『FF16』体験版がめっちゃ「ゲーム・オブ・スローンズ」。携帯型PCゲーム機「ROG Ally」と「Steam Deck」を比較してみる。『シノビ ノングラータ』をプレイ。今週のゲーミング

Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。393回目です。

Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。393回目です。ゲームイベントシーズン一区切り。みなさんおつかれさまでした。

Allyの読みはエイライ


今週はASUSの携帯型PCゲーム機「ROG Ally」を購入。10万9800円と思ったより安かったため、ついポチってしまいました。Windowsベースとあって基本的に何でも動くというのはやはり便利で、これはゲームに関してもいえる。またどのストアのゲームであれ、専用ボタンで呼び出せる管理アプリから即アクセスでき、こうしたデバイスで細かいPC操作を毎回しなくて済むのはありがたい。

パフォーマンス面では、たとえば『ストリートファイター6』のベンチマークツールをターボモード(25W)で試したところ、LOW設定のデフォルト/1080pで93点でした。ファイティンググラウンドとバトルハブではほぼ常時60fpsに張り付き、ワールドツアーでは50fpsまで落ちることがあるといった感じ。

ライバルといえるSteam Deckと比較すると、スペック的にはROG Allyの方が多くの面で上ですし、実際より高いパフォーマンスで動作する。Windowsなので、いろいろと融通が効くのも良い。一方、煩わしいことを考えずにSteamのゲームだけをプレイしたいという人にとっては、Steam DeckのUXは優秀かと。6万円から買えるというのも強い。どちらかを選ぶとなると、価格を考慮しつつ、どのようなスタイルで使いたいかが判断ポイントとなりそうです。似ているようで根本の思想が違う両デバイスですので、バシッとは決めづらい。
by. Taijiro Yamanaka


Sinobi non grata


今週はゲームとゲームの間に『Sinobi non grata(シノビ ノングラータ)』を遊んでいました。本作はニンジャが幕府転覆を画策するニンジャと戦う、レトロゲーム風の2Dアクションゲームです。主人公のアクションとしては、2段ジャンプや無敵付きのローリング、カタナと6種類の忍具を使った攻撃などが用意されています。プレイヤーはアクションを駆使し、画面左右から敵が次々に現れる道中と、固有のパターンをもったボスを打ち破っていくわけです。また本作は基本シリアスですが、ガトリング砲を携えたカラクリロボット兵器など、ちょっと胡乱な敵も登場しています。

本作では一部ヒントの少ない敵の存在や、リトライ地点がボスから離れているなど、良くも悪くもレトロな空気が漂っています。ただし本作は、単なる懐古趣味ではありません。具体的には、主人公のHPは高め。アクションに慣れたプレイヤー向けではあるものの、ゲーム後半でも攻略方法やパターンを見切れば、ボスを意外とあっさり討伐できたりします。またリトライについても、ステージ構成自体は短めとなっており、再戦までさほど時間はかかりません。アクションそのものは素直に動かしやすく、2023年の作品なのに傑作レトロゲームを遊んだような、不思議なゲームプレイでした。
by. Keiichi Yokoyama


やたらと海外ドラマっぽい


『ファイナルファンタジーXVI』デモ版を遊んでいました。本作はデモ版を遊ぶ限りでも海外ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ(GoT)」の影響が色濃い。大人向けロマンスや国家間の政治描写のほか、流血シーンも多いです。もちろん表現自体はCERO:D指定の範囲内ですが。プロデューサーの吉田直樹氏によると、開発にあたって中核となるスタッフは全員「GoT」を視聴していたそうで、そうした開発方針が強く出ているなと(Eurogamer)。初めのカットシーンなどは、個人的には「GoT」っぽさがくどく感じられるほどでした。

一方で“召喚獣”は本作の物語・演出における個性になりそうです。特に召喚獣に変身してどでかい規模のバトルに発展していく様子を見ていると、大人向けでドロドロした展開の鬱憤が吹き飛ぶような気分に。「ウルトラマン」「仮面ライダー」といった国産ヒーローもの風でもあり、巨大な召喚獣がもたらすミクロな影響を描いている点は「ゴジラ」のようでもあります。ただ肝心の召喚獣合戦については、体験版で遊ぶ限りはインタラクティブムービーの域を出ず、やや冗長な印象も。回避のタイミングが分かりづらいといった遊びにくさもあり、ほかの召喚獣バトルはもうひと押し作り込みが欲しいところ。とはいえ体験版全体としては、映像作品としてもアクションRPGとしても楽しめる内容であり、発売を楽しみにしております。
by. Hideaki Fujiwara


Thank you for playing、じゃあないんだよ


『ファイナルファンタジーXVI』の体験版をプレイ。めっっちゃ「ゲーム・オブ・スローンズ」でした。少なくとも体験版は。とにかく暗い。しかしその暗さに引き込まれる。

ゲームとしては、かなり丁寧。全部のシーンにメッセージ性があって、UI/やシステムはすべて合理的。冗長なものは一切なく、少なくとも自分にとっては不満点はなかったです。ムービーの切り替え含めロード時間はなく、UIも排除気味。PC版についてローディングの問題で最適化が問題とたびたび吉田Pと言ってた話にも納得。全体的に没入感を途切れさせない試みが徹底されている。自分の中で『FF』といえばテックデモ的な印象が強く、そういう意味で『FF16』は地味な印象がありましたが、体験版を遊ぶ限り、ゲームあるいはファイナルファンタジーとして求められているもののニーズを把握し、とにかく丁寧に作られている印象です。

「ゲーム・オブ・スローンズ」っぽい展開も、自分には効きました。メディアインタビューで、『FF16』開発チーム内で「ゲーム・オブ・スローンズ」を見ていた、インスパイアを受けているといったコメントは出ていましたが、それも納得。「キャスタミアの雨」を彷彿とさせる凄惨っぷりでした。ただ自分は、「ゲーム・オブ・スローンズ」にのめり込みすぎて&暗すぎてメンタルダメージ受けた過去あり。『FF16』は物語的にとても楽しみですが、今後の展開には恐ろしさもあります。体験版クリア後は、しばらく放心状態でした。
by. Ayuo Kawase

AUTOMATON JP
AUTOMATON JP
記事本文: 882