Nintendo Switch 新作姫ゲーは性表現特化。『FF14』の「万魔殿パンデモニウム零式:辺獄編」を初週踏破。『Covid Simulator』が恐ろしい。今週のゲーミング


Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。320回目です。おうちでゲームしましょう。

春にはPS4/Xbox One版も配信予定だとか

今週は『ダンジョンマンチーズ』のNintendo Switch版を少しプレイ。ゾンビとして蘇った主人公が、倒した魔物を素材に料理して食べたり、武器や防具にしたりしながらダンジョンを進んでいくアクションゲームです。料理を食べると、各種ステータスアップや移動・攻撃アクションの追加など、最大7つまで能力を獲得。能力自体はまともなものが多いが、素材が素材なだけにビジュアルやテキストがユーモアたっぷり。また、主人公に調理技術を教えてくれるシマー先生たちとの会話はギャグ漫画的。楽しい作品です。

実は本作は、PC版がまだ早期アクセス中でコンテンツが完成していない。そうした作品がNintendo Switchで配信されることは珍しく、そのあたり任天堂はどういったスタンスなのか興味があります。ちなみにNintendo Switch版は日本語に先行対応しており、残るエピソードはアップデートで追加されるそうです。
by. Taijiro Yamanaka


ダンジョンイクサ

今週は、あとらそふとさんの制作した『ダンジョンイクサ』を遊んでいました。本作は、新たな魔王となって魔王軍を再興する、ダンジョン制作RPGです。世界には、先代魔王の死後に苦境へ陥った魔族たちや、酷い治世に苦しむ人間の集落などが存在しています。プレイヤーは新たな魔王として、魔族の解放や大陸の支配を目的に行動。自らパーティーを率いてコマンドバトルをおこない、村や都市などの敵拠点を制圧し、徐々に勢力を拡大していきます。一方、悪名を轟かせる新魔王の居城には、首を狙って人間たちがやってきます。プレイヤーは、勢力の拡大と並行してそうした魔王城への来客にも対応。城内にトラップ部屋を配置したり、敵を待ち受ける魔物たちを強化したりなど、ダンジョン制作も進めていきます。

本作には、魔王の行動で上昇するシステム「悪名」があります。税金を取り立てたり、捕まえた敵と引き換えに身代金を要求したりなど、ヘイトが溜まりそうな行動をすると悪名が上昇。悪名レベルに応じて強い敵がダンジョンに襲来するので、無計画に悪名を高めると迎撃がままならなくなるわけです。アイテムが多すぎてレシピの解放が煩雑ではあるものの、敵拠点の攻略と並行して敵を調整するゲームプレイが特徴的な作品でした。ところで、敵の襲来時は稼ぎ時でもあるのですが、効率的に稼ぎつつ死んでもらう構築を考えた結果、サウナ付きのカジノが建造されていました。
by. Keiichi Yokoyama


走れ

『FF14』の「万魔殿パンデモニウム零式:辺獄編」を初週踏破できました。バリアヒーラーでジョブをコロコロ変えながらの攻略でしたが、学者の疾風怒濤の計はやっぱり強い。通常スプリントの倍の時間、しかもパーティメンバー全員を走らせることができるのはすさまじいです。とはいえ対抗馬の賢者が微妙というわけではなく、こちらは無詠唱でバリアを付与できる点が使いやすかったです。しかし、ヒーラーが詠唱できないほど動かされ、かつバリアがなければ耐えきれない攻撃が来る……という場面は絶でもなければそう来ないため、賢者のこの強みを活かせる場面はさほど多くないかもしれません。

ヒーラーとして気になるのは、3層の生苦の炎についてです。回復力低下デバフがついているなかで瀕死の味方HPを全快まで持っていく必要があり、おそらくヒーラーの難所として設計されたのでしょう。しかし現状は占星術師のマクロコスモスを使えばかなり簡単に突破できてしまうことが、ピュアヒーラーの対抗馬である白魔道士の方を中心に議論されています。古くは「大迷宮バハムート:侵攻編2層」で召喚士に適正がありすぎたことなどが思い出されますが、特定のジョブが圧倒的に有利なギミックというのを久しぶりに見たのでかなり驚きました。マクロコスモスを救済策とする意図で作られたのか、それとも単純に設計ミスなのか、少し気になるところです。
by. Aki Nogishi


人間性が問われている気がする

今週は『Covid Simulator』で遊んでました。本作は新型コロナウイルスを題材にしたシミュレーション。ウイルスに対処しながら企業の売り上げアップを目指します。まずは国内のウイルス感染状況を反映した職場を作成しゲーム開始。すると速攻でウイルスは蔓延し、高熱により出社できない従業員が増加。それもそのはず、我が社ではマスク着用を義務付けてなかった。ウイルスの影響で、企業の売り上げも右肩下がり。被害は更に続き、メディアのネガティブ報道の影響からか、従業員による反ワクチン運動が勃発。当初はウイルスおよび騒動への対処法が分からず、従業員を片っ端からFIRE(解雇)して事を納めます。あらためて思い返すと、その対処の冷酷さに我ながらゾッとしました。

しかし、それでもワクチン&マスク否定派が企業の一部を支配しています。ワクチン接種をためらう従業員の多様性を本当は考慮してあげたい。とはいえゲームの目的は収益を上げることなので、心を鬼にするしかない。後に良い対処法を発見。それは従業員に多くの休みを与えること。勤務時間削減の影響で、あらゆる事柄に否定的だった従業員がマスクやワクチンを推奨するような動きを見せ始め、それに伴い売り上げも上昇していきます。お休みって大事ですね。ゲームの題材だけに賛否ありそうですが、他プレイヤーはどういうモチベーションで遊んでいるのかが気になる……そんな作品でした。
by. Yu Naganeo


ゲームジャンルって難しい

Nintendo Switch向けにリリースされた『デュエルプリンセス』を遊んでます。定価は2780円とQurante作品の中では高めですが、それだけに気合入れて作られています。形式としては、コストを消費しユニットを召喚。進軍させて相手の城を落とすストラテジー。ユニットにはそれぞれ固有の能力があるほか、3すくみシステムも存在するので、戦術性あり。マップの最後で待つ相手のボス姫を倒せば、お仕置きという名のムフフ演出が挟まれます。このムフフ演出は、CERO Dのギリギリを攻めた内容。CGの美しさも相まって、勝利のご褒美に相応しい内容になっています。本作のSteam版は審査でリジェクトされたようです。おそらく性表現強化版だからかと思いますが、Switch版よりさらに過激となるともはや想像がつかない。

一方でゲームプレイ面は、城とり合戦のフェイズはやや緩慢。本作のユニットはカードのような扱いで、ユニットをどうピックするかでゲームプレイが変わるという意味で、デッキ構築要素のあるローグライトゲームを謳っているようですが、シナジーや圧縮などはあまり存在せず、同ジャンルのゲームとしては戦略性浅め。敗北してもユニット強化からの再挑戦もできるので、パーマデス要素もなし。ゲーム自体は丁寧に作られており、たしかに人気のデッキ構築ゲームに関する要素は取り入れられているのですが、これをローグライトと位置づけるのは語弊がありそうだなと思いました。やはりご褒美がメインのゲームかなと。
by. Ayuo Kawase