PS5『アストロボット』はずっっっっと面白いすごいゲーム。TPS+MOBA『Deadlock』にハマる。『ハリー・ポッター:クィディッチ・チャンピオンズ』は潔い。今週のゲーミング
Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。457目です。まだまだ暑い。
バター猫のパラドックス発動
今週は『CATO: Buttered Cat』をプレイ。猫とバタートーストが主人公のパズルアクションゲームです。ふたりは個別に操作でき、猫は基本的に歩きのみ、トーストはジャンプのみで移動。ステージでは、この移動アクションの違いを活かしたルート設定がなされ、また一方でしか操作できないスイッチやギミックなども配置。そうしたパズルをこなし、最終的に一緒に出口に入ることを目指す。
本作では、猫の背中にバタートーストを乗せるかたちで合体可能。すると「猫は常に足から着地する」と「バタートーストは常にバターを塗った面から落ちる」という2つの言説に矛盾が発生し、無限に空中ジャンプできるようになる。ステージでは、その合体と個別行動のタイミングも重要な要素。ちなみにトーストいわく「猫の背中は地面じゃねぇ」からバター面では接しないそうな。まだ序盤ですが、程よく頭をひねる難易度とかわいい世界観で、かなり好印象です。
by. Taijiro Yamanaka
えらい難しい
今週はプレイテスト期間中の『Deadlock』をプレイしました。『Deadlock』は『Team Fortress 2』や『Counter Strike』シリーズなど、ヒット作の多いValveが開発した6対6のマルチプレイオンラインバトルアリーナ(MOBA)系ゲームです。本作のイメージとしてはRiot Gamesが手がける『League of Legends(以下LoL)』のゲームプレイに、Blizzard Entertainmentが手がける『オーバーウォッチ2』のようなFPSシステムが融合した感じです。斜めから見下ろす『LoL』とは違い、FPSに必要なエイム要素や垂直の概念が追加されたことで、マップ全体だけでなく、上下の敵にも気を付ける必要があります。
ミニオンを狩ることで自分のキャラを成長させ、マーケットからビルド用の能力を構築。『LoL』のように戦闘をおこなっているレーンを任意に変え、道中の中立Mobを狩ることもできるので、すさまじく奥深いゲームプレイを秘めています。筆者はあらかたのFPSを触れてきましたが、MOBA系はほぼ初心者。必死にミニオンを狩っていると、いつの間にか別レーンから敵が強襲してきて引き倒される、ということが頻繁にありました。世知辛い。
なお本作唯一の難点として日本語対応がされておらず、その難解なゲームプレイを深く解説するチュートリアルというものがありません。公式による実装が待たれるところですが、有志による日本語化プロジェクトも存在する様子。アビリティなども複雑なので、キャラ解説などが載っているウェブサイトなどを調べることをオススメさせて頂きます。
by. Mayo Kawano
めちゃくちゃ洗練されているMOBA
現在クローズドテスト中のValve新作『Deadlock』をプレイしていました。ゲーム内容としては4レーン制のTPS+MOBAといった感じなのですが、本作はかなりMOBA寄りです。Valveの新作だし触ってみようかな、でも今からMOBAのルールをいちから覚えるのも面倒だな、と及び腰で始めてみたのですが、気がついたらむちゃくちゃハマってました。
筆者はMOBA系ジャンルで言うと『LoL』を少し遊んだ程度の経験しかないのですが、ゲームを成立させる、という最低限のラインですらかなりの知識量が必要なジャンルという印象。ただ本作はそこに至るまでの導線がすごく洗練されています。レーンは最初に自動で配置されるので、それに乗っていれば大丈夫。またビルドについても、ゲーム内でユーザー作成のビルドをインポートできるので、とりあえず人気のあるビルドを丸パクリしておけば「何を買えばいいかわからない」ということもなく、それっぽく仕上がります。あとはひたすらラストヒットを取ってファームして相手よりお金(ソウル)を貯める、高くて強そうなアイテムを買う、という事を徹底しておけばとりあえず対人戦には出られるようになるという印象。とはいえ一言で「相手よりお金を貯める」といってもそこが難しく、MOBAらしい奥深さと楽しさが詰まっているところです。
ゲームもほぼ完成しているのでは?と思うくらいすでに完成度が高く、丁寧に作りこまれているのを感じます。現在はSteamフレンドからの招待のみでしかアクセス権がもらえないのですが、そう遠くないうちに普通にリリースされそうなので楽しみです。
by. Jun Namba
暴力ときどきスポーツ
『ハリー・ポッター:クィディッチ・チャンピオンズ』を遊んでいました。時間と予算をほぼクィディッチづくりに注ぎこみました、みたいな潔さを感じるゲームです。会話シーンもグラフィックもシンプルめですが、クィディッチ部分は丁寧なつくり。クアッフルやらスニッチやらブラッジャーやらが飛び交う混沌とした架空スポーツが上手いことチーム競技としてまとまっている印象です。
まだCPU戦を遊んでいろいろ試している段階ですが、個人的には相手にブラッジャーを打ち込んで攻撃するポジション「ビーター」がとても好み。真面目にスポーツするほかの選手を追い回してどつき倒す背徳感とシュールさがクセになります。なんて野蛮な競技。とはいえスニッチを追うポジション「シーカー」の対処はビーター頼みですし、相手のビーターからチームを守るのもビーターの役割。チームの要といえるポジションになっており、CPUといえども味方を活躍させてあげられるとチームプレイ感があって楽しいです。特に自軍のシーカーがスニッチを取って喜んでいるのを見ると微笑ましい。でもやってることはえげつない。
by. Hideaki Fujiwara
常にプレイ体験100点
PS5『アストロボット』をプレイしています。もうすぐクリアかな?というところまでガッツリやってますが、尋常ではないぐらい面白い。前評判高いので、自分の言葉でユニークに面白さを伝えたかったのですが、ムリでした。真っ当に直球に堂々と面白いので、ただただ面白いというしかない。
しいて何かをいうとすれば、「技術的にすごい」が「面白い」に直結しているのがすごくいい。技術デモというのは、だいたいは圧巻や壮観ではあるものの、どっちかというと見ているだけのことが多い。今作『アストロボット』においては、技術的に面白い/すごいことをしていて、それが面白さにつながってるのが、しびれる。流体演算表現もただきれいなだけでなく、面白いギミックにつながってたり、DualSenseの演出がすごいだけでなく気持ちよさにつながってたり。
ビジュアル・サウンド・ゲームデザイン・テクノロジー・QoL、どれも高次元に融合しており、「楽しくない瞬間がない」、おそろしいゲームです。QAもしっかりされているし。どういう体制で、どれいうワークフローで作ったら、こんなものが生まれるのか。ものすごいゲームであると同時に、今作が優秀すぎて、今後こういったステージ型の3Dアクションゲームを作る人はちょっと大変になるだろうなと思います。
by. Ayuo Kawase