ローグライク・スロットゲームに複雑気分。『LOST JUDGMENT:裁かれざる記憶』でキムタクに感情移入できず。『クロノアーク』を楽しく遊ぶ。今週のゲーミング


Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。370回目です。手洗いうがいを忘れずに。


正式リリース後もまだまだ進化


今週は『Skul: The Hero Slayer』を久々にプレイ。というのも次期大型アップデート「Dark Mirror Update」のベータテストが、Steam版にて実施中なのです。同アップデートでは、拠点である魔王の城に謎の鏡が出現。その鏡は並行世界に通じており、元いた世界に似ているものの、異なる歴史を辿っている様子です。ステージでは新たに追加された強力な敵が多数登場し、既存の敵は技が強化。追加ストーリーを含む高難易度モードとして実装されるようです。

一方で従来の世界についても、ステージのデザインや報酬システムが変更されるなど、いくつか大きな調整が実施。より遊びやすくなり、また新鮮な気持ちで楽しめて、これはありがたい。このアップデートは、現時点では1月12日に配信予定とのこと。ちなみに、本作はSteam Deckとの互換性が「非対応」となっていますが、実際には問題なくプレイ可能です。
by. Taijiro Yamanaka


クロノアーク


今週は、そろそろ本当に正式リリースが迫ってきた『クロノアーク』を遊んでいました。改めて説明すると、本作はそれぞれ専用のカードプールが用意されたキャラクターたちでパーティーを編成し、キャラクターたちにリソースを割り振ってデッキを構築していく、ローグライクなカードRPGです。各キャラクターにはパッシブスキルも用意されており、キャラクター同士の個性が上手く噛み合うこともあれば、思ったようにキャラクターやカードが引けず空中分解してしまうこともあります。根本的に要素が多くとっつきづらさはあるものの、ビルドの幅を中心にしっかり味わい深さも備わったゲームになっています。

エンディング目前まで追加されたと聞いてプレイを再開したのですが、前回遊んでいたのはおよそ2年前。当時とはバランスもすっかり変化しており、ついでにデータも綺麗さっぱり消えていたので、新作を遊ぶような気持ちで遊んでいます。いくらか遊びやすさも改善されているので、少しは入りやすくなっているかもしれません。ちなみに、EA1.99999で最終章が追加されたのですが、現在のバージョンはEA1.9999P。遊ぼうとするたびにアップデートが入っており、エンディング追加までにどこまでバージョンが進むのかちょっと楽しみになってきました。
by. Keiichi Yokoyama


キムタクとはシンクロできない


今週はSteam版『LOST JUDGMENT:裁かれざる記憶』を遊んでいました。前作『JUDGE EYES:死神の遺言Remastered』とあわせて、いわゆる“キムタクが如く”2作品をどちらも遊び終えたかたちになります。『龍が如く』シリーズファンとしての視点から感じるのは、「どうも物語や主人公にシンクロできない」という一歩引いた感覚でした。

筆者が『龍が如く』シリーズで味わえた没入感が、どうして“キムタクが如く”では控えめなのか。その理由のひとつとしては、そもそも「キムタクに感情移入するのが難しい」というのがありそうです。木村拓哉さん演じる本作主人公の八神隆之は、プレイヤーが自由に動かせる珍しいタイプのキムタク。しかしながら、(メインストーリーでの)キャラクター性としては、我々がテレビドラマでずっと見てきたキムタクの範疇を出ません。そのため、どうしても「超イケメン族のキムタクが、なんかかっこいいことをやっている」という他人事感が拭えないのではと考えています。その点では、相棒である海藤さんの方が、『龍が如く』シリーズの桐生一馬や春日一番のように感情移入しやすい存在である印象です。

一方で、「キムタクを動かせる」という点は本作の唯一無二の面白さでもあります。年始はいろいろ大変だったのですが、「こんなことキムタクにさせるなよ」というサブストーリーの数々を頭をからっぽにして遊ぶのは、なかなか癒やしの時間でした。ありがとうございました。
by. Seiji Narita


面白いけれど


Steamで正式リリースされた『幸運の大家様』をプレイしています。ローグライク・スロットゲームと一部で称されており、かなり興味があったので、正式リリースに際してプレイしてみました。感想としては、面白いけれど簡素!という感じです。

ゲーム自体はスロット形式なのですが、柄合わせというよりそれが出るか隣り合わせるかといった感じ。手動で目押しとかはできない。スロットを回すたびに新たな柄が追加され、柄ごとに効果が違うので、その柄同士のシナジーをいかにあわせるかという、シナジー特化型のゲームです。なので、デッキ構築ゲームっぽいのは確か。AがあればBの効果が高まる、Bが多いほどCの効果が高まる、みたいな感じで柄の掛け算をしていく感じ。

ゲームシステムとしてはかなり面白い。いかにシナジーを組み合わせるかが鍵で、効果も見やすく柄削除(いわゆるデッキ圧縮)も容易なので、運ゲーながらもデッキは組みやすい。ゲーム後半からシナジー効果がないと明らかにクリアできなくなっていくのも含めてよくできてる。ただビジュアルや導入などが簡素すぎて、あんまり脳汁が出たりのめりこめないというか。ルールも単一。セールなどで買えば大満足だったと思うのですが、定価1200円で買ったので、いろいろ思うところあり。体験価値としては間違いなく相応の楽しさは提供してくれているのですし、こういう小規模ゲームにしっかりお金払いたいのですが。ううむ、人間心理って難しい。
by. Ayuo Kawase