Steam運営元Valveが“いちゃもん特許訴訟”を返り討ちに。「約束破り」を訴え返し、総額およそ2500万円勝ち取る
裁判所はValveの主張が前面的に認めた。

ゲーム販売プラットフォームSteamを運営するValveは、過去にLeigh M. Rothschild氏と特許について合意していた。しかしRothschild氏によって過去の合意を覆す訴訟がおこなわれたとして、Valveは2023年に同氏を提訴。先日2月17日についにその判決が下り、Valveの主張が前面的に認められたようだ。
Leigh M. Rothschild氏はアメリカの発明家兼起業家だ。同氏は複数の関連企業を通じて多数の特許を保有している。一方で、2019年のオープンソースの画像管理ツール「Shotwell」に対する訴訟などを巡って、一部海外メディアからはみだりに特許権を行使してライセンス料を請求する行為、いわゆる「パテント・トロール(patent troll)」であると批判されている。
Valveは2015年6月に、Rothschild氏の関連企業であるDisplay Technologiesから、米国特許第8671195号への特許侵害で訴訟を起こされた(RPX Empower)。この特許はネットワーク経由でのファイル通信プロトコルに関するものであり、Display Technologiesは同時期にNVIDIA、Samsung、Sonyなどの大企業に対しても提訴していた。ValveとDisplay Technologiesの両社はその訴訟の解決のため、2016年に包括的和解およびライセンス契約(Global Settlement and License Agreement)を締結。このライセンス契約には、永続的かつ取り消し不可などの条件が盛り込まれており、今後侵害で訴えないといったことも約束されていた。

しかし、その後Display Technologiesは2022年9月に、Valveに対して同社のSteam Deckが米国特許第9300723号に違反しているとして訴訟を起こす。この訴訟は翌月に取り下げされたものの(Justia)、Valveはその後他の特許を巡っても権利を主張されることに。Valveはこれが2016年に締結した包括的和解およびライセンス契約に違反する行為であるとして、2023年7月にワシントン州西部地区連邦地方裁判所にて提訴。この訴訟は、Rothschild氏個人を相手取るほか、同氏の関連企業、そして弁護士などをまとめて被告人とするものであった(Justia)。
そして、今年2月17日についに判決が下され、裁判所はValveの主張を全面的に支持。Display Technologiesによる2022年の訴訟は、包括的和解およびライセンス契約に対する重大な違反であると認められ、裁判所は被告に13万ドル(約2000万円)の支払いを命じた。また裁判所は、悪意をもった特許侵害の主張をおこなったとして、被告全員がワシントン州パテント・トロール防止法(Washington Patent Troll Prevention Act)およびワシントン州消費者保護法(Washington Consumer Protection Act)に違反したと判断。損害賠償として総額およそ3万ドル(約460万円)の支払いが命じられた(CourtListener)。
アイデアを生み出した発明者の権利を守る仕組みとして重要な特許。一方で、特許違反を巡る訴訟は長期化するケースも多く、企業によっては弁護士費用を支払うよりも和解金を支払う方が費用も時間も少なくて済む、といった状況もあるとみられる。こうした背景から、パテント・トロールと呼ばれるような特許訴訟が発生している状況もあるのかもしれない。今回の判決は、Valveが和解ではなく“真っ向勝負”に出て勝利を掴んだ点でも注目されているようだ。
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