X(旧Twitter)は11月1日、同サイトにおけるAPI(Self Serve X API)の仕様および価格を変更した。この変更によりBasicプランの価格が2倍に引き上げられたほか、無料プランにおける「1か月にAPIを通じて投稿可能なポスト数」などが厳しく制限された。この措置の周知が十分に徹底されていなかったこともあってか、SNS連携プログラムの不具合などで困惑するユーザーが続出している。
今回仕様が変更されたAPIとは、アプリケーション・プログラミング・インターフェイスの略。外部サービスやゲームなどが、Xへの投稿/ポストの取得といった機能を利用する際の窓口となる。たとえば弊誌では、このAPIの仕組みを利用して、新しい記事の公開時に自動もしくは半自動的にX向けに投稿を実施している。
このAPIを巡っては、Xの旧称であるTwitter時代からさまざまな変更や議論があった。特にイーロン・マスク氏によるTwitter買収後には、仕様が流動。昨年半ばにかけて「API有料化」や「突然の停止と再開」といった不安定な状況も見られた(関連記事)。それからしばらくは、(X自体の仕様変更が物議を醸すことはあったものの)API周りに関してはそこまで大きな変化はなかった。
しかし本日、XはこのAPIの仕様を大幅に変更した。まず、有料プランについては、Basicプランが月間100ドル(約1万5252円)から200ドル(約3万506円)へと二倍に値上げ。Basicプランは月間ツイート(X公式発表でTweetと表記)数が1万から1万5000へと引き上げられたものの、かなり思い切った変更だ。
さらにインパクトが大きいのは無料(Free)プランにおける制限の大幅強化だ。Freeプランの月間ポスト数制限は、かつて「1500ポスト」だった。そして今回の発表によれば、その月間ポスト数制限は、500に縮小されるとのこと。大幅な制限強化となるものの、月間500ポストあれば、弊誌システムを含め、引き続き問題なく稼働できる連携プログラムも多そうだ。
ところが、現在X上では「月間50ポストしかできなくなった」と報告するAPIユーザーが散見される。弊誌側でも、Xの開発者向けポータルの管理画面にて「月50ポストまで(post up to 50 Posts per month)」との制限表記を確認しており、投稿システムもエラーで停止している。X側は本稿執筆現在、前述の告知のほか、プラン選択画面でも「500 posts per month(月500ポストまで)」と表記。Freeプランの制限について、告知・表記と実態が食い違っている状況に思える。
また、今回の変更により「1日のポスト数制限が、17件までと厳しくなった」との報告もなされている。こちらも弊誌側で、該当する機能に対して「17 requests / 24 hours(24時間に17リクエストまで)」との制限が設けられていることが確認できた。
なお、今回の仕様変更については、現地時間で今年10月24日には告知されていたようである。ただし、告知されたのは開発者向けコミュニティ上のいちスレッドであり、開発者向けX公式アカウントなどで本格的に告知がなされたのは10月30日だった様子だ。値上げについては一部で話題になっていたものの、フリープランのポスト数制限含めて周知が行き届いていたとはいえない状況だろう。