、なんとこのときの相手の数字はこちらがダイスを振る前から視認可能。つまり、相手の数字が小さいことを確認した上で勝算の高い勝負のみを仕掛けることができるのだ。勝てない勝負からは降りて勝てるときだけダイスを回すというプレイを徹底しているうちに、なんだか本当に自分がズル賢い海賊になったような気がしてきてしまった。

もちろんこういったプレイが気に入らなければ、すべてのダイス勝負に真っ向から挑む男気溢れる海賊としてプレイすることも可能。各々が思い描く海賊のロールプレイを加速させてくれる、味わい深いメカニズムといえるだろう。

ミニゲームもイカサマ可能、相手を出し抜け

冒険の中では、世界中に点在するバリエーション豊かなミニゲームと出会うことになる。酒飲み対決や海上レース、賭けカードゲームなどの海賊らしさに満ちたミニゲームが用意されているのだが、特筆すべきは一部のミニゲームではイカサマが可能だということ。本作は海賊の気ままさや自由さをとことん重視しており、隙さえあればイカサマをするということもその表現の1つなのだろう。開発陣の世界観へのこだわりが垣間見える要素だ。

陽気な海賊のお気楽生活

海賊を題材としたゲームは数あれど、ここまで鮮やかな色彩を使って表現しているゲームは珍しく、新鮮な気持ちでプレイできた。プレイ体験もその色彩とマッチする軽快なものであり、戦闘やミニゲームの難易度がそこまで高くないことも含めて「お気楽海賊生活」をカジュアルに楽しむことができるタイトルに仕上がっていると感じた。現在は正式リリースに向けて、NPCとの交流要素や個別のストーリーが注力的に開発されていくとのこと。今後、より没入感のある海賊生活が作られていくことにも期待が高まる。

シー・オブ・レムナンツ』は、PC(Steam/Epic Gamesストア)/PS5/Xbox Series X|S/iOS/Android向けに2026年リリース予定だ。なお、PC(Steam)向けのクローズドテストも2月5日より開催予定。本記事で試遊したものと同じビルドでプレイすることが可能となっている。

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Daijiro Akiyama
Daijiro Akiyama

ゲームをすることと、ゲームの話をしたり聞いたりすることが同じぐらい大好きです。

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