オープンワールド配達『Lake』で田舎帰省。『溶鉄のマルフーシャ』は遊びやすくも過酷。MMORPG『MIR4』マイニング合戦が熾烈。今週のゲーミング
Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。301回目です。夏と秋の間ぐらいです。
今度は軍隊にかぶりつく
今週は、サメゲー『Maneater』のDLC「Truth Quest」が配信されたため少しプレイ。メインストーリーのクリア後に、本編のオープンワールドとは切り離された海域にアクセスできるようになります。そこには謎の軍事施設が建つ島があり、何やら陰謀めいた物語が展開。また、一般人はおらず兵士ばかり。船もすべて警備艇です。そのため人を喰うまでもなく、通りがかっただけで船から陸から撃ってくる。
新規ミッションとしては、たとえば兵士が投げてきた爆弾を弾き返して、指定の施設を破壊するものがある。本編では使いどころが限られていた技ですが、こちらではバトル中も多用することになるでしょう。そして頂点捕食者には、主人公のサメ同様に進化し、特殊な攻撃をもつ海洋生物が登場。倒すと、原子エネルギーを扱う新たな進化を獲得できます。通常の海洋生物にも強力な種が存在し、ゆったりと海の世界を楽しめる雰囲気ではなさそうです。
by. Taijiro Yamanaka
詰まないし積ませない
『溶鉄のマルフーシャ』を遊んでいました。ドット絵で描かれた女の子が可愛い2Dのシューティングゲームです。パン屋の店員だった主人公マルフーシャが徴兵され、100日間国境の門を守ります。敵の機械兵は画面右からやってきて、左にいるマルフーシャが門を守るシンプルなゲーム。普段は2Dドット絵のゲームをほとんど遊ばないのですが、Twitterで偶然見かけて購入しました。知らないゲームジャンルにえいっと飛び込んでみるのも良いのかもしれません。ドット絵で描かれた女の子は可愛いのですが、癖が強い。たとえば味方のフェリセットさんが眠いので風呂に入れろとマルフーシャにお願いする場面があり、そのぐうたらぶりに感心しました。
難易度は高くなく、1時間ほどあればエンディングを見ることができます。積みゲーに悩む人は多いと思いますが、そういった心配がないのもこのゲームの美点です。門が破壊されるとゲームオーバーですが、基本的にコンティニューし放題なので詰まることはないかなと。やりこみ要素もありつつ、手軽に遊べるゲームでした。
by. Kaisei Hanyu
ショットガンはすべてを解決する
今週は、迫りくる無人兵器から門を防衛する2.5DSTG『溶鉄のマルフーシャ』を遊んでいました。主人公のマルフーシャは、戦争中の国でパン屋の店員として働く女の子。ある日、兵員不足からマルフーシャも徴兵されてしまい、衛兵として国境付近の門を守って戦うことに。少女たちの世知辛い戦いが描かれていきます。ジャンルは、ストアページではハイテンポシューティングと称されていますが、拠点を守って戦う2.5Dアクションシューティングゲームといったところでしょうか。
ゲームとしての本作は、万人向けの難易度です。仮に門が破壊されてしまってもリトライが用意されていますし、誰でもプレイしやすいと言えるでしょう。だいたいのことはショットガンとSMGが解決してくれます。本作では、易しめなゲームプレイの上に、前線に送り出されてしまった少女たちと、彼女たちの生きる世知辛い世界が表現されています。1日ごとに選択するローグライト風の強化要素があるのですが、強化費用はなぜかマルフーシャ自身の支払い。強化費用を捻出する給与も、戦いの激しさと共に増加する税金によって手取りが少なく、貯金どころか明日を生き抜くのに精一杯な有様です。ドットで描かれた可愛らしい少女たちと、理不尽で過酷な世界が同時に摂取できる作品でした。
by. Keiichi Yokoyama
ここは羅生門か
今週はMMORPG『MIR4』を遊んでいました。本作には「ゲーム中で入手できるアイテムを、DRACOというトークンへの変換を経て暗号通貨に変えられる」という特徴があり、該当アイテムである「黒鉄」の採掘場は無心に“マイニング”をし続けるユーザーでごった返しています。意外なことに黒鉄はそこまで稀少ではなく、デイリークエストや採掘でかなりの量が入手でき、装備の強化などで頻繁に消費する重要資源となっています。一方で、黒鉄をDRACOに変換するにはかなりまとまった量が必要であり、ゲーム内での成長とトレードオフの関係になっています。多くのプレイヤーの欲望の対象である黒鉄。効率よく採掘できるゾーンでは、骨肉の争いが日常茶飯事です。
例としては、筆者が良質な採掘ポイントに手を出すとほぼ同時に瞬殺されるという事件がありました。私を倒したプレイヤーもほかのプレイヤーに倒され、新たな勝者も襲われ……弱肉強食です。「すごいものを見た」という奇妙な満足感を感じる出来事でした。また、黒鉄以外の効率のよい稼ぎポイントを占拠する集団に襲いかかられたり、薬草を摘んでいるだけで“辻斬り”に遭うといった心温まる一幕がありました。一部プレイヤーたちの欲望剥き出しの行動は、暗号通貨の絡むシステムゆえでしょうか。人々が織りなすカオスを間近に目撃できる、特殊な魅力のある作品です。
by. Seiji Narita
割と忙しいゲーム
オレゴン州の郊外で配達員として生活する『Lake』をプレイ。都会にきた主人公が、2週間という決まった生活の中で、配達を中心とした生活を送ります。ざっくりと説明すれば、昔住んでいた田舎に帰り、馴染みの人たちと挨拶したり、昔と違う部分に思いを馳せたり。そうした主人公の個人的な体験が描かれます。
ぼちぼち広さのあるProvidence Oaksがオープンフィールドで作られており、ここを車などで移動するドライブゲーム的側面あり。スローライフゲーム風味にも聞こえますが、割とやることはある。多くの配達を完了させたり、道中の人々のお願いをきいたり、真面目にプレイすれば結構あくせくするかもしれません。とはいえ、自分のペースで進められるゲームです。ゲーム内では自由に移動可能ですが、人を轢いたり事故を起こしたりはできません。そういうゲームではないようです。
ビジュアルは美しく、物語もクセはなくしっかりしている。旧友との再会がぎこちなかったり、オフだったはずなのに仕事の連絡がきたりと、現代社会における「帰省する」という体験が丁寧に描かれます。ただ、キャラの感情表現が重要ながら、フェイシャルモーションがぎこちなかったり、テキストまわりがバグっていたりと、気になるところもぼちぼち。人とのつながりの描かれ方は美しく、優しいゲームではあるので、気になった方はプレイしてみてください。
by. Ayuo Kawase
【UPDATE 2021/9/6 9:00】
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