『エルデンリング』の英雄墓を絶対に許さない。ダンジョンRPG「芋花」を楽しむ。『トライアングルストラテジー』で姑息な戦法を楽しむ。今週のゲーミング

Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。327回目です。

Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。327回目です。春ですね。

『Unruly Heroes』開発元の新作

今週は、Steamでの早期アクセス配信が開始した『Have a Nice Death』をプレイ。死を担う会社のボスである死神が主人公の2Dアクションゲームです。ナマイキな部下たちが暴走し超多忙になったことから、社内の各部署を巡りガツンととっちめてやるというお話。いわゆるローグライク要素のある作品であり、ランダムに用意されたステージを進むなかで、新たな武器やアップグレードを入手しながらボスを目指す。そして、死んだら最初からやり直しとなるが、恒久的なアンロック要素が用意されている。

近年人気のジャンルに、また新たな作品が出てきたかたち。基本的なシステムはオーソドックスといえるが、3つの攻撃を使い分けるハイペースなアクションが特徴のひとつで、開発途上にしては手触りが良い。またアート面のクオリティが高く、NPCとの会話もユーモアがあって楽しい。そうした世界観構築によって、独自性を高めている印象です。
by. Taijiro Yamanaka


楽しすぎ

『トライアングルストラテジー』を遊んでいました。HD-2Dで作られる、骨太タクティカルRPGです。難易度ノーマルでもそこそこ難しく、キャラを戦闘不能にさせずにマップをクリアできたことがほとんどありません。物語中の決断をNPCとの多数決で決定する「信念の天秤」システムがある関係なのでしょうが、キャラロストがなくて本当に助かった。「信念の天秤」による投票は「態度保留のNPCもいるし、だいたいプレイヤーの思いどおりになるでしょ」と思っていたんですが、中盤は思いどおりにならないこともあって少し驚き。主人公の信念パラメータがNPCの投票先に補正を加えているのでしょうか。だとすると、私の信念は一貫していないということ……?そんなバカな……。

バトル面は期待していた以上に面白く、かなり満足しています。本作は罠系のスキルを使えるユニットが多く、足止めや突き落としなどの手段が多い印象です。特にイェンスの「ばねトラップ」が大好きで、ことあるごとに仕掛けまくっています。踏んだ敵を任意の方向にノックバックさせることができ、はしごを登った先などに置いておくとかなり悪い笑顔になれるのです。敵を足止めするトラバサミを設置できるルドルフもお気に入り。本作の物語は正攻法で太刀打ちできない相手に立ち向かう内容が多いですし、戦う手段は選んでいられませんよね。
by. Aki Nogishi


現代的な3DダンジョンRPG

今週は、幻の種を求めて遺跡に潜る3DダンジョンRPG『両手いっぱいに芋の花を』を遊んでいました。本作の舞台は、土壌汚染により作物の栽培が困難になった世界です。プレイヤーは、かつて錬金術師が作り出したという種を手に入れるため、遺跡を調査。貸し宝物庫として利用されていた、ダンジョンの奥地を目指していきます。

本作は、大枠では3DダンジョンRPGのフォーマットに沿っています。コマンドバトルで敵と戦い、3Dで描かれたダンジョンを進み、目的の達成を目指すわけです。ただし、敵とのエンカウントに固定シンボル制を採用。全滅時のペナルティも存在しないため、気軽に遊びやすくなっています。また戦闘では、行動ごとに消費するスタミナと、敵の行動の予告が取り入れられています。防御や回避といった、敵の行動に対するコマンドも存在。敵の攻撃が重いため、スタミナ管理や行動を誤って、1ターンでパーティーが壊滅することもよくありました。個人的に、3DダンジョンRPGの良さを尊重しつつ、現代的なアレンジが施されていたように思います。世知辛いフレーバーも相まって、濃い時間を過ごせました。
by. Keiichi Yokoyama


許せないし許さない

今週は『エルデンリング』と『両手いっぱいに芋の花を』をプレイ。いろんな楽しい思い出がありますが、『エルデンリング』の英雄墓への憎悪がすべてを覆い隠しました。本作には小規模ダンジョンとして地下墓がありますが、地下墓の大きい版として英雄墓があります。それぞれの地域にいろいろと英雄墓がありますが、どれも凶悪なのです。地下墓も大概意地悪なのですが、英雄墓は悪意の塊みたいなダンジョンです。不意打ち・欺き・急襲・ダメージ床。嫌がらせオールスターみたいな構造。そして、そこに即死ギミックが合わさることで、一線を超える邪悪さになっています。3つの英雄墓を走破しましたが、いずれもクリア時泣きそうでした。達成感より、メンタルダメージと疲弊が強い。

本作の死は、基本的には理不尽感はあれど、納得感はあります。ただ、英雄墓はなんというか、理不尽さの限界突破感がすごい。とくに即死ギミックが群を抜いて理不尽。対処法もありますが、にしてもひどい。本作の中でも、異次元のストレスでした。そのせいで、ほかのダンジョンでの意地悪設計へのストレス耐性がぐっと高まってしまった。英雄墓と比べれば……と思うと、どんなことも乗り越えられる気がします。『エルデンリング』は変わらず大好きですし、プレイ体験も極上。ただし、英雄墓については絶対に許さない。許されない。エルデの王になって、英雄墓をこの世界から追放してやる。
by. Ayuo Kawase

AUTOMATON JP
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