戦闘なしオープンワールド『Caravan SandWitch』は味がある。『The Rise of the Golden Idol』がめちゃくちゃ面白かった。無料短編『Awaria』をプレイ。今週のゲーミング

Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。472回目です。

Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。472回目です。こたつが気持ちいいです。

クリアできなくても特典アートブックは買える

今週は、『Helltaker』開発元の新作パズルアクション『Awaria』をプレイ。無料の短編作品で、次々に故障するジェネレータを修理すべく、敵の幽霊が襲ってくるなか、パーツを製造して運ぶというもの。やることはシンプルだが忙しく、また狭いステージで多彩な攻撃が繰り出されるため、難易度はかなり高い。息をつく暇もなし。一方カットシーンでは、個性的かつかわいいキャラクターたちの絡みが描かれる。そこで本作の世界観を知ることもでき、作品の魅力を高めている。

なお本作のSteamコミュニティページでは、『Helltaker』に続き陽炎01型氏による日本語化ファイルが配付中です。ちなみにSteam Deckで本作をプレイすると、左スティックでのキャラクター操作が現状正しく反応せず(なぜか右スティックでは可能)。本体側のコントローラ設定で、左スティック動作に十字キーを割り当てると改善されました。参考までに。
by. Taijiro Yamanaka


神に死を受け入れてもらう少女たちの旅

今週は、『たねつみの歌』を遊んでいました。本作は母、娘、孫の3世代にわたる16歳の少女たちが、神々の国を冒険するノベルゲームです。メインキャラクターのみすずは、幼い頃に母をなくした高校生の少女です。彼女は16歳の誕生日に、過去からやってきた16歳の母・陽子に誘われ、未来の16歳の娘ツムギも誘って、不死の神々が住まう常世の国へ出発。たねつみの巫女として「本当の冬」が訪れるまでに、それぞれの国を治める神の長たちに死を受け入れてもらおうとします。四季の名を冠した国々を巡る、生と死、愛にまつわる壮絶な旅が繰り広げられます。なお本作は、「国」シリーズがプレイヤーから高く評価されている同人サークル「スタジオ・おま~じゅ」のKazuki氏による作品となっています。

本作でみすずたちは、神に死を受け入れてもらうために国々を巡るわけですが、もちろん儀式には多くの困難が待ち受けています。本作ではそうしたファンタジー世界を巡る冒険を、旅情をまじえて表現。緻密かつはっきりとした巧みな感情描写で、キャラクターたちの姿が紡がれていきます。キャッチーな要素こそ少ないものの、丁寧かつ贅沢な作りとなっていて、おおそよ10時間程度の旅はまっすぐで濃密。時に醜く、時に気高いそれぞれ必死に生きるキャラクターたちの姿が印象的でした。
by. Keiichi Yokoyama


人生に荒野の旅を

遅ればせながら『Caravan SandWitch』を遊んでいます。6年以上前に失踪したはずの姉・ガランスからの遭難信号を受け取った主人公のソージュ。姉を探すために故郷のシガロに戻り、砂漠を旅することになるわけです。

そんな本作は弊誌でもたびたび取り上げるところではありましたが、「戦闘無し」というのが特徴的。探索を楽しめるゲームは数多くありますが、敵の存在などを意識しなくてもいいというのが、まったりとした探索に繋がっている気がします。落下ダメージがなかったり、シビアなアクションパズルなどがないのも、物寂しさとささやかなワクワクが同居する本作ならではの取捨選択かなと思ったり。細かいところでは、一瞬でバンに戻れる機能が地味に嬉しい。

ストーリーでは荒廃した世界で懸命に生きる人々の暮らしも垣間見えるところがあり、そうしたやり取りの節々にもやさしさを感じる。ひとりひとりの価値観の尊重、というと大仰に映るかもしれませんが、各々の思うところこそあれど、それを許容しつつ緩く連帯するというシガロの人たち。そうした語り口も、「戦闘無し」という本作のスタイルがあってこそ輝くものなのだなと感じました。
by. Kosuke Takenaka


DLCリリースまで話覚えてられる気はしないが

『The Rise of the Golden Idol』をクリアし、余韻に浸っています。『the Golden Idol』シリーズは、「事故現場」を見て、トリックや動機、あるいは背景のストーリーを推理するゲーム。『Return of the Obra Dinn』システムですね。同作は全体を解き明かす仕組みですが、『the Golden Idol』シリーズは小さなエピソードがたくさんあり、章仕立てになっております。初代は本当に面白く、DLCは難しすぎてやや萎えつつ「続編は面白いが前作ほどではない」という評判を聞きながら遊びましたが、続編の方が好きかもしれません。

前作が近世・村・神秘という感じでしたが、今作は近代・社会・科学というところ。世界観もそうですが、謎を解いた後に得られる情報=褒美も多くて気持ちいい。謎解きの質も上がっていて、僕は「アパート」が好みですね。より推理ゲームとして洗練されている。前作の展開が鮮やかだったのでそちらが良いという人がいるのは理解しつつ、今作もたたみ方は面白く、カタルシスはしっかりありました。つなげかたがうますぎる。

ただ、難易度は前作同様にエグい。そもそも証拠による事件推察は根拠ありますが、ストーリー予測はほぼエスパーゲームなので、理不尽さは健在(前作DLCほどではないですが)。自分は完全自力は諦めてちょいちょいヒント見たり攻略見ました。が、それでも十分楽しめました。公式が「できるだけヒント見ずやってみ」姿勢ですが、浮かばないものは浮かばないし、見た上でも十分面白いので、詰まってストレス感じた人は、無理せずヒント見るのをおすすめしたいです。あと前作クリアしたらそのまま続編プレイすると、ライブ感強くて楽しかったのでおすすめです。
by. Ayuo Kawase

AUTOMATON JP
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