Steamを相手取る「最大1400万人規模の英国集団訴訟」、認可を受け本格始動。推計約1375億円の賠償求める訴訟

英国にて、Valveを相手取って2024年に提起されていた集団訴訟が進展。集団訴訟として認可され、審理が継続するかたちだ。

Steamを運営するValveを相手取り、英国で2024年に提起されていた集団訴訟が進展を見せた。Valveは集団訴訟の要件を満たさないといった反論をおこなっていたが、このたび裁判所に集団訴訟として認可を受け審理継続が決定した。

同訴訟はデジタル権利活動家のVicki Shotbolt氏が英国の競争審判所に対し、英国全土のPCゲーマーを代表してValveを相手取って提起したもの。同氏は、ValveはSteamを通じて独占的な販売戦略を行い、それによって英国民のPCゲームユーザーが損害を被っているとの主張をおこなっている。

具体的にはパブリッシャーに対し、他のプラットフォームで有利な条件でゲームを販売することを制限しているほか、ゲーム内購入をSteamの決済サービスを通じておこなわせる仕組みが設けられていると主張。そうした仕組みが価格競争の妨げになっており、さらにはストア手数料が“過大”であるとして、最終的に消費者に負担が転嫁されていると訴えていた。

[AD]

そんな本訴訟ではオプトアウト方式の集団訴訟の申立て(collective proceedings order)がおこなわれた。「2018年6月5日から英国でPCゲームや追加コンテンツの代金を支払ったすべての人」が自動的に原告の対象となり、最大で1400万人が対象になるという。勝訴した場合の推定補償額は6億5600万ポンド(約1375億円)で、1人あたり約22ポンド(約5000円)から44ポンド(約1万円)の範囲で補償されるとのこと。

なお今回の英国での訴訟は2024年に提起されたものの、Valveは集団訴訟の申立ての要件を満たしていないといった反論をおこなっていた。とはいえ今回は競争審判所がShotbolt氏側を集団訴訟の代表として公正かつ合理的であると認め、またValveの反論を退けるかたちでオプトアウト方式の集団訴訟として開始することを認めた格好だ。

ちなみに、オプトアウト方式とは、集団訴訟において、当事者とみなされる人々が原則として自動的に原告に組み込まれる制度を指す。含まれることを望まない場合は、代表者に対して個別に参加辞退の意思表示を行う必要がある。昨年には米国で進行中のValveを相手取る集団訴訟に関連して、知らぬ間に原告の対象となった開発者やパブリッシャーに辞退するかどうかを選ばせる連絡が送られたことで戸惑いの声が上がっていた(関連記事)。

今回の訴訟は販売者ではなく購入者が原告団となるが、米国での訴訟と類似の手順を踏むこととなるのだろう。なお今回の裁判所の判断は、Shotbolt氏の主張を認めたものではなく、あくまで審理の継続を許可したにとどまるものだ。それでも、原告に1400万人のゲーマーが関わる訴訟だけに、今回の裁判所の判断には大きな注目が集まっている。

この記事にはアフィリエイトリンクが含まれる場合があります。

Kousetsu Taguchi
Kousetsu Taguchi
記事本文: 21