中国でいきなりゲームエンジン「Unity 6」が提供終了。独自進化を遂げた「中国版Unity」に一本化
Unity Chinaは4月7日、中国・香港・マカオにおいて「Unity 6」の提供を終了し、中国版Unity「团结引擎」に完全移行することを発表した。

Unity Chinaは4月7日、中国・香港・マカオにおいて「Unity 6」の提供を終了し、「团结引擎」に完全移行することを発表した。团结引擎は2024年1月より提供されていた“中国版Unity”だ。海外メディア80 Levelが伝えている。
UnityはUnity Technologyが手がけるゲームエンジンだ。業界で広く普及しているプログラム言語C#をサポート。またPC(Windows/macOS)のみならず、PS4やXbox Oneといったコンシューマ機からAndroid/iOSといったモバイルのOSまで、幅広いプラットフォームをカバーしていることが特徴。最新版として、Unity 6が昨年10月に正式リリースされた。なお同エンジンの中国向け展開は地域合弁会社Unity Chinaが担ってきた。

一方で今回Unity Chinaは、Unity 6の中国・香港・マカオでの提供を終了すると発表。Unity 6以降のバージョンについても、今後中国ユーザーには提供されない方針とのことだ。代わりに今後は、2024年1月より中国向けに提供されている「团结引擎」に完全移行するという。中国市場のニーズにより合致したゲームエンジンサービスを利用できるようにするための変更だそうだ。
Unity Chinaには、miHoYoやアリババなどが出資し、現地のパートナー企業などと提携、研究開発投資の拡大をおこなっているとされる。またmiHoYoが開発を手がける『原神』でもUnityが採用されており、同社にはUnityのカスタマイズを専門におこなうチームが存在するという。
そんなUnity Chinaが提供する「团结引擎」は、いわば中国版Unityといえる。グローバル版のUnityと違って独自仕様が設けられていることも、かねてより話題となっていた(関連記事)。中国企業との提携や連携もありつつ、ニーズにあわせて“独自進化”を遂げてきたのだろう。このたび中国ではグローバル版Unityの提供が終了され、团结引擎に一本化されることになったようだ。
今回の発表によると、团结引擎に向けてはUnity 6の機能の一部を引き続きアップグレードしつつ、レンダリング機能の改善などが施される予定だという。またロードマップによると、今後1年間の優先事項としてUnity 6の重要な機能のフォローアップに注力される見込み。
ほか、团结引擎では4月8日に価格のポリシーが更新され、グローバル版に準拠した価格体系が設けられる。2025年6月以降はPersonal とProのふたつのライセンスが提供予定で、Proは年間収益と資金調達の合計が20万米ドル(約2900万円)を超えるプロチームや企業に適用予定とのこと。
これまでにも独自仕様で話題となってきたUnityの中国展開。グローバル版が昨年10月に新バージョンに切り替わったタイミングもあってか、今回中国版Unityとなる团结引擎に一本化される決断がとられるようだ。